

紅茶エキスには約30mgのカフェインが100mlあたり含まれています。
紅茶エキスには、茶葉由来のカフェインが含まれており、その量は100mlあたり約30mgです。これは一般的なコーヒーの約半分の量にあたります。紅茶は緑茶、烏龍茶と同じツバキ科の植物チャノキの葉から作られますが、発酵の過程で成分が変化し、独特の香りと風味を生み出します。
カフェインは苦味成分の一つで、茶葉全体の約2.6〜3.9%を占めています。茶葉の状態では確かにコーヒー豆よりカフェイン含有率が高いのですが、実際に飲料として抽出した際の濃度は抽出方法や時間によって大きく変わります。
文部科学省の日本食品標準成分表によると、同じ100mlで比較した場合、コーヒーは60mg、紅茶は30mgのカフェインを含みます。
これは約2倍の差です。
紅茶エキスを化粧品成分として使用する場合、カフェイン含有量は製品によって異なります。佐藤食品工業のデカフェ紅茶エキスでは、カフェインを90%以上カット(規格値0.5%以下)したタイプも開発されており、カフェインを気にする方向けの選択肢も広がっています。カフェインを抑えた製品では、紅茶本来の美容成分を活かしながら、刺激を最小限に抑えることができるのです。
紅茶とコーヒーのカフェイン量を具体的に比較すると、その差は一目瞭然です。ティーカップ1杯を150mlとすると、紅茶には約45mg、コーヒーには約90mgのカフェインが含まれます。コーヒー1杯で紅茶2杯分のカフェインを摂取することになります。
この違いが生まれる理由は、抽出方法と抽出時間にあります。コーヒーは高温で圧力をかけて抽出することが多く、カフェインが効率的に溶け出します。一方、紅茶は熱湯に茶葉を浸す方法が一般的で、抽出時間も1.5分から4分程度と比較的短めです。
しかし紅茶には、カフェインの働きを穏やかにする成分が含まれています。
タンニンとテアニンです。
タンニンはカフェインと結合し、体内への吸収速度を緩やかにします。テアニンはリラックス効果をもたらすアミノ酸で、カフェインの覚醒作用を和らげます。つまり紅茶のカフェインは、コーヒーよりマイルドな作用です。
厚生労働省によると、紅茶、ココア、コーラ飲料はほぼ同程度のカフェインを含み、コーヒーにはこれらの約2倍のカフェインが含まれています。健康な成人が1日に摂取できるカフェインの目安は最大400mgです。この量は、紅茶なら約8杯、コーヒーならマグカップ約3杯に相当します。紅茶の方が、日常的に複数杯楽しめる飲み物といえますね。
カフェインには、美容面でプラスとマイナス両方の影響があります。適量を守れば、美肌づくりの強い味方になります。
プラスの影響として、まず血行促進効果が挙げられます。カフェインは血管を拡張させる作用があり、肌に必要な栄養素や酸素を届けやすくします。血行が良くなると、肌のくすみが改善され、顔色がワントーン明るくなります。肌のターンオーバーも活発になり、新しい細胞の生まれ変わりがスムーズに進みます。
次に、抗酸化作用によるアンチエイジング効果です。カフェインには活性酸素を除去する力があり、肌の老化を遅らせる働きが期待されています。シミやシワの予防につながる可能性があります。
脂肪燃焼効果も見逃せません。カフェインは脂肪分解酵素リパーゼの働きを活性化させ、体脂肪の分解を促進します。化粧品成分としてのカフェインは、ボディケア製品で抗セルライト作用を目的に配合されることもあります。
ただし、過剰摂取には注意が必要です。カフェインを摂りすぎると、利尿作用により体内の水分が失われやすくなります。
これが肌の乾燥につながることがあります。
コーヒーは特に利水作用が強いですが、紅茶や緑茶には潤いを作り出す効果もあるため、バランスが取れています。
また、カフェインの覚醒作用が強すぎると、睡眠の質が低下する可能性があります。
質の良い睡眠は美肌の基本です。
寝る前の紅茶は避けるか、デカフェタイプを選ぶとよいでしょう。健康な成人なら1日3〜4杯程度が適量ですね。
紅茶エキスには、シミやくすみを防ぐ美白効果が確認されています。その鍵を握るのが、チロシナーゼという酵素の働きを抑える作用です。
チロシナーゼは、メラニン色素を作り出す際に必要な酵素です。紫外線やストレスなどの刺激を受けると、肌の表皮にあるメラノサイトという細胞が活性化し、チロシナーゼの働きによってメラニンが過剰に生成されます。
これがシミやくすみの原因です。
紅茶エキスに含まれる成分には、このチロシナーゼの活性を阻害する効果が実証されています。特許情報によると、紅茶のチロシナーゼ阻害活性に着目した研究が進められており、長期連用しても安全で美白効果に優れたメラニン生成抑制剤として期待されています。
さらに注目すべきなのが、紅茶クリーム由来成分の働きです。紅茶は冷却すると、タンニンやカフェインなどの成分が沈殿する「クリームダウン現象」を起こします。この現象で得られた紅茶クリーム由来成分には、テアフラビン類が多く含まれています。
ファンケルとキリンの共同研究によると、紅茶クリーム由来成分は長寿遺伝子「サーチュイン3」を増やす働きがあることが確認されました。サーチュイン3は、メラノサイトの紫外線反応性を低下させ、メラニンの過剰産生を抑制する機能を持っています。つまり、メラノサイトが正常な機能を取り戻すという、新しいアプローチでシミを防ぐのです。
紅茶エキスを配合した化粧品では、抗酸化作用、美白効果、抗菌作用、育毛効果、コラーゲン生成促進作用などが期待できます。収れん、保湿、消炎作用もあり、細胞の新陳代謝をサポートします。吸水性が高く保湿力に優れているため、潤い効果も抜群です。
ファンケル公式サイト:紅茶クリーム由来成分とサーチュイン3に関する研究情報はこちらから確認できます
紅茶エキスの大きな特徴の一つが、テアニンという成分です。テアニンはアミノ酸の一種で、お茶特有のうまみ成分として知られています。このテアニンが、カフェインの作用を穏やかにしてくれるのです。
テアニンには、脳をリラックスさせる働きがあります。摂取すると副交感神経が優位になり、ストレスを和らげ、深い眠りを促す効果が報告されています。リラックス成分とも呼ばれるテアニンは、神経を鎮静・安定させる作用を持ち、興奮状態の緩和や自律神経の安定に役立ちます。
ここで興味深いのが、カフェインとテアニンの相互作用です。カフェインには覚醒作用があり気分を高める効果がありますが、テアニンがその興奮を和らげてバランスの取れた心地よさをもたらします。紅茶に含まれるテアニンのリラックス作用が、カフェインを摂取した時に起こる中枢神経の興奮作用を緩和することが確認されているのです。
さらに、テアニンとカフェインを一緒に摂取すると、集中力が増す効果も研究で見られています。相反する2つの成分が相乗効果を生み、集中力が高まったり気分がすっきりするのです。
これは美容習慣を続けるうえでも大切ですね。
カフェインの血中濃度は、摂取後およそ30分から2時間で最大となり、2〜8時間その効果が続くといわれています。カフェインの覚醒作用を感じやすい方は、テアニンを摂取することで、カフェインの睡眠への影響を軽減できる可能性があります。
紅茶を飲むとホッとするのは、まさにこのテアニンのリラックス効果によるものです。美容にとってストレスは大敵ですから、紅茶エキスに含まれるテアニンは、心身の健康を保ちながら美容ケアを続けられる心強い成分といえます。ただし、就寝前に飲むとカフェインの影響で寝付きが悪くなることがあるため、夜はデカフェタイプを選ぶと安心です。
紅茶エキスの美容効果を語るうえで、欠かせないのがポリフェノールの働きです。紅茶ポリフェノールには、強力な抗酸化力があり、肌の老化を防ぐ効果が期待されています。
紅茶には、テアフラビンやフラボノイドなどのポリフェノールが豊富に含まれています。これらの成分は、活性酸素と呼ばれる物質を無害な物質に変える抗酸化作用を持ちます。活性酸素は、細胞や組織を酸化させてダメージを与える物質で、肌のシミ、シワ、たるみの原因になります。紅茶ポリフェノールは、この活性酸素に対抗し、肌の酸化を防いでくれるのです。
試験結果では、紅茶ポリフェノールの塗布による肌への美容効果が示されており、化粧品成分としての有効性が確認されています。抗酸化作用によるエイジングケア、抗菌・抗ウイルス作用による免疫サポート、血流促進と代謝アップなど、美容を支える5つの効能が期待できるとされています。
血行促進効果も見逃せません。紅茶に含まれるカフェインとポリフェノールの働きによって血流が促進されると、肌に必要な栄養や酸素が行き届きます。くすみのない透明感のある肌へと導かれ、肌のハリも向上します。血行が良くなると肌の新陳代謝が活発になり、肌の色がワントーン明るくなる効果も期待できます。
紅茶ポリフェノールには、コラーゲン生成促進作用も報告されています。コラーゲンは肌の弾力を保つために必要なたんぱく質です。年齢とともに減少していくコラーゲンの生成を促すことで、肌のしわやたるみの改善に役立ちます。
紅茶エキスを配合した化粧品は、午後の紅茶のポリフェノールを使用した美白化粧品など、さまざまな製品が開発されています。資生堂のシワ改善と美白効果が認められたクリームにも、紅茶エキスが配合されています。抗酸化成分として化粧品成分オンラインにも掲載されており、信頼性の高い成分として広く認知されています。
1日に紅茶を3杯飲むことで、肌への水分補給に役立ち、ポリフェノールが抗酸化作用を提供し、細胞の老化防止に寄与します。ただし、カフェインの摂取は適度にし、就寝前は控えることが大切です。紅茶の持つ"飲む美容習慣"としての力を、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。