

ブルーベリーのサプリを毎日飲んでいても、実はカシスの約4分の1しかアントシアニンを摂れていません。
カシス(英語名:ブラックカラント)は、ヨーロッパやニュージーランドで広く栽培される黒紫色のベリーです。その最大の特徴は、アントシアニンの含有量が群を抜いて多いこと。よく「目にいい」「美容にいい」と言われるブルーベリーと比べても、カシスのアントシアニン含有量はおよそ3〜4.3倍に達するとされています(仙台勝山館ラボ調べ)。
アントシアニンとは、植物が紫外線や外的ストレスから身を守るために作り出す天然の青紫色色素です。ポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持っています。つまり、肌の老化を引き起こす「活性酸素」を中和する働きがあるということですね。
カシスのアントシアニンには、さらに大きな特徴があります。ブルーベリーのアントシアニンが15種類以上の多様な組成を持つのに対し、カシスは「デルフィニジン-3-ルチノシド(D3R)」「シアニジン-3-ルチノシド」「デルフィニジン-3-グルコシド」「シアニジン-3-グルコシド」のわずか4種類に集中しています。
この構成の違いが重要です。種類が絞られているぶん、特定の働きに特化した高い機能性が発揮されると考えられています。特にD3Rはアントシアニンの中でも最も高い抗酸化力を持つとされており、カシス特有の美容・健康効果を牽引する成分として注目されています。これは使えそうです。
| 成分 | カシス | ブルーベリー |
|---|---|---|
| アントシアニン含有量 | ブルーベリーの約3〜4.3倍 | 基準値 |
| ビタミンC含有量 | ブルーベリーの約4倍以上(100gあたり約200mg) | 基準値 |
| アントシアニンの種類 | 4種類(量が多く高機能) | 15種類以上(幅広いが量は少ない) |
| ポリフェノール総量 | ブルーベリーの約3.3倍 | 基準値 |
日本カシス協会や弘前大学をはじめとする研究機関が、カシスの機能性について多くのエビデンスを蓄積しています。「目にいい果物=ブルーベリー」というイメージが定着していますが、アントシアニンの量・質ともにカシスが上回るという認識が、医療・研究の現場では広まってきています。
カシスのアントシアニンが目に良いという根拠として参考になる情報がこちらで確認できます。
「カシスの力で視力アップ!ブルーベリーを超える目の健康」 上野アメ横 小島屋
美容の大敵は「活性酸素」です。紫外線・ストレス・食生活の乱れなどによって体内に過剰に生成された活性酸素は、細胞を傷つけ、シミ・シワ・くすみ・たるみといった肌老化を引き起こします。カシスアントシアニンの抗酸化作用は、この活性酸素を中和することで肌ダメージを内側から食い止める、という仕組みです。
注目すべきは、弘前大学大学院保健学研究科・堀江香代准教授らの研究結果です。更年期モデルのラット(卵巣を除去)にカシス配合の餌を与えたところ、肌の弾力を支える「コラーゲン層の増加」と「エラスチン線維の増加」が確認されました(Nutrients, 10(4), 496, Nanashima N, Horie K, et al. 2018)。
コラーゲンとエラスチンは、肌のハリ・弾力・つるっとした質感を生み出すたんぱく質です。加齢とともに減少しますが、カシスのアントシアニンがその生成をサポートするということですね。特に更年期以降の女性にとって、これは大きなメリットになります。
さらにカシスアントシアニンは、酸化ストレスから皮膚を守る抗酸化酵素「Nrf2(エヌアールエフ2)」を活性化させる働きも期待されています。Nrf2は体内の防御機構を高める「マスタースイッチ」とも呼ばれており、皮膚の炎症を抑え、赤みや腫れを軽減する可能性があります。つまり、ニキビや肌荒れしやすい肌にも働きかけられる成分です。
コラーゲンの生成を補う観点では、カシスに豊富なビタミンC(100gあたり約200mg、オレンジの約3倍)との相乗効果も見逃せません。ビタミンCはコラーゲン合成に不可欠な栄養素で、アントシアニンと同時に摂れるカシスは、美容サプリとしても効率的な食材といえます。
弘前大学による皮膚美容研究の詳細はこちらで確認できます。
「カシス抽出物による皮膚美容の研究」 一般社団法人 日本カシス協会
「スキンケアを丁寧にしているのに、顔色が悪い」「目の下のクマがなかなか消えない」——そんな悩みの原因の一つが、末梢血流の低下です。冷えや疲れ、デスクワークが続くと、顔の皮膚まで届く血流が減り、肌のくすみやクマとして現れます。
カシスアントシアニンには、この末梢血管の血流を改善する働きがあります。しかも、その即効性が他のアントシアニンと比べて際立って高いのです。
神戸大学名誉教授・市橋正光氏と明治製菓の共同研究(2005年発表)によると、カシスポリフェノールを摂取した被験者グループでは、摂取15分後から目の下の血流量の有意な増加が確認されました。プラセボ群では変化が見られなかったのに対し、カシス摂取群では肌の明度(L*値)が有意に上昇し、90分後には目の下のクマの黒さが約5%改善したことが報告されています。
5%という数字は小さく見えるかもしれませんが、クマのような色素沈着では、1〜2%の輝度変化でも視覚的に違いを感じやすいとされています。つまり、「見た目の印象」として実感できる水準です。
冷え性や肩こりがある方にも注目の情報です。末梢血流の改善は顔だけでなく、体の末端(手先・足先)や筋肉にも届きます。肩こりや冷え症の原因の一つが血流の滞りであるため、カシスアントシアニンを毎日摂ることで、体全体のめぐりが整いやすくなります。
目の下のクマが90分で約5%改善したことを示す研究の詳細はこちらです。
「目の下のクマにカシスが効く」 一般社団法人 日本カシス協会
美容目的でカシスを調べている方の多くは、「抗酸化作用」や「目の疲れ」に注目しがちです。しかし、あまり知られていない重要な側面があります。それが、カシスアントシアニンの「フィトエストロゲン活性」です。
フィトエストロゲンとは、植物が持つ成分の中で、女性ホルモン(エストロゲン)に似た構造を持ち、体内でエストロゲン様の作用を示すものを指します。大豆イソフラボンが有名ですが、カシスのアントシアニンにも同様の働きが確認されています。
エストロゲンは、肌のコラーゲン産生・保湿力の維持・骨密度の保持・血管の弾力性維持など、女性の美容と健康に深く関わるホルモンです。30代後半から分泌量が低下し始め、40代以降に急激に減少します。肌のくすみ・乾燥・ハリの低下・薄毛といった悩みが年齢とともに増えるのは、このエストロゲン低下が一因です。
弘前大学の研究グループは、カシス抽出物が更年期症状の軽減に有効である可能性を動物実験で示しました(2019年発表、日本経済新聞でも報道)。卵巣を除去した更年期モデルのラットにカシス抽出物を投与したところ、血管・毛包・皮膚いずれにおいても、エストロゲン不足による機能低下を抑制する結果が得られたのです。
さらに弘前大学研究シーズDBによると、「カシスアントシアニンはエストロゲンを補うサプリメント食品として、骨や血管などの機能改善、さらには皮膚などの美容分野への応用が期待される」と明記されています。
ただし、一点注意が必要です。フィトエストロゲン活性を持つ成分は、ホルモン感受性の高いがん(特にエストロゲン依存性の乳がんなど)を抱えている方や、ホルモン関連の治療を受けている方は、摂取前に必ず主治医に相談することが原則です。
一方、健康な成人女性にとってはエストロゲンのバランスをサポートし、30代・40代からの肌ケア・ヘアケアにも寄与する可能性があります。スキンケア外用品だけではアプローチできない「ホルモン的な肌変化」に、内側からのサポートとして検討できる選択肢です。これは意外ですね。
更年期症状とカシスの関係について詳しくは弘前大学の研究報告をご覧ください。
カシスアントシアニンの効果を最大限に引き出すには、摂り方と量が重要です。まず量から整理しましょう。
カシスアントシアニンの1日推奨量は以下が目安とされています。
ニュージーランド産カシスパウダーの場合、2gあたりカシスアントシアニン50mgが目安です。ティースプーン軽く1杯ほどの量です。ヨーグルト・スムージー・ゼリードリンクに混ぜるのが手軽で、毎日続けやすいでしょう。
摂取タイミングについて重要な点があります。カシスアントシアニンは「水溶性」の成分で、体内に長期間ため置きができません。1〜2時間後に血中濃度がピークになり、8時間後には約22%残存している状態です。1回にまとめて大量に飲んでも効果は増しません。朝晩2回に分けて摂るほうが、血中濃度を安定させやすいということです。
サプリを選ぶ際のポイントを押さえておきましょう。
食品として摂る場合は、カシスパウダー・ドライカシス・カシスジュース(非濃縮還元)なども選択肢になります。ただし市販のカシスジャムや加工食品には糖分や添加物が多い場合があるため、「美容目的でアントシアニンを摂りたい」なら無添加のパウダーかサプリのほうがコントロールしやすいでしょう。
アントシアニンとして1日50mgが目安という根拠を含む、摂取量についての詳細はこちらで確認できます。
「カシスはどれくらいで効果が出るの?」 一般社団法人 日本カシス協会
また、日本カシス協会の認定品一覧はこちらで確認できます。