
大豆イソフラボンサプリメントは、女性ホルモンであるエストロゲンと化学構造が非常に似ており、「植物性エストロゲン」とも呼ばれています 。更年期になると卵巣の機能が低下し、エストロゲンの分泌が急激に減少することで、ほてり、発汗、ドキドキ感、イライラ、不眠などの更年期症状が現れます 。
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大豆イソフラボンを摂取することで、不足したエストロゲンの働きを補い、これらの症状を緩和する効果が期待できます 。特に、日本人女性を対象とした研究では、大豆イソフラボンの代謝物であるエクオール含有サプリメントが、ホットフラッシュや肩こりなどの更年期症状に対する有効性が確認されています 。
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興味深いことに、この効果は女性だけでなく、40歳を過ぎてから生じる精巣機能の低下に伴う男性更年期にも効果があるという報告があります 。ただし、大豆イソフラボンの効果は100分の1程度と穏やかで、長期服用により効果がはっきりしてくるという特徴があります 。
参考)302 Found
大豆イソフラボンが美肌効果をもたらす理由は、エストロゲンの働きを補うことにあります。エストロゲンは肌のコラーゲン量を増やし、ヒアルロン酸を留めておく働きを助け、肌のなめらかさ・潤い・ハリ・弾力・美白などを保つ重要なホルモンです 。
参考)イソフラボンに期待できる美容効果について解説
大豆イソフラボンの抗酸化作用も美肌には欠かせません。加齢とともに抗酸化力が低下すると、活性酸素により細胞が損傷し、肌トラブルの原因となります 。大豆イソフラボンの強い抗酸化作用により、肌のコラーゲン酸化・分解を抑制し、シミやシワといった肌トラブルを予防する効果が期待できます 。
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最新の研究では、大豆イソフラボン含有のプロテインを摂取した閉経後女性において、顔の光老化サインの改善と肌の水分量の増加が確認されています 。これは、大豆イソフラボンがコラーゲン合成を促進し、肌の保湿機能を向上させることを示しています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10574417/
海外研究によると、大豆イソフラボンの皮膚への効果についての研究が進んでいます。
骨粗しょう症は、骨密度が低下し骨折のリスクが高まる疾患で、女性が男性の3倍多く発症します。60代女性では5人に1人、80代女性では2人に1人が骨粗しょう症になるというデータがあります 。
大豆イソフラボンは、減少したエストロゲンの働きを補うことで骨の代謝をサポートし、骨密度の維持に貢献します 。エストロゲンは骨の吸収を抑制し、骨形成を促進する重要な役割を果たしているため、大豆イソフラボンによってこの働きを補完することで骨粗しょう症のリスクを低下させることができます。
複数の無作為化比較試験を対象としたメタ分析では、抽出大豆イソフラボンの単独摂取が骨密度に与える影響が検証されており、骨粗しょう症予防に一定の効果があることが確認されています 。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/3df8670aff0f3406d55a6618f87c12d87e3f52f3
大豆イソフラボンには、生活習慣病の予防や改善に対する複数の効果が確認されています。特に注目すべきは、血中コレステロールの改善効果です。大豆イソフラボンは細胞内に脂肪が蓄積するのを抑え、脂肪酸の燃焼を促進する働きにより、血中のコレステロール濃度を下げる効果があります 。
国立健康・栄養研究所の調査では、大豆イソフラボンを含む大豆タンパク質を1〜3ヵ月継続摂取したところ、血中総コレステロールおよびLDLコレステロールの濃度を有意に低下させることが確認されています 。これにより、動脈硬化や糖尿病などの発症リスクを低下させ、心筋梗塞や脳卒中のリスク軽減につながります。
また、大豆イソフラボンの血糖値調整効果も注目されています。インスリンの働きを改善し、血糖値の上昇を抑制することで、糖尿病の予防に貢献します 。
大豆イソフラボンの効果を語る上で重要なのが、エクオールという成分です。エクオールは、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインという成分が、腸内細菌によって代謝されて生み出される成分で、大豆イソフラボンのままよりも強い働きをします 。
参考)エクオールとは?|大塚製薬のエルシリーズ| 大塚製薬
しかし、このエクオールを体内で産生できる人は日本人女性の約50%程度に限られており、個人差が大きいことが明らかになっています 。エクオール産生菌を持たない人は、大豆イソフラボンを摂取してもその恩恵を十分に受けられない可能性があります。
参考)https://www.otsuka-plus1.com/shop/pages/story_equ_ingredient02.aspx
そのため、近年ではエクオールを直接摂取できるサプリメントも登場しています。エクオールサプリを摂取すると、ホットフラッシュや肩こり、手関節痛などの更年期症状の改善、骨密度の低下予防、シワや薄毛の改善、脂質代謝の改善効果が期待できます 。
参考)せっかく大豆製品食べていたのに、効果なかった!?|成城乳腺ク…
大塚製薬の研究によると、エクオールをゆらぎ世代の女性の健康と美に役立てるには、1日あたり10mgの摂取が目安となることがわかっています 。この量を腸内で産生するためには、大体50mgの大豆イソフラボンが必要で、豆腐なら2/3丁(200g)、納豆なら1パック(50g)、豆乳ならコップ1杯(200g)が目安量となります 。
エクオール産生に関する詳しい情報は大塚製薬の研究結果を参考にしてください。