

スキンケアを毎日しているのに、なぜか白髪が増え続ける。その原因は、肌の保湿だけケアしてコラーゲン産生を放置していたからです。
マジョラムエキスとは、シソ科の多年草「マヨラナ(学名:Origanum majorana)」の葉から抽出した植物エキスのことです。化粧品成分表示では「マヨラナ葉エキス」または「マヨラナエキス」と記載されるため、「見たことがない成分だ」と感じる方も多いかもしれません。
実は同じ成分です。
原産地は地中海沿岸・北アフリカ・西アジア周辺で、古代エジプトではミイラの防腐処理にも使われるほど強力な抗菌・抗酸化作用が知られていました。古代ギリシャでも薬草として、不眠症・胃炎・神経過敏などに幅広く用いられてきた歴史があります。現在は主にアジア・ヨーロッパ・北アフリカで栽培され、食用ハーブとしても知られています。
美容成分としての注目度が急上昇したのは比較的最近のことです。その主なきっかけとなったのが、「17型コラーゲン」産生促進効果の発見。これはスキンケアだけでなくヘアケアの世界にも大きな波を起こしました。
国内では丸善製薬が「マジョラム抽出液BG」として化粧品原料を供給しており、POLAやアテニアなど著名ブランドの製品にも配合されています。つまり、すでに一定の信頼と実績がある成分ということですね。
🔗 化粧品成分オンライン:マヨラナ葉エキスの基本情報・配合目的・安全性(成分組成・試験データ詳細)
マジョラムエキスが保湿に効く最大の理由は、「表皮ヒアルロン酸産生促進作用」にあります。
ヒアルロン酸は皮膚の細胞外マトリックスを構成する主要な保湿物質で、体全体のヒアルロン酸の約50%が皮膚に集中しています。ただし、加齢とともに自己産生量は著しく低下します。20代をピークに30代以降は急落し、50代になると20代の約半分程度になるとされています。
マジョラムエキスに含まれる成分「フィトール」は、in vitroの試験においてヒアルロン酸産生促進作用が確認されています(日光ケミカルズ、2005年)。これは単に外からヒアルロン酸を補うのではなく、肌細胞自身にヒアルロン酸を作らせるアプローチです。
これは使えそうです。
外から塗るヒアルロン酸はいずれ流れ落ちますが、細胞が自分でヒアルロン酸を作れるようになれば持続的な保湿が期待できます。もちろん、今すぐ効果を実感したい方はヒアルロン酸配合の化粧水と組み合わせて使うと、相乗効果が出やすくなります。
角質層の水分量を保つために、マジョラムエキス配合の化粧水や美容液を日常のルーティンに取り入れることが、乾燥による小ジワ・くすみ対策の第一歩です。
🔗 e-expo:丸善製薬マジョラムリーフエキス(ヒアルロン酸産生作用の概要)
マジョラムエキスが美容界で評価される2つ目の柱が、「SOD様活性」による抗酸化作用です。
SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)とは、体内で自然に生成される抗酸化酵素の一種です。紫外線や環境汚染物質を浴びると、皮膚内で「スーパーオキシド」と呼ばれる活性酸素が大量に発生します。この活性酸素が放置されると、コラーゲン分解酵素(MMP)が増加し、コラーゲンが壊れて肌のハリが失われます。くすみや肌荒れも、実は活性酸素が原因のことが多いです。
御木本製薬が1996年に行った試験では、マヨラナ葉エキス(0.05%濃度)のスーパーオキシド消去率は36.2%という結果が確認されています。ヒト使用試験においては、4名の女性被検者に3ヵ月間マヨラナ葉エキス配合の化粧水とクリームを使用してもらったところ、肌荒れ・ハリ・ツヤのすべての評価スコアで改善が見られました。
3ヵ月でスコア改善というのは、継続使用が大切だということですね。日焼け直後のケアや、季節の変わり目で肌が荒れやすい時期のスキンケアに取り入れるのが特に効果的です。
なお、含有成分の「没食子酸」も強力な抗酸化物質で、DPPHラジカル消去活性・スーパーオキシド消去活性・還元型グルタチオン比率増加が確認されています。マジョラムエキスは複数の抗酸化メカニズムを持つ成分です。
シミやくすみに悩む方にとっても、マジョラムエキスは頼りになる成分です。含有成分のフィトールには、in vitroでメラニン生成抑制作用が確認されています(丸善製薬、2014年)。また没食子酸も、チロシナーゼ活性阻害・UVB誘導メラニン生成抑制の両方が確認されています。
チロシナーゼとはシミの原因となるメラニン色素を合成する際に必要な酵素です。この酵素の働きを抑えることで、紫外線を浴びても過剰なメラニンが生成されにくい肌になっていきます。
つまり、攻めの美白ケアということです。
ただし、メラニン抑制効果については現時点でのヒト試験データが限られており、あくまで成分レベルでの確認段階である点に注意が必要です。医薬部外品の美白有効成分(ビタミンC誘導体・トラネキサム酸など)と組み合わせることで、より高い相乗効果が期待できます。
POLAのB.Aシリーズ(3Dコンシーラー)やアテニアのブライトニングアプローチキットにもマジョラムエキスが配合されており、透明感へのアプローチに活用されています。美白ケアに取り組んでいる方は、成分表示を確認してみるといいですね。
マジョラムエキスに含まれる「α-テルピネオール」と「リナロール」には、in vivoの動物実験で血流促進作用が確認されています(ANBAS、2009年)。
目の下のクマは「皮膚の薄さ」と「血行不良」が重なることで目立ちやすくなります。特に青クマは血行不良型で、静脈血が透けて見えている状態です。血行が改善されると静脈うっ滞が和らぎ、見た目の暗さが軽減されます。くすみも同じ仕組みで、血行が悪いと肌全体にくすんだ印象を与えます。
血行促進ケアは、スキンケアだけでなく生活習慣と組み合わせることでより効果が出やすくなります。例えば、洗顔後にマジョラムエキス配合の美容液を塗る前に、軽いマッサージで血流を促してから使うと、成分が浸透しやすくなります。1日1分程度の顔マッサージが目安になります。
古代エジプト・ギリシャ時代から「くすみや内出血の緩和」に使われてきた歴史は、この血行促進効果と深く関連していたと考えられます。
意外ですね。
マジョラムエキスは、Ⅰ型コラーゲンの合成を促進する作用も持っています。これは株式会社バスクリンが2005年に行ったin vitro試験で確認されたデータです(特開2006-265120)。
コラーゲンは肌のハリと弾力を支える繊維状のタンパク質で、皮膚全体の約70%を占めます。しかし25歳を過ぎると毎年約1%ずつ減少するといわれており、30代以降になると肌のたるみ・ほうれい線・小ジワが目立ちはじめます。
ハリ不足に悩む方には重要なポイントです。
Ⅰ型コラーゲンは体内で最も多く存在するコラーゲンで、皮膚・骨・腱などに広く分布しています。肌の土台を作るコラーゲンを自分の細胞に産生させるアプローチは、エイジングケアの観点で非常に合理的です。
これが基本です。
たるみやハリ不足が気になる方は、マジョラムエキスとビタミンC誘導体(コラーゲン合成補助)、またはレチノール系成分を組み合わせたスキンケアラインを選ぶと、コラーゲン産生を多角的にサポートできます。
マジョラムエキスのヘアケア効果の核心は「17型コラーゲン産生促進」にあります。
東京医科歯科大学の研究(西村栄美教授)により、毛根に存在する「17型コラーゲン」の減少が白髪・薄毛の直接原因であることが明らかになりました。17型コラーゲンは毛包幹細胞・色素幹細胞を維持するために不可欠なタンパク質で、加齢・紫外線ダメージ・酸化ストレスによって産生量が低下します。17型コラーゲンが減ると、毛包幹細胞が消耗して髪が育たなくなり、色素幹細胞が失われることで白髪が進行します。
そこで注目されたのがマジョラムエキスです。マジョラムエキスを使用すると、17型コラーゲンの産生率が160%以上促進されることが確認されています。一般的な食材から摂取するコラーゲンは分解されてアミノ酸になるため、17型コラーゲンとして直接補充するのは難しいです。そのため、産生を促す外用アプローチが現実的な対策として評価されています。
17型コラーゲンは外から補えない成分です。マジョラムエキスを配合した育毛剤やスカルプシャンプーを活用して、頭皮から産生を促すアプローチが実践的です。NuSkinのTS スカルプシリーズ(薬用エッセンスXVII)やem-path Herba髪育セレクトシャンプーなど、このアプローチを取り入れた商品も増えています。
継続して使うことが条件です。
🔗 HOT PEPPER Beauty:17型コラーゲンとマジョラムエキスの関係(160%以上の産生促進作用の説明)
マジョラムエキスには、薄毛の直接原因となる「5αリダクターゼ」を抑制する作用も報告されています。
5αリダクターゼとは、テストステロン(男性ホルモン)をジヒドロテストステロン(DHT)に変換する還元酵素です。DHTは毛包に作用して毛髪の成長期を短縮し、最終的に毛包がミニチュア化することで薄毛(AGA)が進行します。女性でもホルモンバランスが乱れると5αリダクターゼの影響を受けることがあり、特に閉経後の女性に顕著です。
マジョラムエキスがこの酵素の活性を阻害することで、毛髪が退行期へ移行するのを遅らせ、成長期を延長する働きが期待されています。育毛剤として有名な「BUBKA」が過去にマジョラムエキスの5αリダクターゼ抑制効果を広告で強調していたほど、その注目度は高いです。
ただし、5αリダクターゼ阻害作用については、単独での臨床エビデンスがまだ十分ではない部分もあります。重篤な薄毛の場合は皮膚科・毛髪専門クリニックへの相談が先決です。薄毛ケアの補助として取り入れることが現実的な利用法といえます。日本メディカルハーブ協会も、植物エキスを活用したスカルプケアの一つとして植物由来成分の研究を進めています。
🔗 日本メディカルハーブ協会:育毛・薄毛対策と植物抽出液(5αリダクターゼと植物エキスの関係)
美容業界ではマジョラムエキスを「スキンケア成分」として語ることが多いですが、実はスキンケアとヘアケアを同時にケアできる「横断的美容成分」として捉え直すと、その活用価値が大幅に広がります。
例えば、17型コラーゲンは頭皮だけでなく、皮膚の基底膜にも存在しています。基底膜とは表皮(肌の一番外側の層)と真皮(コラーゲンや弾力繊維が豊富な層)の境界にある膜で、表皮幹細胞を維持する重要な構造です。つまり17型コラーゲンの減少は、肌の老化(たるみ・シワ)とも直結しています。
一方で、市場に出回っているスキンケア製品の多くはこの視点を意識しておらず、マジョラムエキスを「保湿補助」として配合するにとどまっています。17型コラーゲン産生促進という視点からスキンケアを設計した製品は、まだ少数派です。逆にいえば、マジョラムエキスを積極的に活用したスキンケアを選ぶことで、他の保湿特化型製品よりも広いエイジングケアができる可能性があります。
頭皮と肌は同じ皮膚の一部、という発想でスキンケアとヘアケアを統合的に考えると、マジョラムエキスの配合製品を選ぶ際の基準が変わってきます。
これは知っておいて損なしです。
マジョラムエキスを含む製品を選ぶ際には、いくつかのチェックポイントがあります。
まず成分表示の位置を確認してください。化粧品の全成分は配合量の多い順に記載されるルールがあります(厚生労働省規定)。マヨラナ葉エキス(またはマヨラナエキス)が表示の上位10成分以内にあれば、十分な量が配合されている目安になります。後半に記載されている場合は、配合量が微量の可能性が高いです。
配合位置が基準です。
次に、スキンケア用途かヘアケア用途かで選ぶ製品の種類を分けましょう。
- スキンケア目的(保湿・抗酸化・美白):マジョラムエキス配合の化粧水・美容液・クリームを選ぶ
- ヘアケア目的(白髪予防・育毛):マジョラムエキス配合の頭皮用美容液・スカルプシャンプーを選ぶ
- 両立したい場合:スカルプケア用美容液をフェイスケアにも兼用できる製品を選ぶと効率的
使い方のコツとして、スキンケアでは洗顔後すぐの濡れた状態に化粧水として塗布するのが浸透効率を高めます。ヘアケアでは、シャンプー後にタオルドライしてから頭皮に直接塗布し、マッサージすることで成分が頭皮に行き渡りやすくなります。なお、マジョラムの香りを長時間嗅ぐと眠くなることがあるため、夜のルーティンに組み込むのが自然です。
マジョラムエキスは20年以上の化粧品使用実績があり、通常の使用量・使用条件においては安全性に問題がないとされています。皮膚刺激性・皮膚感作性(アレルギー性)ともに重大な報告はなく、一般的に安全な成分と評価されています。
ただし、以下の点は注意が必要です。
- 精油(アロマオイル)としての使用:マジョラム精油は血圧を下げる作用があるため、低血圧の方は注意が必要です。妊娠中は通経作用(月経を促す作用)があるとされるため、肌への直接使用は控えることが推奨されています。
- 化粧品エキスとしての使用:化粧品に配合される濃度では上記リスクは低いとされていますが、敏感肌の方は初回使用時にパッチテストを行うことが安心です。
- 眼刺激性:現時点では詳細なデータが存在しないため、目の周りへの使用は慎重に行うことを推奨します。
妊娠中や何らかの持病がある場合は、かかりつけの医師や薬剤師に相談することが原則です。安全性は高い成分ですが、個人差があることも忘れずに。
🔗 REFLE:スイートマジョラムの効能・精油の活用方法(禁忌・注意点の詳細)
マジョラムエキスの効果をまとめると、以下のような多彩な働きを持つ成分であることがわかります。
| 効果 | 作用メカニズム | 対象悩み |
|------|--------------|---------|
| 保湿 | ヒアルロン酸産生促進(フィトール) | 乾燥・小ジワ |
| 抗酸化 | SOD様活性(スーパーオキシド消去) | 肌荒れ・くすみ・老化 |
| 美白 | メラニン生成抑制・チロシナーゼ阻害 | シミ・そばかす |
| 血行促進 | α-テルピネオール・リナロール | クマ・くすみ |
| コラーゲン産生 | Ⅰ型コラーゲン合成促進 | ハリ・たるみ |
| 白髪予防 | 17型コラーゲン産生160%以上促進 | 白髪・加齢毛 |
| 育毛 | 5αリダクターゼ抑制 | 薄毛・抜け毛 |
特に活用をおすすめしたい方のタイプは3つあります。①30代以降でエイジングサインが気になり始めた方(乾燥・ハリ不足・くすみ)、②白髪や薄毛の予防を早めに始めたい方(20〜30代からのケアが有効)、③スキンケアとヘアケアの両方を効率化したい方です。
一つの成分でこれだけのアプローチができるのは、希少だといえます。成分表示で「マヨラナ葉エキス」を探してみてください。あなたのスキンケアとヘアケアのラインナップを見直すきっかけになるはずです。

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