

グリチルレチン酸配合の塗り薬は、非ステロイド性の抗炎症外用剤として湿疹やニキビ・肌荒れに広く使われています。しかし「ステロイドと似た構造をもつ成分なのに、長期間塗り続けても本当に安全なのか?」と不安に感じたことはないでしょうか。実は、肌に塗る用途なら安全性の懸念はほとんどないにもかかわらず、正しい知識なく使うと「本来効果が出る場面でも選び方を間違えて効果ゼロ」という残念な結果になるケースが少なくありません。
グリチルレチン酸は、マメ科植物「カンゾウ(甘草)」の根に含まれる天然由来の成分です。正式には「β-グリチルレチン酸」と表記され、医薬部外品の有効成分として厚生労働省に承認されています。化学的には、甘草から抽出されたグリチルリチン酸を加水分解(糖分子であるグルクロン酸2分子を除いた状態)して得られる成分です。
この成分の特徴として、水には溶けにくいという性質があります。一方、誰もがよく耳にする「グリチルリチン酸2K(ジカリウム)」は水溶性が高く化粧水などに配合しやすい形態です。グリチルレチン酸はエタノールに溶けやすいため、クリーム・軟膏・ゲルタイプの塗り薬や医薬部外品のクリームに多く使われます。
つまり、塗り薬の成分として使われるのは「グリチルレチン酸」であり、「グリチルリチン酸2K」とは別物です。同じ甘草由来でも形態が違うことを覚えておきましょう。
なお、グリチルレチン酸は非ステロイド性の成分でありながらステロイドに似た化学構造(トリテルペン骨格)をもちます。これがしばしば「ステロイドの一種では?」という誤解を生む原因ですが、ステロイドとは全く別の成分です。ステロイドに特有の「皮膚の萎縮・血管拡張」といった副作用は原則として発生しません。
参考:グリチルレチン酸の成分詳細・配合目的・安全性データ(化粧品成分オンライン)
https://cosmetic-ingredients.org/antiinflammatory-agents/1123/
グリチルレチン酸を配合した塗り薬には、大きく分けて3つの主要な作用があります。それぞれ理解しておくと、どんな肌トラブルに使うべきかが明確になります。
① 抗炎症作用
グリチルレチン酸は「ホスホリパーゼA2阻害作用」と「肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用」という2つのメカニズムによって、皮膚の炎症を鎮めます。ホスホリパーゼA2とは、炎症の引き金となる「アラキドン酸」を細胞膜から遊離させる酵素です。この酵素を阻害することで、プロスタグランジンやロイコトリエンといった炎症促進物質の産生を上流から止めることができます。
これがニキビの腫れ・赤みを抑える理由です。
② 抗アレルギー作用
花粉やハウスダスト、化粧品成分などのアレルゲンが皮膚に触れたとき、ヒアルロニダーゼという酵素が活性化し、肥満細胞からヒスタミンが放出されてかゆみや発赤が起きます。グリチルレチン酸はこのヒスタミン放出を抑制するため、花粉によるかゆみや敏感肌の刺激感の緩和にも有効です。
③ 皮脂抑制作用
2020年に丸善製薬が報告したヒト使用試験では、0.1%グリチルレチン酸を8時間塗布した部位において、対照と比較して有意(p<0.05)な皮脂分泌抑制効果が認められました。テカリやニキビを起こしやすいオイリー肌にも有効なのは、この皮脂抑制作用によるものです。
3つの作用がすべてそろっています。ニキビ、肌荒れ、かぶれ、湿疹のように「炎症+かゆみ+過剰な皮脂」が重なった肌トラブルに対して、1成分でマルチに対応できる点がこの成分の強みです。
市販で入手できるグリチルレチン酸配合の塗り薬には、大きく分けて「第2類医薬品(処方なしで購入可)」「医薬部外品」「化粧品」の3カテゴリがあります。美容目的で使いたい場合でも、症状の程度によってどれを選ぶかが変わってきます。
| カテゴリ | 代表製品例 | グリチルレチン酸濃度 | 用途 |
|---|---|---|---|
| 医療用医薬品(処方) | デルマクリンA軟膏1%、デルマクリンクリーム1% | 1〜2% | 湿疹・皮膚掻痒症・神経皮膚炎 |
| 市販薬(OTC) | メンソレータムアクネス、オイラックスHなど | 0.1〜0.5%前後 | ニキビ・かぶれ・かゆみ |
| 医薬部外品・化粧品 | 薬用クリーム・美容液・化粧水など多数 | 0.1〜0.3%(上限規定あり) | 肌荒れ防止・ニキビ予防・日常スキンケア |
炎症がすでに起きている赤ニキビや湿疹には、濃度の高い市販薬や処方薬が適しています。予防や日常の肌荒れケアであれば、医薬部外品や化粧品で十分対応できます。
選び方の基準は「今の肌の状態に合わせること」が原則です。症状が重い場合に化粧品グレードだけで対応しようとすると、効果が出にくくなります。まず炎症があるうちは市販薬や皮膚科での処方薬を使い、落ち着いてから医薬部外品に切り替えるという流れが効果的です。
参考:ロート製薬 メンソレータムアクネスの成分情報
https://jp.rohto.com/acnes/m-acne/
ニキビに対してグリチルレチン酸の塗り薬がどう作用するのか、具体的に見ていきましょう。ニキビは毛穴にアクネ菌が増殖し、炎症が起きた状態です。炎症が強いと赤く腫れ上がり、さらに悪化すると膿が生じます。
グリチルレチン酸がここで担う役割は「炎症そのものを鎮める」ことです。アクネ菌を直接殺菌する作用はありませんが、炎症のカスケード(連鎖反応)をホスホリパーゼA2の阻害によって止めることで、赤みと腫れを早期に落ち着かせます。
市販のニキビ薬にグリチルレチン酸が配合される理由はここにあります。
炎症を抑えることで、赤ニキビが悪化してクレーターになるリスクを下げる効果も期待できます。ニキビ跡の「赤み」は現在進行中の炎症が原因ですから、グリチルレチン酸の塗り薬を早期に使うほど跡が残りにくくなるという意味で、「ニキビ跡の予防」にも貢献します。
ただし、色素沈着(茶色いシミ状の跡)に対しては、グリチルレチン酸単体ではメラニンを直接減らす作用は確認されていません。色素沈着には、ビタミンC誘導体やトラネキサム酸など美白効果のある成分を組み合わせることがより効果的です。
目的別に使い分けることが大切です。
参考:ニキビ跡の赤み・しみに効く市販薬の選び方(くすりの窓口)
https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/acne-scars-pickup/
グリチルレチン酸の塗り薬(特に処方薬のデルマクリン系)は、湿疹・皮膚掻痒症・神経皮膚炎という3つの皮膚疾患に対して医薬品として承認されています。これらはすべて「炎症やアレルギーが関与するかゆみを伴う疾患」であり、グリチルレチン酸の抗炎症・抗アレルギー作用がよく効く場面です。
使える症状の例は次のとおりです。
一方で、次のような状態には効果が出にくいか、使用を避けるべきです。
感染が原因の湿疹にグリチルレチン酸だけの塗り薬を使い続けると、炎症は一時的に落ち着いているように見えても根本の感染が悪化するリスクがあります。「かゆくて赤い」だけで使ってしまうのは危険なケースもあります。見た目で判断しにくい場合は皮膚科で確認するのが原則です。
参考:アトピー性皮膚炎でのグリチルレチン酸外用薬の位置づけ(たんぽぽこどもクリニック)
https://www.tanpopokodomo-clinic.com/wp/8/10/
グリチルレチン酸配合の塗り薬を使う際、正しい使い方を知らないまま使っている人が意外に多いです。効果を最大限に引き出すためのポイントを整理します。
基本の使い方
医薬品(デルマクリンなど)の場合、「適量を1日数回患部に塗布または塗擦する」というのが標準的な用法です。「数回」とは多くの場合、1日2〜3回が目安です。入浴後・朝の洗顔後など、清潔になった後に薄く伸ばして塗るのが基本です。
塗る量の目安
塗り薬の量の目安として「FTU(フィンガーチップユニット)」という単位があります。1FTUとは、チューブから人差し指の第一関節(約2.5cm)分を押し出した量で、約0.5gです。これが手のひら2枚分の面積(大人の顔の約1.5倍)に相当するとされています。
薄く均一に伸ばすことが重要です。
避けるべき使い方
市販のニキビ薬・湿疹薬は「5〜6日使っても改善しない場合は医師・薬剤師に相談」というのが共通のガイドラインです。この期間を過ぎても使い続けることは自己判断では避けましょう。
5〜6日が一つの目安です。
「グリチルレチン酸の塗り薬を顔に使っても大丈夫なのか」は多くの人が気になる点です。
答えは、用途・濃度・製品形態によります。
顔への使用が基本的に可能なもの
医薬部外品や化粧品グレードのクリーム・美容液に含まれるグリチルレチン酸(または関連成分のグリチルレチン酸ステアリル)は、もともと顔への使用を前提に設計されています。非ステロイド性で皮膚萎縮の副作用がなく、医薬部外品の場合は上限濃度を厚生労働省が定めており、最大0.3〜0.5%(洗い流さない製品の場合)の範囲内で安全に使えます。
目元・粘膜付近への注意
医療用の塗り薬(デルマクリン軟膏など)は「眼科用ではない」と明記されており、目の周囲や粘膜付近への使用は避けるべきです。一方で、非ステロイド系の市販薬(オイラックスHなど)の中には「目の周りにも使える」と明示されているものもあります。製品の添付文書を必ず確認することが大事です。
敏感肌の方のポイント
グリチルレチン酸は刺激性がほとんどなく、皮膚感作性(アレルギーを引き起こすリスク)も低いと評価されています。
敏感肌の方にも使いやすい成分です。
ただし体質によっては稀に発疹・かゆみ・刺激感が出る場合があります。使用前は必ず腕の内側など目立たない部位でパッチテスト(24時間様子を見る)を行うことをおすすめします。
「グリチルレチン酸はステロイドに似た構造をしているのに、本当に副作用はないのか?」という疑問を持つ方は多いです。
ここで正確に整理します。
外用(塗る)の場合の安全性
肌に塗る用途では、グリチルレチン酸はステロイドのような「皮膚の萎縮・血管拡張・リバウンド」といった深刻な副作用は引き起こしません。ステロイドと化学構造が似ているのは事実ですが、受容体への作用機序がまったく異なるからです。つまり、ステロイドの副作用を心配する必要はありません。
内服の場合は話が別
注意が必要なのは「内服(飲む)」場合です。グリチルリチン酸等を含む医薬品を1ヶ月以上長期に服用すると「偽アルドステロン症」という副作用が国内で報告されています。症状は浮腫(むくみ)、高血圧、低カリウム血症、四肢麻痺などです。厚生労働省もこのリスクについて通知を出しています。
これはあくまで「飲む薬」の話であり、塗り薬では体内への吸収量が極めて少ないため、同等のリスクは発生しません。
内服と外用は別物です。
参考:厚生労働省によるグリチルリチン酸等を含有する医薬品の注意通知
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta6972&dataType=1&pageNo=1
美容の観点からグリチルレチン酸を日常スキンケアに組み込む方法を具体的に解説します。「治療薬」としてではなく「肌を整える成分」として活用する場合のポイントです。
ステップ1:目的を明確にする
グリチルレチン酸は「炎症を抑える・かゆみを鎮める・皮脂を調整する」成分です。美白・保湿・ハリアップなどの目的には主作用として対応していません。使う目的が「ニキビ予防」「肌の赤みを落ち着かせる」「テカリを抑える」であれば、この成分との相性は非常に良いです。
ステップ2:製品カテゴリを選ぶ
日常予防なら医薬部外品の薬用化粧水やクリームで十分です。「グリチルリチン酸2K」や「β-グリチルレチン酸」という表記が成分リストにあるものを選びましょう。成分表示の上位にあるほど配合量が多い目安になります。
ステップ3:スキンケアの順序に組み込む
洗顔後、化粧水で保湿を行ってから、グリチルレチン酸を含む薬用クリームや美容液を患部に薄く塗布します。保湿ベースを先に整えることで成分の浸透環境が整い、効果が安定しやすくなります。
ステップ4:日焼け止めを忘れずに
紫外線は炎症を悪化させる最大の要因の一つです。グリチルレチン酸で炎症を抑えながら、UV対策をセットで行うことが肌荒れ改善の近道です。
日焼け止めは必須です。
参考:グリチルリチン酸の正しい使い方・炎症肌スキンケアのポイント(DSRスキンケア)
https://dsr-skincare.jp/blog/archives/2799
美容成分の表示を見ると「グリチルレチン酸」と「グリチルリチン酸2K(ジカリウム)」の両方が登場します。どちらも同じ甘草由来の抗炎症成分ですが、性質が異なるためそれぞれが得意な製品形態が違います。
| 成分名 | 溶解性 | 得意な製品形態 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| グリチルレチン酸 | 油溶性(水に不溶) | 軟膏・クリーム・ゲル・塗り薬 | 皮膚への浸透性が高く、抗炎症・皮脂抑制作用が強め |
| グリチルリチン酸2K | 水溶性(水に溶けやすい) | 化粧水・乳液・美容液・洗顔 | 配合しやすく幅広い製品に使われる。作用は穏やかで低刺激 |
| グリチルレチン酸ステアリル | 油溶性 | クリーム・乳液・美容液 | グリチルリチン酸2Kの約2倍の抗炎症力とされる |
この中で「塗り薬」として使われる成分は「グリチルレチン酸」が中心です。ただしスキンケア目的では「グリチルリチン酸2K」や「グリチルレチン酸ステアリル」が配合された製品も多く、それぞれに役割があります。
目安として、「炎症がある赤いニキビ・荒れた肌に素早く作用させたい」なら軟膏やクリーム(グリチルレチン酸)を。「毎日の肌荒れ予防・テクスチャー重視」なら化粧水などに含まれるグリチルリチン酸2Kを選ぶといいでしょう。
これが使い分けの基本です。
近年の研究では、グリチルレチン酸は単に炎症を鎮めるだけでなく、皮膚のバリア機能の回復にも貢献する可能性が示されています。バリア機能とは、外部の刺激・乾燥・アレルゲンから皮膚を守る「壁」の役割をする角質層の仕組みです。
乾燥肌や敏感肌では、このバリア機能が弱くなっており、外部からの刺激を受けやすい状態です。グリチルレチン酸はアレルギー性炎症のカスケードを断ち切ることで、バリアが回復する間の「炎症の悪循環」を防ぐ役割を果たします。
炎症→バリア破壊→さらに炎症という負のループを断ち切ることが大事です。
敏感肌・乾燥肌へのおすすめの使い方としては、洗顔後すぐにセラミドやヒアルロン酸配合の保湿剤でバリア機能を補いつつ、グリチルレチン酸含有の薬用クリームを患部に重ね塗りする方法があります。「保湿でバリアを補強しながら、炎症をグリチルレチン酸で抑える」という2段構えが効果的です。
乾燥が主な原因のかゆみには、保湿が先決です。グリチルレチン酸はその補助として使うとバランスが取れます。
グリチルレチン酸単体でも効果は期待できますが、目的に応じた成分との組み合わせで相乗効果が生まれます。美容スキンケアで覚えておくべき主な組み合わせを紹介します。
① グリチルレチン酸 + ビタミンC誘導体(肌荒れ+色素沈着に)
ニキビの炎症はグリチルレチン酸が抑え、炎症後の色素沈着(赤みが茶色く残る状態)にはビタミンC誘導体がメラニン産生を抑制します。炎症と色素沈着の両方を狙いたい場合に有効な組み合わせです。
② グリチルレチン酸 + ナイアシンアミド(赤みと肌荒れに)
ナイアシンアミドには肌のバリア機能強化・赤みの緩和・毛穴の引き締め効果があります。グリチルレチン酸の抗炎症とナイアシンアミドのバリア補強は相性が良く、敏感肌・赤ら顔対策に効果的な組み合わせです。
③ グリチルレチン酸 + セラミド(乾燥・敏感肌に)
セラミドは角質層の水分保持に必須の脂質で、バリア機能の核心部分です。乾燥しやすい敏感肌では、セラミドで保水しながらグリチルレチン酸で炎症を抑えることで、肌の土台から整えることができます。
④ グリチルレチン酸 + アラントイン(ニキビ修復に)
アラントインには傷ついた皮膚組織の修復を助ける作用があります。グリチルレチン酸で炎症を鎮め、アラントインでニキビ後の皮膚再生を促すという組み合わせは市販薬にも多く採用されているパターンです。
組み合わせを考えるよりも、まず1製品の成分表示を確認する方が簡単です。市販のニキビ薬やスキンケアには、これらの成分がはじめから複合配合されているものが多く、単体で探すよりも手軽です。
実際に購入・使用する前に確認すべき点を整理します。選び方の失敗を避けるための実践的なチェックリストです。
漢方薬との組み合わせには注意が必要です。
市販のニキビ薬を使いながら葛根湯・小柴胡湯などの甘草含有漢方薬を同時に服用しているケースでは、グリチルリチン酸の合計摂取量が増加します。外用(塗り薬)単独の場合はほぼ問題ありませんが、内服漢方と外用薬を併用する場合は念のため薬剤師への確認をおすすめします。
美容に興味のある方からよく出る疑問をQ&A形式でまとめました。
Q1. グリチルレチン酸はステロイドですか?
A. ステロイドではありません。化学構造はトリテルペンとよばれる天然植物成分で、ステロイドとは全く別の成分です。ステロイドが引き起こす皮膚萎縮やリバウンドは起きません。
Q2. 毎日使い続けても大丈夫ですか?
A. 化粧品・医薬部外品グレードであれば毎日使用して問題ありません。医薬品グレードの塗り薬は症状が改善したら使用頻度を下げ、漫然と長期使用することは避けましょう。
5〜6日で改善しない場合は受診が原則です。
Q3. 妊娠中・授乳中に使えますか?
A. 外用(肌に塗る)使用での安全性は概ね問題ないとされていますが、自己判断は避け、使用前に主治医や産婦人科医に相談することをおすすめします。
妊婦・授乳中の方は相談が安心です。
Q4. グリチルレチン酸は美白効果がありますか?
A. メラニンの産生を直接抑制したり、色素沈着(茶色いシミ)を薄くする作用は確認されていません。ただし、炎症後の色素沈着を「予防」する効果は期待できます。シミを薄くしたい場合はビタミンC誘導体・トラネキサム酸・ハイドロキノンなどの美白成分を別途検討しましょう。
Q5. 子どもに使えますか?
A. 製品によって対象年齢が異なります。市販の子ども向け湿疹薬にも配合されているものはありますが、乳幼児への使用は必ず製品の表示と医師・薬剤師に確認してから使用してください。
乳幼児への使用は必ず確認してください。
最後に、あまり語られていない独自の視点として「グリチルレチン酸の塗り薬が美容医療における"つなぎ役"として優秀な理由」を解説します。
美容皮膚科でレーザー・ピーリング・ケミカルトリートメントなどを受けた後、肌は一時的に炎症・赤みを起こしやすい状態になります。こうした「施術後の鎮静ケア」に非ステロイド性のグリチルレチン酸は非常に適しています。ステロイドのように副作用を気にせず使えるからです。
施術後は「炎症鎮静→バリア修復→保湿強化」という順序でケアすることが肌の回復を早めます。このうち「炎症鎮静」のフェーズにグリチルレチン酸は最もフィットする成分の一つです。施術後3〜5日、グリチルレチン酸含有の薬用クリームを患部に使うことで、ダウンタイム(施術後の回復期間)を短くする助けになります。
また、日常のスキンケアを習慣として続けながら「炎症が出たとき→グリチルレチン酸の薬用製品でピンポイントケア」という使い分けも実践しやすいです。高価な美容液を毎日全顔に使うよりも、成分の役割を理解した上で「症状があるときに適切な成分を使う」という考え方の方が、肌への投資対効果が高くなります。
コストパフォーマンスが良い点もグリチルレチン酸の強みです。デルマクリン軟膏の薬価は1gあたり約9.7円(医療用処方)という安価な成分であるにもかかわらず、医薬品として認められた確かな効果をもちます。市販の薬用クリームでも数百円から手に入るものが多く、美容コストを抑えながら肌トラブルに対処したい方に向いています。
参考:日経メディカル処方薬事典・グリチルレチン酸軟膏一覧
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/compare/c5ad594143c5ebc76331be0f96b087ac.html