

20代女性の8割が損してる美容成分がある
大豆製品に含まれる大豆イソフラボンには、主にダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインという3種類のアグリコン型イソフラボンが存在します。この中でもダイゼインは、腸内細菌の働きによって「エクオール」という別の成分に変換される特徴を持っています。
エクオールはダイゼインの代謝産物です。
ダイゼイン自体も女性ホルモンのエストロゲンに似た作用を持っていますが、エクオールに変換されるとその作用はさらに高まります。研究によると、エクオールはダイゼインよりも高いエストロゲン活性と抗酸化作用を示すことが明らかになっています。つまり、同じ量の大豆製品を食べても、体内でエクオールに変換できる人とできない人では、得られる美容効果や健康効果に大きな差が生まれるということです。
この変換プロセスは自動的に起こるわけではありません。腸内に「エクオール産生菌」と呼ばれる特定の腸内細菌が存在しなければ、ダイゼインはそのまま体外に排出されてしまいます。
エクオール産生菌を持っている人は、大豆製品を食べると腸内でダイゼインがジヒドロダイゼインを経てエクオールへと段階的に変換されます。しかし、この菌を持っていない人は、どれだけ大豆製品を摂取してもエクオールの恩恵を受けることができません。このため、美容や健康のために豆腐や納豆を毎日食べているのに効果を実感できない、という状況が生まれるのです。
日本人のエクオール産生能力には驚くべき個人差があり、約50%の人しか体内でエクオールを作ることができません。つまり2人に1人は、大豆製品を食べてもダイゼインのままで吸収され、エクオールの高い美容効果を得られていないということになります。
さらに深刻なのは世代別の差です。40代以上の中高年女性では約50%がエクオールを産生できるのに対し、20代の若い女性ではわずか20%程度しか産生能力がないという調査結果が報告されています。
これは5人に1人の割合です。
食生活の欧米化が主な原因とされています。昔の日本人は味噌、納豆、豆腐などの大豆製品を日常的に摂取していたため、腸内環境が大豆成分の代謝に適していました。しかし現代の若い世代は大豆製品を食べる機会が減り、肉類や乳製品中心の食事になっているため、エクオール産生菌が腸内に定着しにくくなっているのです。
国際比較を見ても興味深い傾向があります。日本、中国、韓国、台湾などアジア圏では約50%の産生率ですが、アメリカやヨーロッパなどの欧米諸国では約20〜30%と低い数値になっています。これは食文化の違い、特に大豆製品の摂取頻度が大きく影響していると考えられています。
腸内細菌叢は幼少期の食生活によって形成される部分が大きいため、大豆製品を日常的に食べる習慣がなければエクオール産生菌も育ちにくいのです。若い世代で産生率が低いということは、美容に関心の高い年代の多くが、せっかくの大豆の美容効果を十分に享受できていない可能性があるということになります。
更年期ラボの研究データでは、年齢別のエクオール産生率について詳しく解説されています。エクオール産生能力を知りたい場合は、尿検査キット「ソイチェック」などで自分の産生能力を調べることもできます。
エクオールとダイゼインでは、美容面での効果に明確な違いがあります。特にシワやハリなど、肌の老化に関する効果において、エクオールの方が優れた結果を示しています。
閉経後5年未満の女性を対象にした臨床試験では、エクオールを12週間摂取したグループで目尻のシワの面積率と最大深度が改善されたという報告があります。これは肌のコラーゲン産生を促進する作用が関係しています。
エストロゲンは肌の弾力を司るコラーゲンやエラスチンの生成に深く関わっている「美肌ホルモン」です。年齢とともにエストロゲンが減少すると、コラーゲン量も減少し、肌はハリを失いシワが増えていきます。
エクオールはエストロゲン様作用が強いため、このコラーゲン産生をサポートできます。
一方、ダイゼインもある程度のエストロゲン様作用を持っていますが、その作用はエクオールと比べると弱いことが研究で示されています。同じ量を摂取した場合、エクオールの方がより高い抗酸化作用と美肌効果を発揮するのです。
実際の研究では、エクオール産生者と非産生者で肌の状態を比較したところ、産生者の方が肌のコラーゲン量が多く、シワが少ない傾向が確認されています。これは単に大豆製品を食べるだけでなく、それがエクオールに変換されるかどうかが美容効果の鍵を握っていることを意味します。
また、エクオールには抗酸化作用もあります。紫外線や加齢によって増える活性酸素は肌の老化を促進しますが、エクオールはこの活性酸素を抑制し、肌のダメージを防ぐ働きがあるのです。さらに、肌の水分量を保つヒアルロン酸の産生率においても、エクオールはビタミンA(レチノール)を上回る効果を示したという報告もあります。
シミの原因となるメラニンを生成する酵素「チロシナーゼ」の活性を抑制する効果も確認されており、美白面でもメリットが期待できます。このように、エクオールは単なるエストロゲンの代用というだけでなく、多角的に美容をサポートする成分なのです。
大豆製品からダイゼインを摂取するか、サプリメントでエクオールを直接摂取するかは、自分のエクオール産生能力によって選択が変わってきます。
まず自分がエクオールを作れる体質かどうか知ることが重要です。尿検査キット「ソイチェック」などを使えば、自宅で簡単に調べることができます。検査費用は約4,000円程度で、尿を採取して郵送するだけの簡単な方法です。検査結果は数週間で届き、自分のエクオール産生レベルが5段階で示されます。
エクオールを作れる人なら食事から摂取が基本です。
豆腐なら150g(半丁程度)、納豆なら1パック(約50g)、豆乳なら200mlを毎日摂取することで、十分なダイゼインを供給できます。エクオール産生菌が活発に働くためには、腸内環境を整えることも大切です。食物繊維、発酵食品、オリゴ糖などを一緒に摂ることで、腸内細菌のバランスが改善され、エクオール産生能力も高まる可能性があります。
一方、エクオールを作れない人はサプリメントが効率的です。多くの研究で1日10mgのエクオール摂取が推奨されています。これは、エクオール産生者が納豆1パック程度の大豆食品を食べたときに体内で生成されるエクオール量とほぼ同等です。
サプリメントを選ぶ際は、エクオール含有量を確認してください。製品によっては「プレエクオール」としてダイゼインを多く含むタイプもありますが、産生能力がない人にはエクオールそのものを含む製品の方が適しています。「エクオール含有」「S-エクオール」などの表示があるものを選びましょう。
注意点として、大豆アレルギーがある人はエクオールサプリメントも避ける必要があります。また、妊娠中・授乳中の方、ホルモン関連の疾患がある方は、医師に相談してから摂取してください。エクオールは体内に蓄積されず、約1〜2日で排出されるため、毎日継続して摂取することが効果を得るポイントになります。
大塚製薬のエクオール情報サイトでは、エクオールの摂取方法や製品の選び方について詳しく解説されています。効果を実感するには最低でも3ヶ月以上の継続が推奨されており、12週間の摂取で更年期症状の改善率が68%に達したという研究報告もあります。
ダイゼインとエクオールについては、多くの誤解や勘違いが存在します。正しい知識を持つことで、より効果的な美容と健康のケアができます。
まず「大豆を食べればエクオールの効果が得られる」という誤解です。前述の通り、日本人の約半数はエクオールを体内で作れません。
20代では8割が作れないのです。
つまり、大豆製品をどれだけ食べても、腸内にエクオール産生菌がなければエクオールの高い美容効果は得られないということになります。
つまり努力が無駄になっているケースが多いです。
次に「エクオールを作れない人は大豆を食べても意味がない」という誤解もあります。
これは間違いです。
大豆製品には、イソフラボン以外にも大豆タンパク質、食物繊維、サポニン、オリゴ糖など、健康に有益な成分が豊富に含まれています。エクオールを作れない人でも、ダイゼインやゲニステインなど他のイソフラボン成分による一定の効果は期待できますし、総合的な栄養価は非常に高い食品です。
「一度エクオールを作れないと判定されたら一生作れない」という誤解もよく見られます。エクオール産生能力は固定されたものではなく、腸内環境の変化によって変わる可能性があります。食生活を改善し、大豆製品を継続的に摂取し、腸内環境を整えることで、産生能力が向上したケースも報告されています。
定期的にソイチェックで確認するのがおすすめです。
また「エクオールサプリを飲めばすぐに効果が出る」という期待も誤解です。エクオールは体内に蓄積されず、1〜2日で排出されるため、毎日継続して摂取する必要があります。臨床研究では、効果を実感するまでに3ヶ月以上かかるケースが多いことが示されています。短期間で判断せず、長期的に継続することが重要です。
「エクオールは女性専用の成分」という認識も不正確です。
エクオールは男性にも有益な効果があります。
前立腺がんのリスク低減、薄毛の改善、メタボリックシンドロームの予防などに関する研究が進んでいます。男性でもエクオール産生能力には個人差があり、サプリメントでの摂取が有効なケースがあるのです。
最後に「エクオールとエストロゲンは同じもの」という誤解です。エクオールは「エストロゲン様作用」を持つ植物由来の成分であり、エストロゲンそのものではありません。エストロゲンが過剰な時には抗エストロゲン作用を示し、不足している時にはエストロゲン様作用を示すという、状況に応じた働きをします。この柔軟性が、ホルモン補充療法とは異なる安全性のポイントになっています。