

リモネン洗剤を作る前に素手で使い続けると、1〜2週間で酸化リモネンによる接触性皮膚炎を起こし、皮膚科での治療費が1回3,000円以上かかるケースがあります。
リモネン(Limonene)は、みかん・オレンジ・レモン・グレープフルーツなどの柑橘類の皮に豊富に含まれる天然の芳香成分です。分子式はC₁₀H₁₆で、モノテルペンと呼ばれる化合物の一種に分類されます。常温では無色の液体で、あの柑橘系のフレッシュな香りはこの成分が生み出しています。
リモネンの最大の特徴は「油に溶けやすく、水には溶けにくい」という性質です。この性質のおかげで、油脂系の汚れに対して強い洗浄力を発揮します。
つまり油汚れ分解が得意ということですね。
台所のコンロ周りや換気扇の頑固な油汚れに、リモネン洗剤が効果を発揮する理由がここにあります。
一般的に流通している「d-リモネン」は甘みのあるオレンジ系の香りで、食品添加物や化粧品にも広く認可・使用されています。一方、針葉樹の精油に含まれる「l-リモネン」とは別物で、やや刺激の強い香りが特徴です。手作りリモネン洗剤で使う柑橘の皮に含まれるのは、基本的にd-リモネンです。
さらに注目したいのが、リモネンと同時に柑橘の皮に含まれる2つの成分です。ひとつは「ペクチン」で、表面をコーティングするツヤだし効果があります。もうひとつは「クエン酸」で、水垢や石鹸カスなどアルカリ性の汚れを分解する働きを持ちます。この3成分のトリオが、柑橘皮洗剤を「万能」と呼ばせる理由です。
最もシンプルで手軽なのが、柑橘の皮を水で煮出す「煮出し法」です。30〜40分ほどで完成し、特別な道具も不要なため、初めて作る方に最適です。
これは使えそうです。
🍊 煮出し法の材料(スプレーボトル1本分・約300ml)
| 材料 | 分量 | 備考 |
|------|------|------|
| みかん or オレンジの皮 | 3〜5個分(約45〜70g) | 他の柑橘類もOK |
| 水 | 300〜400ml | 水道水でOK |
| お茶パック or 目の細かいザル | 適宜 | 皮の破片を除くため |
| スプレーボトル | 1本 | 遮光タイプが理想 |
🍊 煮出し法の作り方(ステップ別)
1. 柑橘の皮を適当な大きさにちぎり、お茶パックに入れる
2. 鍋に水と①を入れ、中火にかける
3. 沸騰したら弱火にし、蓋をせず15〜20分ほどコトコト煮る
4. 火を止めてしっかり冷ます(熱いままスプレーボトルに入れると変形の原因になる)
5. ザルやお茶パックで皮を取り除き、冷めた液体をスプレーボトルに移して完成
保存は常温で1週間以内、冷蔵庫に入れれば2週間を目安に使い切ってください。防腐剤が入っていないため、変色・異臭が出たらすぐに廃棄しましょう。
早めの使い切りが原則です。
油汚れをより強力に落としたい場合は、冷めた煮汁に重曹を小さじ1杯加えます。水垢や石鹸カスに使いたい場合は、重曹の代わりにクエン酸小さじ1杯を加えると効果的です。ただし重曹とクエン酸を同時に混ぜると中和反応が起きて洗浄力が落ちるため、どちらか一方だけを加えてください。
万能洗剤の材料・手順・使い方が写真つきで解説されています(HN ONLINE「さわやかな香りの万能洗剤の作り方」)
煮出し法の弱点は保存期間の短さです。常温1週間・冷蔵2週間では使いきれないという方には、エタノールを使った抽出法がおすすめです。この方法ならリモネン成分を濃く抽出でき、完成品は約1年間保存が可能です。
保存期間が長いのは大きなメリットですね。
🧪 エタノール抽出法の材料
| 材料 | 分量 |
|------|------|
| 柑橘の皮(乾燥させたもの) | みかん1個分につきエタノール50ml |
| 無水エタノール(消毒用でも可) | 適量 |
| 密閉できるガラス瓶 | 1本 |
🧪 エタノール抽出法の作り方
1. 柑橘の皮を細かくちぎるか千切りにして、天日干しまたは室内乾燥で水分を完全に飛ばす(カラッカラになるまで乾燥させること)
2. 消毒したガラス瓶に乾燥させた皮を入れ、エタノールをひたひたになるまで注ぐ
3. 蓋をして冷暗所に2週間ほど置く(1日1回軽く振って成分を引き出す)
4. 液体がオレンジ色に色づいてきたら完成のサイン。目の細かいザルやコーヒーフィルターで皮を濾す
5. 茶色や青色の遮光ボトルに移して保存する
エタノールに除菌・消毒効果があるため、水まわりのカビが生えやすいシンクやトイレ掃除にも向いています。ただし、アルコールが残ると手荒れの原因になる点に注意です。使用後は水で十分にすすぐか、手袋を着用して使いましょう。
エタノール抽出によるオレンジオイル洗剤の実際の作り方レポートが掲載されています(オレンジオイル洗剤作ってみました)
「発酵法」は火を使わず、自然の発酵の力でリモネン成分を引き出す方法です。エネルギーを使わないため、最もエコな作り方といえます。完成まで3日間かかりますが、発酵によって洗浄成分がより活性化されるとされています。
⚗️ 発酵法の材料(500mlペットボトル1本分)
| 材料 | 分量 |
|------|------|
| 柑橘類の皮 | 1〜2個分(両手いっぱい程度) |
| 重曹 | 大さじ1 |
| 水 | ペットボトルの8割程度 |
| 塩 | 少量(皮の下処理用) |
| ペットボトル(500ml) | 1本 |
⚗️ 発酵法の作り方
1. 【重要前処理】ペットボトルのキャップに、ガス抜き用の小さな穴を開ける(開けないと発酵ガスが充満してボトルが破裂する危険があります)
2. 柑橘の皮に塩をまんべんなくこすりつけて表面に傷をつけ、水で洗い流す(成分が出やすくなり発酵も促進される)
3. 皮を千切りにしてペットボトルに入れ、重曹大さじ1を加える
4. 水をペットボトルの8割まで注ぎ(満杯にすると発酵時に溢れる)、キャップをして良く振る
5. 冷暗所に置き、1日1回ボトルを振りながら3日間発酵させる
6. 水が濁り柑橘の爽やかな香りがしてきたら完成。別容器に移して使用する
発酵法の最大の落とし穴は「ガス抜き穴を開け忘れること」です。穴がないと炭酸ガスが蓄積してボトルが膨らみ、最悪の場合破裂します。
穴あけ作業は最初に必ず行ってください。
また、完成した洗剤の保存期間は常温で約1週間です。大量に作りすぎず、3日で使い切れる量を目安に作りましょう。
リモネン洗剤は「どこでも使える万能洗剤」と紹介されることが多いですが、向き不向きがあります。リモネンは酸性の性質を持つため、酸に弱い素材には使えないのが原則です。
✅ リモネン洗剤が得意な掃除場所
- コンロ・換気扇周りの油汚れ:リモネンの親油性が威力を発揮。使用後すぐの軽い汚れに特に効果的
- フローリングの拭き掃除:ペクチンのコーティング作用でツヤが出る。畳の黄ばみ予防にも
- クレヨン・油性ペンの汚れ落とし:油性汚れへの高い溶解力を活用
- ゴミ箱・排水口の消臭:柑橘の香りで消臭しながら汚れを落とせる
- 家具・照明器具の手あか落とし:手脂や皮脂汚れに効果的
❌ リモネン洗剤を使ってはいけない場所・素材
- 鉄・アルミ・大理石・セメント:酸性のため腐食・変色の恐れあり
- 色の付きやすい白い布や壁:みかん洗剤はオレンジ色のため色移りのリスクあり
- 古い頑固な油汚れ:リモネン洗剤だけでは効果が薄いため、重曹や市販洗剤と組み合わせが必要
- 猫がいる場所:柑橘の香りを猫は強烈に嫌がるため、猫が触れる場所への使用は避ける
「使える場所」と「使えない素材」を分けて覚えておけばOKです。特に大理石のカウンターやアルミ製の鍋には絶対に使わないよう注意してください。使用後は水で十分にすすぐか、乾拭きをして液体を残さないようにすることが基本的なルールです。
美容好きな方がリモネン洗剤に注目するのは、掃除だけでなく肌への良い効果があるからです。リモネンには「皮膚表面に薄い膜を形成して水分蒸発を防ぐ保湿効果」と「皮膚から成分を吸収させるサポート効果」があるとされています。
実際、みかん湯や柑橘湯は昔から冬の美肌ケアとして親しまれてきました。お湯に溶け出したリモネンが肌をなめらかに整え、ビタミンCが水道水の塩素から肌を守るとされています。
さらに近年の研究では、リモネンが頭皮の皮脂過剰分泌を抑え、毛根への血流を促進する可能性が示されており、育毛・スカルプシャンプーの成分としても注目されています。
これは意外な効果ですね。
🌸 美容目的での活用例
- ハンドウォッシュとして:食器洗いや台所掃除の後、薄めたリモネン洗剤で手を洗うと消臭・保湿効果が期待できる
- 足浴・バスタイムに:煮出し汁をお湯に混ぜてみかん湯にすると、全身の保湿と消臭効果が期待できる
- 頭皮ケアに:市販のシャンプーに少量のリモネン抽出液を加えると、爽快感のある洗い上がりになる
ただし、手作りリモネン洗剤を美容目的で肌に使う場合は、必ず薄めて使うことと、初めて使う前にパッチテストを行うことが絶対条件です。腕の内側に少量を塗り、24時間経過して異常がなければ使用できます。
「天然成分だから安全」と思って素手でガシガシ使い続けていると、思わぬ肌トラブルに見舞われることがあります。
その原因は「酸化リモネン」です。
リモネンは空気に触れると酸化が進み、過酸化物やアルデヒドなどの刺激物質を生成します。この酸化リモネンがアレルゲンとなり、接触性皮膚炎(かぶれ)を引き起こすことがあるのです。厄介なのは「一度感作されると、微量でもアレルギー反応を起こす可能性がある」という点です。
| 状態 | 通常のリモネン | 酸化したリモネン |
|------|--------------|-----------------|
| 皮膚刺激 | ほぼなし | 赤み・かゆみ・発疹が出る場合あり |
| アレルギーリスク | 低い | 感作後は微量でも反応の可能性あり |
| 香り | 爽やかな柑橘の香り | 少し刺激のあるツンとした香りになる |
酸化を防ぐためには次の3点が重要です。まず、作った洗剤は遮光ボトルに入れて冷暗所で保管すること。
次に、開封後は2週間以内に使い切ること。
そして使用時には薄めて使い、使用後は水でしっかり流すことです。
特に敏感肌の方、乾燥肌の方、アレルギー体質の方は事前のパッチテストを必ず行ってください。異常を感じたらすぐに使用を中止し、皮膚科を受診することをおすすめします。
酸化に注意すれば問題ありません。
リモネンの酸化による皮膚刺激・アレルギー・光毒性のリスクと対策が詳しく解説されています(OZONEmart「リモネンの毒性に要注意!日常生活でのリスクを防ぐ方法とは?」)
美容に詳しい方でも見落としがちな注意点が「光毒性」です。光毒性とは、肌に成分が残った状態で紫外線を浴びると皮膚に炎症が起きる現象のことです。
リモネン単体の光毒性は比較的弱いとされています。しかし、柑橘の皮にはリモネン以外にも「フロクマリン類」や「ソラレン」といった成分が含まれており、これらは紫外線感受性を高める光毒性物質として知られています。特にレモン・ライム・グレープフルーツの皮にはソラレンの含有量が多いため注意が必要です。
具体的には「夏のバーベキューでレモンを大量に絞り、手にレモン汁がついたまま屋外で過ごしたら、その部分だけ強く日焼けしてシミのようになった」という事例が報告されています。
シミになるのは痛いですね。
⚠️ 光毒性を防ぐための具体的な対策
- リモネン洗剤や柑橘系洗剤を使った後は、石けんで手をよく洗い流す
- 日中の外出前にリモネン洗剤を使う場合は特に念入りにすすぐ
- 夏場・紫外線が強い時間帯(10〜14時)の使用後は日焼け止めを必ず塗る
- シミやくすみが気になる方は、できる限り夜の使用にとどめる
グレープフルーツやレモンの皮を使って洗剤を作る場合は、みかんの皮を使う場合よりも光毒性リスクが高まる点を覚えておきましょう。美容意識の高い方こそ、日中の使用後のすすぎを徹底することが大切です。
日本の柑橘類精油の光毒性について、専門的な観点から解説されています(「日本の柑橘類精油の光毒性について」)
「市販のみかんの皮を使って大丈夫?農薬が洗剤に入るのでは?」という疑問を持つ方は多いです。結論からいうと、しっかり下処理すれば市販の柑橘でも問題ありません。
農薬は皮の表面に残ることが多いため、煮出す前の洗浄が重要です。下処理の方法はシンプルで、ます流水で30秒以上しっかりこすり洗いします。気になる場合は塩をひとつまみかけてもみ洗いし、再度水で流す方法が効果的です。さらに徹底したい場合は重曹を少量溶かした水に1〜2分浸けてから洗い流すと、残留農薬の除去精度が上がります。
より安心して使いたい方にとっては「無農薬・有機栽培の柑橘」を選ぶのが最も確実です。最近はオーガニックみかんやオーガニックレモンがネット通販や自然食品店で購入できます。皮まで活用することを前提に購入するなら、農薬不使用のものを選ぶのが理想です。
無農薬なら安心ですね。
| 洗浄方法 | 手間 | 農薬除去効果 |
|---------|------|------------|
| 流水でこすり洗い(30秒以上) | 少ない | 標準的 |
| 塩もみ洗い | 普通 | やや高い |
| 重曹水に浸けてすすぎ | 少し手間 | 高い |
| 無農薬品を選ぶ | 購入時の選択のみ | 最も高い |
また、皮を食用にも活用したい(陳皮、ピールなど)場合は、特に無農薬品の選択を強くおすすめします。掃除用の洗剤として使うだけなら、しっかり洗浄した市販品でも十分に安全です。
リモネン洗剤を作る際、何を組み合わせるかによって得意な汚れが変わります。この組み合わせを知っておくだけで、掃除の効率が大きく上がります。
まず「リモネン+重曹」の組み合わせです。重曹はアルカリ性なので、酸性の油汚れや皮脂汚れに強い中和反応をプラスできます。コンロ周り・換気扇・食器の油汚れを落としたいときに最適です。
次に「リモネン+クエン酸」の組み合わせです。クエン酸は酸性なので、アルカリ性の水垢・石鹸カス・ミネラル汚れに強い効果を発揮します。浴室・洗面台・水道蛇口周りの白い汚れに向いています。
そして「リモネン+エタノール」は保存性と除菌力を高める組み合わせです。エタノールには揮発性があり、水を残したくない場所(窓ガラス・鏡など)の掃除に向いています。
⚠️ 重要注意点:重曹とクエン酸を同時に混ぜてはいけません。
アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸を同じ容器に入れると中和反応が起き、互いの洗浄効果を打ち消しあってしまいます。二種類は必ずどちらか一方だけをリモネン煮汁に溶かして使ってください。
これが原則です。
重曹・クエン酸・エタノール抽出の3種類のレシピの実際の使い心地レポートが掲載されています(note「30分でできるミカン洗剤」)
手作り洗剤を作ったとき、「せっかくだから多めに作ろう」と思うのは自然な発想です。しかし保存期間を超えて使い続けると、酸化が進んだリモネンによる肌トラブルのリスクが高まります。
作りすぎに注意です。
🗓️ 方法別の保存期間の目安
| 作り方 | 常温保存 | 冷蔵保存 |
|-------|---------|---------|
| 煮出し法(水のみ) | 約1週間 | 約2週間 |
| 煮出し法(重曹・クエン酸追加) | 約1週間 | 約2週間 |
| エタノール抽出法 | 約1年 | 約1年以上 |
| 発酵法 | 約1週間 | 記載なし(早めの使い切りを推奨) |
保存容器の選び方も重要です。
リモネンは光によって酸化が促進されます。
そのため保存には透明なペットボトルより、茶色や青色の遮光ボトルを選ぶことをおすすめします。100円ショップでも購入できるので、専用ボトルを用意しておくと便利です。
変質のサインは「においの変化(嫌な刺激臭がする)」「色の濁り」「カビの発生」です。これらのうちひとつでも確認できたら、もったいなくても即廃棄してください。肌に使う場合はとくに、変質したものを絶対に使わないことが鉄則です。
安全第一が条件です。
リモネン洗剤は天然成分とはいえ、酸性の性質を持つため、素材によっては大切なものを傷める可能性があります。特に美容好きな方が持っているアイテムへの誤使用には注意が必要です。
❌ リモネン洗剤を使ってはいけない素材・場所
- 大理石・天然石のカウンター・インテリア小物:酸性に弱く、表面が溶けてツヤを失う原因になる
- アルミ製品(鍋・トレイなど):腐食して変色・変質する可能性がある
- 鉄・鋳鉄製品:錆びの原因になる
- セメント・タイルの目地:酸性に弱く、劣化を促進する
- 金属製の美容器具(フェイスローラー・美顔器など):コーティングが剥げたり変色する可能性がある
- 白い繊維製品・タオル・布ソファ:みかん系洗剤の色素が付着して黄ばむ可能性がある
美容好きな方の盲点になりやすいのが「フェイスローラーや美顔器などの金属製美容器具」です。天然素材だから安全と思い込んで金属製器具のお手入れに使うと、コーティングが剥がれたり表面が変質する原因になります。美容器具のお手入れには、製品に指定されているクリーナーや精製水を使うのが正解です。
一般的なリモネン洗剤の作り方には書かれていませんが、美容に興味のある方ならぜひ知ってほしい活用方法があります。それは「アロマ精油をブレンドして、香り付きの美容洗剤に仕上げる」方法です。
煮出し法やエタノール抽出法で完成したリモネン洗剤に、好みの精油を数滴加えるだけで、市販のアロマ系クリーナーにも引けを取らない香り豊かな洗剤になります。
🌿 おすすめの精油ブレンド組み合わせ
| 精油 | 効果・特徴 | 加える量の目安(100mlあたり) |
|-----|-----------|--------------------------|
| ティーツリー | 抗菌・抗カビ効果。水まわり掃除に最適 | 5〜10滴 |
| ラベンダー | リラックス効果。寝室や洗面台に向く | 5〜10滴 |
| ユーカリ | 消臭・抗菌効果。トイレ・玄関に向く | 5〜8滴 |
| ペパーミント | 清涼感・消臭効果。キッチンに向く | 3〜5滴(入れすぎに注意) |
ただし重要な注意点があります。精油を加えた場合も光毒性への注意は継続して必要です。特に柑橘系精油(ベルガモット・ライム・レモン)を追加すると光毒性のリスクがさらに高まります。加える精油は「フロクマリンフリー(FCF)」タイプの精製されたものを選ぶと、光毒性のリスクを大幅に減らせます。
「洗剤を作る」という家事体験が、「自分だけの香りをブレンドする」アロマ体験と重なり、毎日の掃除が少し楽しくなる、そんな使い方です。
これは使えそうです。
「市販の洗剤を買えばいいのでは?」という疑問に対して、リモネン洗剤のメリット・デメリットを正直に整理してみます。
| 比較項目 | リモネン洗剤(手作り) | 市販の洗剤 |
|---------|-------------------|----------|
| コスト | みかんの皮を再利用するのでほぼ0円 | 1本200〜600円程度 |
| 洗浄力(軽い油汚れ) | ◎ 十分な効果 | ◎ |
| 洗浄力(頑固な油汚れ) | △ やや弱い | ◎ |
| 香り | ◎ 自然な柑橘の香り | ○(人工香料が多い) |
| 肌への負担 | ○ 界面活性剤なし | △(製品による) |
| 保存期間 | △ 1〜2週間(エタノール法除く) | ◎ 数年 |
| 環境負荷 | ◎ 生分解性が高い | △(成分による) |
コスト面では圧倒的に手作りが有利です。みかんを食べた後の皮を利用するなら、実質材料費は0円です。美容面では界面活性剤が入っていないため、肌への直接的な刺激は少ない傾向があります。
一方で「洗浄力の限界がある」という点は正直に認識しておく必要があります。換気扇の何年も蓄積した頑固な油汚れや、風呂場のピンク汚れ(セラチア菌)には、リモネン洗剤だけでは太刀打ちできないケースが多いです。そういった汚れには市販の専用クリーナーと使い分けることを推奨します。
つまり「日常のメンテナンス清掃にはリモネン洗剤、頑固な汚れには市販品」という役割分担が最も賢い使い方といえます。
手作りのリモネン洗剤を肌に触れる形で使う場合(ハンドウォッシュ・入浴・スキンケア混合など)、必ずパッチテストを先に行ってください。
パッチテストの正しいやり方は以下のとおりです。まず手作りのリモネン洗剤を水で2〜3倍に薄めます。次に薄めた液体を綿棒や指で腕の内側(肘の内側の柔らかい部分)に少量塗布し、そのまま洗い流さずに24時間そのままにします。最後に24時間後に塗った部分を確認し、赤み・かゆみ・腫れ・発疹がなければ通常使用OKです。
ただし、パッチテストで異常がなかったとしても、初回使用時は少量から始めるのが安全です。また、季節の変わり目や肌コンディションが悪いときは、異常がなかった人でも反応が出ることがあります。
肌のコンディションに注意が条件です。
肌に何らかの異常が出た場合は、すぐに使用を中止して清水で洗い流し、症状が続く場合は皮膚科を受診してください。「天然だから絶対大丈夫」という思い込みは捨て、自分の肌に合うかどうかを確かめてから使うことが最も大切な美容の鉄則です。
リモネンの保湿効果や柑橘湯の美容効果について、美容の観点から詳しく解説されています(KIREI Cruise「美容効果バツグン!柑橘湯の隠れた魅力」)
リモネン洗剤は「柑橘であれば何でもOK」と紹介されることが多いですが、種類によって特徴が違います。目的に合わせて選ぶと、より効果的な洗剤が作れます。
🍋 柑橘の種類別の特徴比較
| 柑橘の種類 | リモネン含有量 | 光毒性リスク | 香りの特徴 | おすすめの用途 |
|-----------|-------------|-----------|----------|-------------|
| みかん | 中程度 | 低め | 甘くやわらかい香り | 家庭内の日常掃除全般、肌への使用 |
| オレンジ | 高い(皮の9割以上がリモネン) | 低め | 甘くフレッシュな香り | 油汚れ特化、アロマ効果重視 |
| レモン | 中〜高 | やや高い | 酸味のある爽やかな香り | キッチン消臭・除菌重視(日中肌使用は要注意) |
| グレープフルーツ | 高い | やや高い | さっぱりとした爽快な香り | 消臭・換気扇掃除(光毒性に注意) |
洗浄力を最大限に発揮したいなら「オレンジ」の皮が最も適しています。オレンジの皮の精油成分の90%以上がリモネンで構成されており、柑橘類の中でも特に高い洗浄力を持ちます。
一方、肌への使用を想定しているなら「みかん」が最も安心です。光毒性の原因となるフロクマリン類の含有量が少なく、肌への刺激も比較的マイルドだからです。
美容目的での使用ならみかんが基本です。
初めてリモネン洗剤を作るなら、手に入りやすく光毒性リスクが低い「みかん」からスタートするのがおすすめです。
リモネン洗剤を作り始めると、さまざまな疑問が出てきます。
よく聞かれる疑問に対して正直に答えます。
Q. みかんの皮は乾燥させてから使うべき?新鮮なものでいい?
A. 煮出し法には新鮮な皮でOKです。むしろ新鮮な皮の方がリモネン含有量が多く、香りも豊かになります。エタノール抽出法では乾燥させた皮を使う必要があります。理由は水分が残っているとエタノールが薄まってしまい、抽出効率が落ちるためです。
Q. 作ったリモネン洗剤から変な臭いがするのは?
A. 酸化・腐敗が始まっているサインです。変な臭いがしたらその洗剤は廃棄してください。特に夏場は常温放置すると3〜4日で変質が始まることもあります。
こまめな少量作りを習慣化しましょう。
Q. リモネン洗剤を手荒れしている肌に使ってもいい?
A. おすすめしません。手荒れで皮膚バリアが弱っているときは、成分の吸収率が高まり刺激を受けやすい状態になっています。手荒れが治まってから使用するか、ゴム手袋を着用して掃除に使うだけにとどめましょう。
手荒れ中は使用を控えるのが原則です。
Q. 犬や猫がいる家庭でも使えますか?
A. 猫は柑橘の香りを強く嫌がるため、猫がよく触れる場所(床・ソファ・猫トイレ周辺)への使用は避けてください。犬は比較的柑橘の香りを嫌がる傾向は少ないですが、犬がなめる可能性のある場所には使用後十分に水拭きをしてください。みかんの皮のリモネンは犬が大量に摂取すると消化器症状を起こす場合があります。
Q. 食器洗いに使えますか?
A. 使えますが、保存料・防腐剤なしの手作り品のため、食器に残留した状態での長期保管は避けてください。食器洗い後はしっかり水ですすぐことを忘れずに。
また食器洗い機には使用しないでください。

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