

シュウ酸カルシウム結石の猫にクランベリーを与えると症状を悪化させます
クランベリーエキスには猫の健康維持に役立つさまざまな成分が含まれています。特に注目されているのが、尿路の健康をサポートする働きです。
キナ酸という成分が体内で馬尿酸という物質に変化することで、尿のpH値を酸性に保つ効果があります。尿が酸性になると、細菌が増殖しにくい環境が作られます。
これが基本です。
具体的には、膀胱炎やストルバイト結石の予防に期待が持てるとされています。膀胱炎は猫がトイレで何度も排尿姿勢をとったり、血尿が出たりする症状で、再発を繰り返すことも珍しくありません。ストルバイト結石はアルカリ性の尿でできやすい結晶で、これも再発リスクが高い疾患です。クランベリーエキスを日常的に摂取することで、これらの病気の予防につながる可能性があります。
さらにクランベリーにはプロアントシアニジンというポリフェノールが豊富に含まれており、この成分には細菌が膀胱の壁に付着するのを防ぐ作用があることが研究で明らかになっています。膀胱炎の主要原因菌である大腸菌が膀胱壁にくっつきにくくなるため、感染症のリスクを下げることができるわけです。
PETOKOTOの獣医師執筆記事では、クランベリーに含まれる成分と猫への効果について詳しく解説されています。
クランベリーエキスが持つ美容効果は、猫にとっても見逃せないメリットです。赤い色素の正体であるアントシアニンをはじめとするポリフェノールには、強力な抗酸化作用があります。
抗酸化作用とは、体内で発生する活性酸素を無害化する働きのことです。活性酸素は細胞を傷つけ、老化や病気の原因となります。クランベリーに含まれるORAC(活性酸素吸収能力)は非常に高く、体内のサビつきを防ぎます。つまり老化を遅らせる効果が期待できるということですね。
ビタミンCも豊富に含まれており、健康な猫は体内でビタミンCを生成できますが、加齢や運動によるストレス、関節炎などの病気がある場合には追加で摂取することが有益です。コラーゲンの生成をサポートし、皮膚や被毛の健康維持にも役立ちます。
ペクチンという成分は腸内環境を整える働きがあり、便秘や下痢の改善に貢献します。また悪玉コレステロールの排出を促進するため、血流を良くする効果も認められています。血流が改善されると、被毛のツヤや皮膚の状態が良くなることが期待できます。こうした複合的な作用が、猫の内側からの美容と健康をサポートするのです。
クランベリーエキスは多くの猫にとって有益ですが、すべての猫に適しているわけではありません。特に重要なのが、シュウ酸カルシウム結石を持つ猫には絶対に与えてはいけないという点です。
クランベリーは尿を酸性化する働きがあるため、アルカリ性の尿でできやすいストルバイト結石には効果的です。しかし、シュウ酸カルシウム結石は逆に酸性の尿でできやすい特徴があります。すでにシュウ酸カルシウム結石がある猫にクランベリーを与えると、尿がさらに酸性化して結石が大きくなったり、新たな結石ができたりする危険性が高まります。
これは避けるべきです。
また、クランベリーにはシュウ酸が含まれているため、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石の発症リスクがある猫にも慎重な対応が必要です。こざわ犬猫病院の獣医師は、結石リスクのある犬猫にはクランベリー入りサプリメントを与えないよう警告しています。
生後3ヶ月未満の子猫、妊娠中・授乳中の猫にも与えてはいけません。体が未発達な状態や、母体と子猫への影響が十分に研究されていないためです。また給与中に健康状態に異常が見られた場合は、ただちに使用を中止して獣医師に相談する必要があります。
こざわ犬猫病院の警告記事で、クランベリーサプリメントの禁忌について詳しく説明されています。
クランベリーエキスを猫に与える方法としては、専用のサプリメントを使用するのが一般的です。市販されているサプリメントには液体タイプ、チュアブルタイプ、パウダータイプなどがあります。
液体タイプの場合、体重に応じた給与量の目安があります。体重3kg未満の猫には1日2スポイト(約1.4mL)、3〜7kgの猫には6スポイト(約4.2mL)を直接与えるか、食事に混ぜて与えます。1スポイトはおよそ0.7mLで約0.9gに相当します。食事に混ぜる場合は、ウェットフードやちゅーるなどの嗜好性の高い食材と一緒にすると猫が受け入れやすくなります。
パウダータイプの場合は、体重1〜7kgの猫で小さじ1杯(約2g程度)が目安です。そのまま、または食事に混ぜて与えることができます。チュアブルタイプは体重7kg未満の猫に1日2粒が基本的な量です。だし風味など猫の好む味付けがされている製品もあり、おやつ感覚で与えられるのが特徴です。
使用の最初の1ヶ月は1日2回与え、その後は1日1回、週3回のペースに調整する製品もあります。製品によって推奨される使用方法が異なるため、必ずパッケージの説明書を確認してください。また、クランベリーエキスのサプリメントを始める前には、必ず獣医師に相談することが重要です。尿検査で結石の種類を確認してから使用を開始すれば、安心して予防ケアができます。
クランベリーエキスを単独で使用するだけでなく、他の成分と組み合わせることで、より効果的な健康管理が可能になります。最近注目されているのが、ウラジロガシとクランベリーを組み合わせたサプリメントです。
ウラジロガシはブナ科の植物で、結石を溶かす作用があるとされています。クランベリーが尿を酸性化してストルバイト結石の予防に働きかける一方、ウラジロガシは既にできてしまった結石に対してアプローチします。このダブルの作用で、より総合的な尿路ケアが実現できるわけです。実際に複数の猫の飼い主から、ウラジロガシとクランベリーの組み合わせで尿石が改善したという報告があります。
ハイビスカスやガルシニアカンボジアといったハーブ成分を配合したサプリメントも販売されています。これらのハーブにはポリフェノールが豊富に含まれており、抗炎症作用や抗菌作用をサポートします。特にガルシニアカンボジアは尿のpH調整に役立つとされ、膀胱炎や結石の予防に相乗効果が期待できます。
また、日常生活での水分摂取の工夫も重要です。猫は自発的に水を飲むことが少ないため、水飲み場を複数設置したり、ウェットフードの割合を増やしたりすることで、尿を薄めて結石や膀胱炎のリスクを下げることができます。クランベリーエキスのサプリメントと水分管理を併用することで、トータルでの健康維持につながります。
尿検査を定期的に受けることも大切ですね。