

ヘアアイロンをあてるほど髪のダメージが補修される成分があります。
カワラタケエキスは、学名 Trametes versicolor(トラメテス・ベルシカラー)というキノコから得られる植物由来の抽出物です。英語では「Turkey Tail(ターキーテール)」と呼ばれ、七面鳥の尾羽に似た扇形の縞模様が名前の由来になっています。日本では公園や雑木林の倒木にも広く自生しており、意外と身近な存在です。
化粧品の成分表示名称リストには2008年に正式収載されており、INCI名は "Trametes Versicolor Extract" または "Coriolus Versicolor (Mushroom) Extract" と表記されます。CAS番号は 1176239-64-7。配合目的として認められているのは、酸化防止剤・ヘアコンディショニング剤・皮膚保護剤・保湿湿潤剤・皮膚コンディショニング剤・口腔ケア剤と、幅広い用途が公式に定められています。つまり、1つの成分で毛髪ケアと肌ケアの両方をカバーできるという点が大きな特長です。
成分の中核をなすのが β-グルカンを含む多糖体(PSK・PSP)と、酸化酵素である「ラッカーゼ」です。ラッカーゼはとくにヘアケアの文脈で重要で、熱が加わるとケラチンと毛髪を「架橋」する働きをします。架橋とは、ダメージによって再結合できなくなったS-S結合(ジスルフィド結合)を補修し、毛髪の内部構造を正常に近づけることを指します。
国内では現在 35 件以上の化粧品・ヘアケア製品にカワラタケエキスが配合されており、サロン向け業務用品からドラッグストアのホームケアまで採用ブランドが増えています。
参考:化粧品成分の公式データベースへの収載情報
カワラタケエキス(化粧品) - Cosmetic-Info.jp
カワラタケエキスが他のヘアケア成分と一線を画す最大の理由が「熱によって効果が高まる」という特性です。ドライヤーやヘアアイロンを使うと髪が傷む——というのが多くの人が持つ常識ですが、カワラタケエキスを配合した製品を使ったうえでヘアアイロンを当てると、逆に補修効果が高まります。これは驚きの仕組みです。
その理由は、カワラタケエキスに含まれる酸化酵素「ラッカーゼ」にあります。ラッカーゼは熱が加わることで活性化し、毛髪内部のケラチンと結合を形成します。簡単にいうと、熱エネルギーが引き金となって「ケラチンと毛髪の橋渡し」をしてくれる酵素反応が起きるのです。カラーやパーマのケミカル処理によって損傷したS-S結合の補修にも貢献し、使い続けるうちに毛髪の強度が上がっていきます。
具体的な効果は主に3つあります。
- 🔧 毛髪補修:ダメージを受けた毛髪の内部をケラチンと架橋することで修復
- 💆 スタイルキープ:架橋によってスタイルが崩れにくくなる
- 🛡️ 熱保護:ドライヤーやアイロンによる熱ダメージを軽減
うねり・広がり・パサつきに悩む人の多くは「髪内部のたんぱく質やS-S結合が損傷している状態」です。フォロワー数145万超の美容コスメメディアが実施した調査では、梅雨から夏の髪悩みの約7割が「湿気による広がり・うねり」という結果が出ています。さらに、悩みを持つ人の62%が「どう対策すればいいかわからない」と回答しています。カワラタケエキスを含む製品はこうした悩みへの有力なアプローチになります。
カワラタケエキスはシャンプー・トリートメント・アウトバスミストなど幅広いステップで活用されています。とくにヘアミストタイプは「熱を加えることで効果を発揮する」性質に合っており、ドライヤー前やアイロン前に使うと相乗効果が得られます。
参考:カワラタケエキスとラッカーゼによる架橋作用をわかりやすく解説しているサロン向け記事
【ボンドビルド】ヘマチン配合プレックスシャンプー誕生! - gamo-kansai
カワラタケエキスはヘアケアだけに特化した成分ではありません。化粧品の公式成分データでも「皮膚保護剤・保湿湿潤剤・皮膚コンディショニング剤・酸化防止剤」として認められており、スキンケアにも確かな働きをします。
まず保湿の面では、カワラタケが含む多糖体(β-グルカン)が肌表面に膜を形成し、水分の蒸発を防ぐ役割を担います。β-グルカンはキノコ由来成分の中でも保水力が高いことで知られており、乾燥肌やエイジングケアを目的とした化粧品への配合が進んでいます。
次に抗酸化の観点から見ると、カワラタケエキスはフリーラジカルを捕捉する働きを持っています。紫外線・乾燥・ストレスなどで発生する酸化ストレスは、肌の老化やくすみの大きな原因の1つです。カワラタケ由来の成分がこれを中和し、肌のコンディションを整える効果が期待されます。
英語圏の製品情報では、カワラタケエキス(Trametes Versicolor Extract)について「強力な抗酸化作用でフリーラジカルや環境ダメージから肌を守る」と説明されています。また、国際的な成分データベース INCIDecoder に収録され、韓国コスメや欧米スキンケアにも採用実績があります。
さらに、Actisoothe™という成分原料はカワラタケエキス(Trametes versicolor)とフユムシナツクサタケエキス(Cordyceps sinensis)を組み合わせたもので、炎症を引き起こすCOX-2遺伝子の発現を抑える作用が報告されています。敏感肌・赤み・炎症が気になる肌へのアプローチ素材として、欧米の製剤メーカーが注目しています。
| スキンケアにおける働き | 期待できる効果 |
|---|---|
| 酸化防止剤 | 紫外線・環境ストレスによる酸化ダメージを軽減 |
| 保湿・湿潤剤 | 肌の水分を保ちしっとり感をキープ |
| 皮膚コンディショニング剤 | 肌の調子を整え、キメを改善 |
| 皮膚保護剤 | 外的刺激から肌を守るバリア機能をサポート |
参考:Trametes versicolorエキスを含む製品・成分情報が詳しく掲載されているグローバルデータベース
Trametes Versicolor Extract - INCIDecoder
カワラタケエキスが美容・ヘアケアとは全く異なるフィールドでも重要な役割を果たしてきた事実は、あまり知られていません。これは「単なるキノコ成分」というイメージとは大きく異なります。
カワラタケには「PSK(ポリサッカライド-クレハ)」と「PSP(ポリサッカライド-ペプチド)」という2つの主要な活性成分が含まれています。PSKは日本のクレハ(現クレハ/第一三共)が研究・開発した抗がん補助剤「クレスチン」の有効成分であり、胃がん・大腸がん・小細胞肺がんの術後補助療法として日本の保険適用を受けた実績があります。つまり、カワラタケは化粧品の原料であるだけでなく、医薬品の原料としての歴史も持っているのです。
メタ解析によれば、PSKやPSPを標準のがん治療に併用した場合、乳がん・胃がん・大腸がん患者の5年死亡率が免疫補助なし治療よりも約9%低下したというデータがあります。11人に使うと1人多く生存するという計算になるデータで、単純な健康食品レベルを超えた研究の蓄積があります。
漢方の世界でも「雲芝(うんし)」と呼ばれ、清熱解毒・健胃・強壮に用いられてきた長い歴史があります。日本の民間療法では、乾燥させたカワラタケ10〜15gを1日量として水500mlで半量まで煎じて飲むという使い方が伝わっています。
美容に興味がある人にとってポイントになるのは、PSK・PSPに代表されるβ-グルカン多糖体が「免疫調整作用」と「抗炎症作用」を持つという点です。慢性的な炎症は肌荒れやくすみ、エイジングの遠因になることも研究で示されており、内側からのアプローチとして内服サプリとの組み合わせを検討する人も増えています。
参考:カワラタケのPSK・PSPと免疫・抗がん作用に関する詳しい情報
薬用キノコ(PDQ®)患者さん向け - がん情報サイト tri-kobe
カワラタケエキスの特性を理解したうえで製品を選ぶことが、効果を最大化するカギになります。選び方のポイントと正しい使い方を整理しておきましょう。
まず製品を選ぶ際に確認したいのが、「熱活性タイプかどうか」という点です。カワラタケエキスのラッカーゼ活性は、熱を加えることで高まります。そのため、ドライヤーやヘアアイロンを使うことを前提に設計されたヒートプロテクト系のシャンプー・トリートメント・ミストと組み合わせると、最も恩恵を受けられます。単純に「カワラタケエキスが入っている」だけでなく、「ヒートアクティブ」「熱補修」「プレックスケア」などの訴求と合わせて配合されている製品を選ぶのが原則です。
次に、カワラタケエキスが他の補修成分と一緒に配合されているかを確認することも大切です。ヘアケアの文脈では、ヘマチン・加水分解ケラチン・CMC成分・リピジュアと組み合わせることで相乗効果が生まれやすくなります。
使い方の流れは以下のとおりです。
スキンケアに取り入れたい場合は、カワラタケエキスが「酸化防止剤」「皮膚コンディショニング剤」として配合された美容液・クリームを活用する方法があります。現時点では韓国コスメや一部のナチュラル系コスメブランドが先行しており、成分表示(INCI名:Trametes Versicolor Extract)を確認して選ぶと確実です。
内側からのアプローチとして、カワラタケパウダーやサプリメントを取り入れる方法もあります。海外ではiHerbなどで有機カワラタケパウダー(120g、菌糸体バイオマス配合)が販売されており、健康茶やスムージーへの活用が広がっています。ただし、アレルギー体質の方や服薬中の方は事前に医師への相談が必要です。それが条件です。
参考:カワラタケエキス(ラッカーゼ)配合のヘアケアシリーズの詳細な成分解説
BONDBUILD | オレンジコスメ(公式)
参考:うねり髪のメカニズムとカワラタケエキス活用例をまとめた専門情報

【防御 長野県産 霊芝・ヤマブシタケ + チャーガ】直井霊芝 + 山伏茸 + ロシア産 カバノアナタケ (各9000mg) 3種配合 / β-グルカン ヘリセノン 多糖類 SOD酵素 ヘリセノン サプリメント / キロン COAT(コート)180カプセル 国内製造 医師監修