合成着色料一覧と美容への影響知っておきたい基本知識

合成着色料一覧と美容への影響知っておきたい基本知識

合成着色料一覧と種類

合成着色料の基本知識
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タール色素とは

石油を原料とした化学合成色素で12種類が日本で承認されています

🍎
食品での使用

お菓子やアイスクリーム、明太子など様々な食品に使用されています

💄
化粧品での使用

リップやアイシャドウなど鮮やかな発色が必要な製品に配合されています

合成着色料の定義とタール色素の特徴

合成着色料は、石油を原料として化学的に合成された着色料で、別名「タール色素」と呼ばれています 。かつてはコールタールから得られるベンゼンやフェノールといった芳香族化合物を原料としていましたが、現在は石油を原料とした化成品を使用しています 。
参考)合成着色料|色のいろいろ|日農食品販売

 

タール色素の最大の特徴は、優れた着色性と色持ちの良さです 。少ない量で効果的な着色が可能で、鮮やかな発色を実現できるため、食品から化粧品まで幅広い分野で使用されています 。
参考)化粧品のタール色素はお肌に悪いって本当?合成着色料について知…

 

これらの合成着色料は、元々アゾ基(-N=N-)を持つ色素として繊維の染料に用いられていたため「タール色素」という名称が付けられました 。現在ではアゾ基を持たない合成着色料もタール色素と分類されています 。

合成着色料の完全一覧表と番号システム

日本で食品に使用が認められている合成着色料は、以下の12種類です :
参考)サイエンスなび/食べ物の色、いろいろ(合成色素)

 

赤系統の合成着色料

  • 食用赤色2号(アマランス)
  • 食用赤色3号(エリスロシン)
  • 食用赤色40号(アルラレッドAC)
  • 食用赤色102号(ニューコクシン)
  • 食用赤色104号(フロキシン)
  • 食用赤色105号(ローズベンガル)
  • 食用赤色106号(アシッドレッド)

黄系統の合成着色料

  • 食用黄色4号(タートラジン)
  • 食用黄色5号(サンセットイエローFCF)

その他の色系統

  • 食用青色1号(ブリリアントブルーFCF)
  • 食用青色2号(インジゴカルミン)
  • 食用緑色3号(ファストグリーンFCF)

これらの合成着色料には、色素のアルミニウムレーキも含まれており、全体で20品目が使用可能とされています 。アルミニウムレーキは水溶性のタール色素をアルミニウム塩と混合して油溶性にしたもので、油性の加工食品への着色に使用されています 。

合成着色料が含まれる食品一覧と使用例

合成着色料は私たちの身近な食品に幅広く使用されています。主な使用食品をカテゴリ別に整理すると以下のようになります :
参考)https://pantry-lucky.net/blogs/column/coloringagent

 

お菓子・デザート類

  • アイスクリーム 🍦
  • キャンディー
  • ガム
  • ケーキやクッキーの装飾部分
  • ゼリーやプリン

加工食品

飲料・調味料

  • かき氷のシロップ(赤色2号が使用される場合があります)
  • 清涼飲料水
  • 調味料の一部

食用赤色2号は、じんましんなどのアレルギー症状や妊娠率の低下、発がん性などが報告されており、北欧やアメリカでは使用が禁止されています 。しかし、日本では厚生労働省が安全性を認めているため、現在も使用されています 。

合成着色料の化粧品での使用と美容への配慮

化粧品業界では、合成着色料(タール色素)は主にメイクアップ製品で使用されています 。化粧品用のタール色素は、全成分表示では「色+番号(赤226、黄5など)」で記載されます 。
主な使用製品

  • リップスティック・グロス 💄
  • アイシャドウ
  • チーク
  • アイライナー
  • マニキュア

化粧品でタール色素が選ばれる理由は、その鮮やかな発色力にあります 。特にポイントメイクアイテムでは、少量で美しい色彩を実現できるため重宝されています 。
参考)【化粧品OEMに欠かせない基礎知識9】メイクアップ商品には必…

 

しかし、美容を重視する消費者の間では、タール色素の安全性への関心が高まっています 。タール色素には粒子の小さい染料と粒子の大きい顔料があり、染料は皮膚のしわに入り込んで定着し、アレルギーを起こす可能性があります 。一方、顔料は肌や粘膜に対する安全性が比較的高いとされています 。
参考)シミの原因になるメイク用品のタール系色素

 

最近では、天然素材の色素を使用した化粧品や、ミネラルコスメなど、タール色素を使用しない製品も多く開発されており、美容意識の高い消費者に支持されています 。
参考)https://suiko-official.com/blogs/jornal/jornal-70

 

合成着色料の安全性と健康リスクの実態

合成着色料の安全性については、国内外で様々な研究が行われており、健康への影響について議論が続いています。特に注目すべき健康リスクとして以下の点が挙げられます。

 

発がん性のリスク
タール色素の中には、動物実験において発がん性が指摘されているものがあります 。特に青色1号、赤色2号、黄色4号などは発がん性があると言われており、多くが海外では使用禁止となっています 。
参考)【専門家監修】化粧品に含まれる着色料が及ぼす影響とは?注意す…

 

アレルギー反応
アゾ系色素と呼ばれる黄色4号は、体内に入るとアレルギー症状の原因になることが知られています 。全国の消費者センターへの化粧品被害の相談では、合成着色料による相談が約40%も占めるという報告もあります 。
皮膚への影響
タール色素はタンパク質を溶かす性質があり、紫外線と反応してメラニンが肌に沈着し、シミの原因となる可能性があります 。特に化粧品の場合、長期間の使用により肌トラブルを引き起こすリスクが指摘されています 。
参考)化粧品に配合される着色料の影響は?合成着色料無添加の化粧品も…

 

精神面への影響
タール色素が体内に入ると、メチルニトロソ尿素という有害物質が生成され、脳の前頭葉に侵入して感情の起伏が激しくなるなど、精神面にも影響を与える可能性があるという研究報告もあります 。
現在、日本では厚生労働省が安全性を認めた範囲で使用が許可されていますが、海外との規制の違いもあり、消費者自身が情報を収集して判断することが重要です 。