

野菜や果物を食べていればβグルカンが摂れていると思いきや、実は全く含まれていません。
きのこ類はβグルカンの宝庫として知られていますが、種類によって含有量には大きな差があります。生のきのこ100gあたりで比較すると、最も多いのが生どんこ(乾シイタケの原料となる肉厚のシイタケ)で3.5g、次いでマイタケが2.3g、ブナピーが2.0g、エリンギが1.9g、ブナシメジが1.8g、霜降りひらたけが1.5gという順番になっています。
どういうことでしょうか?
同じきのこでも含有量が2倍以上違うケースがあるということですね。この数値を見ると、免疫力アップや美容効果を狙うなら、シイタケやマイタケを選ぶと効率的にβグルカンを摂取できることがわかります。これらのきのこは、腸内環境を整えるだけでなく、免疫細胞を活性化させる働きが特に強いとされています。
乾燥きのこになると、さらに含有量は高まります。乾燥状態では水分が抜けて成分が凝縮されるため、乾燥きのこ100gあたりには11.1~25.0gものβグルカンが含まれているという研究結果もあります。つまり、生のきのこと比べて約4~10倍の濃度になるわけです。乾燥シイタケを水で戻して使えば、少量でも効率よくβグルカンを摂取できます。
きのこのβグルカンは細胞壁に存在しているため、よく噛んで食べることが吸収率を高めるポイントです。また、βグルカンは加熱に強い性質を持っているため、炒め物やスープ、鍋料理など、どんな調理法でも成分が壊れにくいというメリットがあります。毎日のお味噌汁にきのこを入れる習慣をつけるだけでも、無理なくβグルカンを摂取できるでしょう。
上記リンクには、各きのこの詳細な含有量データと、免疫機能への働きかけについての研究結果が掲載されています。
穀物の中でβグルカンを多く含むのは、大麦、もち麦、オーツ麦です。これらの穀物に含まれるβグルカンは「水溶性食物繊維」であり、きのこの「不溶性食物繊維」とは性質が異なります。水溶性のβグルカンは腸内でゲル状になり、糖や脂質の吸収を緩やかにする効果があるため、血糖値やコレステロール値が気になる方には特に有効です。
100gあたりの含有量を比較すると、もち麦が約3~6g、オーツ麦が約3~5g、押し麦が約4g程度となっています。もち麦はうるち性の大麦に比べて約1.5倍のβグルカンを含むとされており、同じ大麦でも品種によって含有量に差があります。外国産のもち麦の方が国産よりも含有量が高い場合もあるため、パッケージの栄養成分表示を確認して選ぶとよいでしょう。
つまり穀物ならどれでもOKです。
オーツ麦(オートミール)は全粒穀物なので、βグルカン以外にもビタミンB群、ミネラル、他の食物繊維が豊富に含まれています。朝食にオートミールを30g食べれば、約1.2gのβグルカンを摂取できます。もち麦を白米に混ぜて炊く場合は、白米1合に対してもち麦50gを加えると、ちょうどよいバランスになり、1日3gのβグルカン摂取目標にも近づけます。
これらの穀物は加工や調理によってβグルカンの分子サイズが変化する場合がありますが、中程度に低分子化しても糖・脂質代謝を改善する効果は維持されることが研究で確認されています。パンやクッキーに加工しても一定の効果は期待できるということですね。日常的に主食として取り入れやすい点が、穀物βグルカンの大きなメリットです。
美容や健康のために野菜や果物をたくさん食べている方は多いでしょう。しかし、意外なことにβグルカンは野菜や果物にはほとんど含まれていません。農研機構の資料にも明記されているように、「このβグルカンは、大麦に最も多く含まれ、野菜やくだものには含まれていません」という事実があります。
これは重要です。
なぜなら、野菜や果物には他の種類の食物繊維(ペクチンなど)は豊富に含まれていますが、βグルカンという特定の成分は穀物やきのこ、海藻、酵母など限られた食品にしか存在しないからです。βグルカンは植物や微生物の細胞壁を構成する成分であり、その構造や働きは食品の種類によって異なります。
つまり、いくら野菜サラダを食べてもβグルカンは摂れないということです。免疫力アップや血糖値コントロール、腸内環境改善といったβグルカンの恩恵を受けたいなら、意識的にきのこや大麦、オーツ麦を食事に取り入れる必要があります。野菜や果物だけでは、βグルカン特有の健康効果は得られないのです。
この事実を知っておくと、食事のバランスをより戦略的に考えられるようになります。野菜や果物からはビタミンやミネラル、抗酸化物質を摂取し、βグルカンはきのこや穀物から意識的に補う。こうした多角的なアプローチが、美容と健康を支える土台になります。
βグルカンの健康効果を得るためには、1日3g程度の摂取が推奨されています。欧米諸国では、1日3g以上のβグルカン摂取により血中コレステロール値が有意に低下したという研究結果があり、日本でも1日約3gの摂取で内臓脂肪を減らす効果が確認されています。この3gという数値は、健康強調表示を許可する国際的な基準にもなっています。
では、具体的にどれくらいの量を食べればよいのでしょうか。押し麦なら約50g、オートミールなら約100g、もち麦を白米に混ぜて炊いたご飯なら1日3膳程度が目安です。きのこの場合、生のマイタケなら約130g、生のシイタケなら約85g食べれば1日分の目安量に達します。複数の食品を組み合わせれば、より無理なく達成できます。
結論は組み合わせです。
たとえば、朝食にオートミール30g(βグルカン約1.2g)、昼食にもち麦入りご飯1膳(約1g)、夕食にマイタケ50g(約1.15g)を食べれば、合計で約3.35gのβグルカンを摂取できます。このように複数の食材を組み合わせることで、飽きずに続けられるのがポイントです。
ただし、食物繊維全体の摂取量には注意が必要です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、30~64歳の食物繊維摂取目標量は男性22g以上、女性18g以上とされています。しかし日本人の平均摂取量は14g前後と不足気味です。βグルカンを意識的に摂ることで、食物繊維不足の解消にもつながるでしょう。
摂取のタイミングとしては、食事の最初にβグルカンを含む食品を食べると、血糖値の急上昇を抑える効果が高まります。朝食や昼食でもち麦ご飯やオートミールを取り入れると、その後の血糖値変動を穏やかにし、間食の欲求も抑えられるため、ダイエット中の方にも適しています。
βグルカンが美容に関心のある方に注目される理由は、その腸内環境改善効果にあります。腸内環境が整うと、便秘が解消され、老廃物の排出がスムーズになります。便秘が続くと腸内に毒素が溜まり、血液中に吸収されて全身を巡るため、肌荒れやくすみ、ニキビといったトラブルの原因になります。βグルカンは腸内細菌のエサになり、善玉菌を増やす働きがあるため、こうした悪循環を断ち切る助けになります。
具体的にどのような効果があるのでしょうか。βグルカンは水分を吸収してゲル状になり、便を柔らかくして排出しやすくします。また、腸のぜん動運動を促進するため、便秘の改善に直結します。便秘が解消されると、腸壁の炎症も減り、肌の赤みやくすみが改善される可能性があります。実際に、便秘改善後に肌の調子が良くなったという声は多く聞かれます。
美肌効果も期待できますね。
さらに、βグルカンには免疫細胞を活性化する働きがあります。免疫力が高まると、肌のターンオーバーが正常化しやすくなり、新しい細胞が生まれ変わるサイクルが整います。また、抗炎症作用もあるため、敏感肌やアトピー性皮膚炎の症状緩和に役立つ可能性も指摘されています。オーツ由来のβグルカンを含む保湿クリームが市販されているのも、この保湿力と抗炎症作用が評価されているためです。
血糖値の安定も美容に間接的に貢献します。血糖値が急上昇すると、体内で糖化反応が起こり、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力を保つタンパク質が硬くなってしまいます。
これが肌の老化やたるみの原因になります。
βグルカンを摂取することで血糖値の上昇を緩やかにすれば、糖化を防ぎ、アンチエイジング効果も期待できるわけです。
美容面での効果を最大化するには、βグルカンだけでなく、ビタミンやミネラル、良質なタンパク質もバランスよく摂ることが重要です。きのこや大麦には他の栄養素も含まれているため、これらを日常的に食べることで、総合的な美容サポートが実現できます。
βグルカンを毎日摂り続けるためには、無理なく続けられる工夫が必要です。ここでは、あまり知られていない実践的なアイデアをいくつか紹介します。
まず、乾燥きのこの粉末を活用する方法です。乾燥シイタケやマイタケをミキサーやコーヒーミルで粉末状にしておけば、スープやカレー、ハンバーグのタネ、卵焼きなど、あらゆる料理に少量ずつ混ぜ込むことができます。粉末状にすることで細胞壁が壊れ、βグルカンが吸収されやすくなるというメリットもあります。
保存も効くため、常備しておくと便利です。
もち麦を冷凍しておく方法もおすすめです。もち麦を多めに炊いて、小分けにして冷凍保存しておけば、必要なときにすぐ使えます。チャーハンやリゾット、サラダのトッピングとして活用すれば、手軽にβグルカンを追加できます。
冷凍しても栄養価はほとんど変わりません。
意外ですね。
オートミールをスムージーに混ぜる方法も試してみる価値があります。バナナ、ヨーグルト、牛乳または豆乳と一緒にオートミールをミキサーにかければ、飲みやすいスムージーになります。朝食代わりにすれば、時間のない日でもβグルカンを確実に摂取できます。
また、βグルカンは加熱に強いため、焼き菓子にも利用できます。オートミールクッキーやもち麦入りパンケーキ、きのこを練り込んだお好み焼きなど、アレンジ次第でおやつからも摂取できます。ただし、砂糖や油を多く使うと美容効果が半減するため、甘味料は控えめにするのがポイントです。
さらに、きのこの冷凍保存もβグルカンの活用に有効です。きのこは冷凍することで細胞壁が壊れ、うまみ成分が出やすくなります。買ってきたきのこをすぐに小房に分けて冷凍しておけば、使いたいときにそのまま調理でき、時短にもなります。
βグルカンは冷凍しても失われません。
こうした工夫を組み合わせることで、特別な努力をしなくても日常的にβグルカンを摂取できる食生活が実現します。美容と健康のために、今日から始めてみてはいかがでしょうか。