

スキンケアをどれだけ丁寧に続けても、肌の外側だけ整えていたのでは、シワやたるみの本当の原因には届いていません。
「TFAM(ティーファム)」という言葉を最近美容メディアで見かけた方も多いのではないでしょうか。正式名称は「Transcription Factor A, Mitochondrial(ミトコンドリア転写因子A)」。ひと言で言うと、ミトコンドリアDNAの転写・安定化・機能維持に欠かせないタンパク質のことです。
ミトコンドリアとは、私たちの細胞の中でエネルギーを作り続ける小さな器官です。体の37兆個ある細胞のほぼすべてに存在し、1つの細胞に数百〜数千個も入っています。人体が動くために必要なエネルギー(ATP)の約90%以上をミトコンドリアが作り出しています。
TFAMはそのミトコンドリアを「新しく生み出す」プロセス、つまり「ミトコンドリア新生」に直接関わる実働部隊です。工場に例えると、設計図(DNA)を実際に組み立てる現場スタッフのようなイメージ。つまり、TFAMが増えると新しいミトコンドリアが増え、細胞全体のエネルギーが高まります。
つまり、TFAM=美肌のエネルギー源を作る鍵です。
【参考】再春館製薬所 ミトコンドリアに着目した根本アプローチ(TFAMの役割について詳しく解説)
TFAMが最近美容業界から熱視線を浴びているのには、明確な理由があります。ミトコンドリアには細胞核とは別に独自のDNA(ミトコンドリアDNA)があり、TFAMはそのDNAを守り、転写(情報を読み出す)を担っています。
ミトコンドリアDNAのコピー数が減ると、エネルギー産生力が低下するだけでなく、老化を加速させる活性酸素が増える悪循環に入ります。ミトコンドリアDNAは細胞核のDNAに比べて活性酸素の影響を受けやすく、損傷が蓄積しやすい特徴があります。
TFAMを増やすことはこの悪循環を断ち切る入口です。
再春館製薬所の研究では、TFAMの発現量を高めることでミトコンドリア量が増加し、ATP産生量が向上、同時に活性酸素が抑制されることが細胞レベルで確認されています。これは「古いミトコンドリアを無理に活性化させる」のではなく、「新しく良質なミトコンドリアを生み出す」という根本からのアプローチです。
意外ですね。
【参考】国立精神・神経医療研究センター:ミトコンドリアDNAの遺伝子発現を安定化するメカニズムの解説(TFAMとヌクレオイドの関係)
健全なミトコンドリアは、燃費の良いエコカーのエンジンに例えられます。効率よくエネルギーを作り出し、副産物の活性酸素も少ない。ところが老化したミトコンドリアは燃費が悪く排気ガスをまき散らす古いエンジンと同じ状態になります。
ミトコンドリアが衰えると肌に以下のような変化が起きます。
| ミトコンドリアの状態 | 肌への影響 |
|---|---|
| エネルギー(ATP)不足 | ターンオーバーの乱れ、古い角質が溜まりくすみに |
| 活性酸素の過剰産生 | コラーゲン分解が加速し、シワ・たるみが深刻化 |
| バリア機能低下 | 保湿成分が作られにくくなり乾燥・敏感肌になりやすい |
| 老化細胞の蓄積 | 慢性炎症(炎症老化)が進みくすみ・ごわつきが増加 |
こうした変化が同時多発的に起こるのが、ミトコンドリア機能低下の怖さです。肌の問題が1つや2つではなく、全方位に及ぶということです。
これが肌老化の根本原因です。
表面的なスキンケアでは届かない細胞レベルの問題が、シワ・たるみ・くすみの正体と言えます。活性酸素対策でよく聞くビタミンCやポリフェノールも大切ですが、そもそものミトコンドリアの質と数を整えることが、より上流からの対策になります。
ミトコンドリアには「マイトファジー」という自浄機能が備わっていて、古くなったものは分解・除去されながら新しいものに置き換わります。20代までは新生が分解を上回り、フレッシュなミトコンドリアが保たれます。
ところが30代を境に、加齢により老化ミトコンドリアが増え始め、分解すべき量が新生に追いつかなくなります。ミトコンドリアの数は40代から徐々に減少が目立ち、60代では20代と比べて30〜40%も減少するという研究報告があります。
40代が曲がり角です。
これはイメージとしては、工場の製造ラインが半分止まった状態。エネルギーを作る「機械(ミトコンドリア)」そのものが減っていくわけですから、当然ターンオーバーもコラーゲン産生も落ちます。また、残った老化ミトコンドリアが活性酸素を大量に出し続けるため、肌老化はさらに加速します。
「最近、スキンケアを頑張っているのに肌の調子が上がらない」と感じている方は、ミトコンドリアの数と質が低下し始めているサインかもしれません。ミトコンドリアの数が落ちていると、どんなに良い化粧品を使っても細胞が受け取れるエネルギーに限界があります。
【参考】ディアザフラビン研究所:加齢によるミトコンドリア数の減少と健康への影響(60代で30〜40%減少のデータ解説)
美容や健康の文脈でよく語られる「ミトコンドリアを活性化させる」という言葉、実は使い方によっては逆効果になるケースがあります。
これは知らないと損します。
老化・劣化したミトコンドリアを無理に活性化させると、ATP産生量は一時的に回復するものの、同時に多量の活性酸素が発生してしまいます。つまり燃費の悪い古いエンジンを無理やりフル稼働させるようなもので、排気ガス(活性酸素)が増えるだけという状況に陥ります。
根本解決は「新生」にあります。
TFAMに着目するのはこのためです。TFAMは「ミトコンドリアの新生」を促す実働タンパク質であり、TFAMの量が増えると、古い劣化ミトコンドリアではなく、新しくて効率の良いミトコンドリアが次々と生み出されます。新生によって増えた良質なミトコンドリアは、エネルギーを効率よく作り、活性酸素の発生も少なく抑えられます。
「古いものを延命させる」のではなく「新しいものを産み続ける」サイクルを維持する発想。これが再春館製薬所をはじめとする最先端の老化研究が導き出した答えです。美容先進国の美容研究者の間でも、このミトコンドリア新生アプローチは注目度が高まっています。
「TFAMを増やす天然素材はないか」という視点から出発した再春館製薬所の研究チームは、530種以上の植物サンプルをスクリーニングしました。その結果、奥飛騨産のサンショウ(山椒)の種子に行き着きました。
サンショウは通常、可食部の果皮だけが使われ、種子は廃棄されていました。ところが種子には木が大きく育つための生命力が凝縮されているという漢方的発想から、廃棄素材を見直した研究が実を結びました。
細胞試験の結果は明確でした。
サンショウ種子加水分解物を濃度20ppmで処理した場合、コントロールと比較してTFAM発現量が有意に増加、それに連動してミトコンドリア量は約1.13倍に、ATP産生量は約1.3倍に増加したことが確認されています。さらに、ミトコンドリア由来の活性酸素は約25%も抑制されました。
数字が明確ですね。
さらにヒトへのモニター試験(30〜50代の男性20名対象、12週間)では、サンショウ種子加水分解物配合クリームを使用した側でほうれい線の深度が約5.7%改善。一方、未配合の側は12週間で約20%悪化したことが確認されました。同じ12週間での約26ポイントもの差は、TFAMを介したミトコンドリア新生アプローチの可能性を示しています。
【参考】再春館製薬所プレスリリース:サンショウ種子加水分解物によるTFAM発現促進とほうれい線改善データ(日本生薬学会第71回年会発表内容)
TFAMを増やすためのアプローチは、スキンケアに限りません。日常生活の中にも、ミトコンドリア新生をサポートする習慣があります。
🏃 有酸素運動(ウォーキング・ヨガ)
体を動かすとエネルギーが多く必要になり、ミトコンドリアに「もっと増えろ」というシグナルが入ります。速歩きや軽いジョギング、ヨガなどの継続が特に効果的と言われています。週3回・30分程度の有酸素運動が、ミトコンドリア増加を促す目安として研究者に言及されています。
🥦 ミトコンドリアを助ける食事
ATP産生にはビタミンB1・B2・B3、マグネシウム、鉄が不可欠です。豚肉・納豆・卵・緑黄色野菜・ブロッコリー・アーモンドなどをバランスよく取ることが基本。コエンザイムQ10(CoQ10)も電子伝達系を安定させ、ミトコンドリアの働きをサポートします。
🌙 質の良い睡眠
睡眠中は細胞の修復と再生が活発になります。7〜8時間を目安に、規則正しい生活リズムを保つことで、ミトコンドリアの新生サイクルも整いやすくなります。
これが基本です。
💨 深呼吸や温冷刺激
深呼吸は酸素供給量を増やし、ミトコンドリアの働きをサポートします。水風呂や冷水シャワーなどの寒冷刺激も、適度な細胞ストレス(ミトホルミシス)を通じてミトコンドリアを活性化させる効果が期待されています。
スキンケアと合わせて取り組むことで、細胞内から美肌環境を整えられます。外から塗るケアと、内側からのエネルギー補給を両立させることが、現代の本質的なエイジングケアと言えるでしょう。
TFAMやミトコンドリアに働きかける視点でスキンケアや美容サプリを選ぶ際、注目すべき成分があります。
まず押さえたいのはコエンザイムQ10(CoQ10)です。電子伝達系の主要な担い手として、ミトコンドリアでのATP産生を安定させる機能があります。特に紫外線ダメージを受けた皮膚細胞のエネルギー産生を補助する働きが研究で示されています。
次に注目されるのがNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)です。NAD⁺という補酵素の前駆体で、ミトコンドリアの代謝サポートに関わります。NMNは20代をピークに体内での産生量が減少し、40代には約半分になるとも言われています。
また、ウロリチンもミトコンドリアのマイトファジー(自浄機能)を促進する成分として近年注目されています。老化した不良ミトコンドリアを効率よく除去し、新生サイクルをサポートする役割が期待されています。
選ぶ際は「活性化」だけでなく「新生サポート」の視点を持つことが大切です。成分表示でTFAMや「ミトコンドリア新生」に言及している製品は、現時点ではまだ少ない分、選ぶ価値のある独自性があります。ドモホルンリンクルのリニューアルなどへの応用が再春館製薬所から予告されており、今後の展開が期待されます。
美容の文脈でミトコンドリアを語るとき、見落とされがちなのが「腸内環境との連動」です。
これはあまり語られていない視点です。
腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸(特に酪酸)は、腸管上皮細胞のミトコンドリア機能を維持するための主要なエネルギー源とされています。腸内環境が乱れると短鎖脂肪酸が減少し、腸の細胞のミトコンドリアが機能低下します。すると腸のバリア機能が低下し、炎症性物質が全身に広がりやすくなります。この「腸由来の慢性炎症」が皮膚細胞のミトコンドリアにもダメージを与え、肌老化を加速させるという連鎖があります。
腸と肌はつながっています。
つまり、肌のミトコンドリアを守ろうとするなら、腸内環境を整えることも同時に重要です。発酵食品(ヨーグルト・納豆・キムチ)や食物繊維(野菜・豆類・海藻)の積極的な摂取は、腸内細菌のバランスを整え、腸→全身のミトコンドリア機能を間接的にサポートします。スキンケアと生活習慣とあわせて、食の内側からも整える視点が、これからのエイジングケアに欠かせない発想と言えます。
再春館製薬所の研究員・大和翔吾氏は「世界では『なぜ人は老いるのか』という研究が活発にされています。原因を追求し、それを抑えることができれば、老化をゆるやかにすることができる」と述べています。TFAMへのアプローチはその一つの答えです。
美容業界のミトコンドリア研究は現在、各社で独自性を競うように進んでいます。司令塔シグナルにアプローチする手法が多い中、再春館製薬所のようにTFAMという「新生の実行部隊タンパク質」に直接働きかける手法は、国内初と言われています。これは細胞レベルでの「建て替え」に相当するアプローチです。
研究はまだ進化途中です。
今後はサンショウ種子の知見を活かした化粧品リニューアルだけでなく、健康食品・サプリメントへの応用も視野に入っており、ミトコンドリア×TFAMの研究が美容・健康の両軸で広がっていく可能性があります。
私たちが今できることは、TFAMとミトコンドリアの重要性を知った上で、スキンケア・生活習慣・食事の選び方を少しずつアップデートすることです。表面だけではなく、細胞の発電所ごと若返らせるという発想。それが、これからのエイジングケアの新常識になるかもしれません。
【参考】再春館製薬所公式:ミトコンドリアと肌の関係について(ターンオーバー・コラーゲン・バリア機能への影響を解説)

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