

高濃度ビタミンCは月3,000円以上の出費でも効果がない人がいます。
美容化学者として知られるかずのすけさんは、自身のブログやYouTubeチャンネルで「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」という成分を高く評価しています。この成分は、油溶性ビタミンC誘導体の一種で、化粧品の全成分表示では「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」、医薬部外品では「テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビルEX」と表記されます。
かずのすけさんが特にこの成分を推奨する最大の理由は、敏感肌でも使いやすい点です。かずのすけさん自身が「活性型ビタミンCだけでなく殆どのビタミンC誘導体を使えない肌質」と公言しており、そんな彼が唯一刺激を感じることなく使える成分として紹介しているのがこのテトラヘキシルデカン酸アスコルビルなのです。
ビタミンCは美肌成分として非常に優秀ですが、通常のビタミンC誘導体は敏感肌に刺激が強く、赤みやヒリつきを引き起こすことがあります。特に水溶性のビタミンC誘導体は皮脂分泌を抑制する作用が強いため、乾燥や刺激を感じやすいという弱点がありました。しかし油溶性のテトラヘキシルデカン酸アスコルビルは、肌への刺激が少なく、保湿効果も高いという特徴があります。
この成分は2007年に日光ケミカルズの申請によって医薬部外品美白有効成分として厚生労働省に承認されました。医薬部外品として認められているということは、シミやそばかすを防ぐ効果が国に認められているということです。つまり、敏感肌でも使えて、かつ美白効果が実証されている成分なのです。
かずのすけさんは自身のオリジナル化粧品ブランド「CeraLabo」でもこの成分を配合した製品を開発しており、2025年3月には「セラキュア クリアVCセラム」という薬用美白美容液を発売しました。敏感肌に寄り添う処方で、ビタミンCを諦めていた人にも使ってほしいという想いが込められています。
CeraLabo公式サイト「セラキュア クリアVCセラム」
※テトラヘキシルデカン酸アスコルビルを有効成分とした薬用美白美容液の詳細情報が掲載されています。
テトラヘキシルデカン酸アスコルビルの最大の特徴は、その持続性の高さです。水溶性ビタミンC誘導体が即効性に優れている一方で、油溶性のこの成分は皮膚内で約48時間以上も効果が持続するという研究結果があります。これは東京ドーム約3個分の面積を一度に管理できるような、圧倒的な効率の良さに例えられます。
この長時間持続のメカニズムは、油溶性という性質にあります。テトラヘキシルデカン酸アスコルビルは油に溶けやすいため、肌の皮脂膜や角層にゆっくりと浸透していきます。そして皮膚内で徐々に酵素によってビタミンCへと変換され、長時間にわたって効果を発揮し続けるのです。
美白効果のメカニズムとしては、主に2つの作用があります。1つ目は、メラニン色素を作り出すチロシナーゼという酵素の働きを阻害すること。紫外線を浴びると肌内部でメラニン生成の指令が出されますが、テトラヘキシルデカン酸アスコルビルがその指令を受け取るチロシナーゼの活性化を防ぐことで、メラニンの過剰生成を抑えます。
2つ目は、既にできてしまったメラニン色素を還元する作用です。濃くなった色素沈着を徐々に薄くしていく効果が期待できます。これは水溶性ビタミンC誘導体にも共通する効果ですが、持続時間が長い分、じっくりと働きかけることができるのが油溶性の強みです。
さらに、コラーゲン生成の促進効果とコラーゲン分解酵素の抑制効果もあります。肌のハリや弾力を保つコラーゲンを増やしながら、その分解を防ぐというダブルの作用で、エイジングケアにも効果的なのです。また、皮脂の酸化を抑制する効果もあるため、毛穴の黒ずみやニキビの悪化を防ぐという嬉しい副次効果もあります。
ただし48時間持続ということは、つまり即効性がないということです。水溶性ビタミンC誘導体のように「塗ってすぐに肌が明るくなる」といった実感は得にくいかもしれません。結果は数週間から数ヶ月かけてじわじわと現れるタイプの成分だということですね。
化粧品成分オンライン「テトラヘキシルデカン酸アスコルビルの基本情報」
※テトラヘキシルデカン酸アスコルビルの化学的特性や安全性データが詳しく解説されています。
テトラヘキシルデカン酸アスコルビルは希少な成分のため、配合している製品は限られています。かずのすけさんが紹介した製品の中で特に注目すべきものをいくつか挙げてみましょう。
まず、かずのすけさんが視聴者から教えてもらって大絶賛したのがETVOSの「薬用アクネVCクリームジェルⅠ」です。この製品の素晴らしい点は、油溶性ビタミンC誘導体でありながらオイル美容液ではなく、ウォータリーベースのクリームジェルとして処方されていることです。通常、油溶性ビタミンCはオイル美容液やクリームに配合されるのが一般的ですが、ETVOSはジェル状にすることで、べたつきが苦手な人やニキビ肌の人でも使いやすくしています。
さらにこの製品には、肌バリアを整えるヒト型セラミドが複数種類配合され、肌本来の保湿成分NMF(天然保湿因子)の主要成分やアミノ酸も豊富に含まれています。つまり、美白効果だけでなく敏感肌ケアにも配慮した理想的な処方になっているのです。かずのすけさんは「簡単には説明できないほど、とても素晴らしい製品」と評価しています。
もう1つ紹介されているのが、HABAの「ホワイトスクワラン」です。こちらはオイル美容液タイプで、スクワランオイルをベースにテトラヘキシルデカン酸アスコルビルを配合しています。オイル美容液の良さは、油溶性ビタミンCが本来持つ浸透性を最大限に活かせることです。ただし、ニキビができやすい人や脂性肌の人には向かないという注意点もあります。
そしてかずのすけさん自身が開発したCeraLaboの「セラキュア クリアVCセラム」は、2025年3月に発売されたばかりの最新製品です。有効成分としてテトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビルEXを配合し、グリセリンフリー処方でべたつきを抑えつつ、ヒト型セラミド3種類とセラミド類似体2種類、天然保湿因子10種類を配合した贅沢な美容液です。さらに二重構造エアレスボトルを採用し、ビタミンCの酸化を防ぐ工夫もされています。
製品選びのポイントは、自分の肌質に合わせることです。乾燥肌や敏感肌で保湿力を重視したい人はオイル美容液やクリームタイプを、ニキビができやすい人やさっぱりした使用感が好きな人はジェルタイプや乳液状の美容液を選ぶと良いでしょう。
かずのすけブログ「視聴者さんに教えて貰ったビタミンC美容液が敏感肌&ニキビケアに良すぎた」
※ETVOSの製品をかずのすけさんが詳しくレビューしている記事です。
テトラヘキシルデカン酸アスコルビルは敏感肌向けとされていますが、使用時にはいくつか注意すべき点があります。まず最も重要なのが、油溶性ゆえのべたつきです。保湿力が高いというメリットは、裏を返せば使用感が重たく感じられることもあるということです。
特に夏場や湿度の高い時期、あるいは脂性肌の人は、べたつきが気になるかもしれません。この場合は、少量から始めて肌の様子を見ながら使用量を調整することをお勧めします。また、化粧水やサッパリタイプの美容液には配合しにくいという特性もあるため、製品の多くがクリームや美容液タイプになっています。
ニキビ肌の人は特に注意が必要です。油溶性ビタミンC誘導体は油分を多く含んでいるため、皮脂分泌量の多い人が使うと毛穴に詰まってニキビが悪化するリスクがあります。ただしこれは一般的な油溶性ビタミンCの話で、テトラヘキシルデカン酸アスコルビルは皮脂の酸化を抑制する効果があるため、むしろニキビケアに有効という研究結果もあります。ETVOSの「薬用アクネVCクリームジェルⅠ」のように、ニキビケアを謳っている製品もあるくらいです。
それでも心配な場合は、まず顎や頬の一部など目立たない場所でパッチテストを行ってから顔全体に使うことをお勧めします。48時間程度様子を見て、赤みやかゆみ、ニキビの悪化などがなければ問題ないでしょう。
もう1つ注意したいのが、即効性を期待しないことです。48時間持続する効果は素晴らしいのですが、水溶性ビタミンC誘導体のような「塗ってすぐに肌が明るくなる」という実感は得にくいです。少なくとも2~3ヶ月は継続使用してから効果を判断するべきです。途中で「効かない」と諦めてしまうと、せっかくの投資が無駄になってしまいます。
また、ビタミンCは酸化しやすい成分なので、保管方法にも気を配りましょう。直射日光を避け、冷暗所に保管するのが基本です。開封後は3ヶ月から半年以内に使い切るのが理想的です。CeraLaboのように二重構造エアレスボトルを採用している製品なら、酸化のリスクを最小限に抑えられます。
最後に、他の美容成分との併用についてです。テトラヘキシルデカン酸アスコルビルは比較的刺激が少ないため、レチノールやナイアシンアミドなど他の美容成分と併用しても問題ありません。ただし、複数の美容液を重ねる場合は、テクスチャーの軽いものから順番に塗っていくのが基本です。
美容業界にはテトラヘキシルデカン酸アスコルビル以外にも様々なビタミンC誘導体が存在します。それぞれの特徴を理解することで、自分の肌に最適な成分を選べるようになります。
まず水溶性ビタミンC誘導体の代表格として、リン酸アスコルビルMgや3-O-エチルアスコルビン酸(VCエチル)があります。これらは化粧水や美容液に配合しやすく、即効性に優れているのが特徴です。塗ってすぐに肌のトーンが明るくなったと感じる人も多いでしょう。しかし、皮脂分泌を強力に抑制するため、乾燥肌や敏感肌の人は刺激を感じやすく、赤みやヒリつきが出ることがあります。また、効果の持続時間が短いため、1日2回の使用が推奨されます。
油溶性ビタミンC誘導体には、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル以外にもパルミチン酸アスコルビルやステアリン酸アスコルビルがあります。これらも肌への刺激が少なく保湿効果が高いという共通点がありますが、浸透性や持続時間ではテトラヘキシルデカン酸アスコルビルが優れています。特に48時間以上という持続時間は他の油溶性ビタミンCと比べても長いという特徴があります。
両親媒性ビタミンC誘導体というカテゴリーもあり、代表的なものがAPPS(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)です。APPSは水溶性と油溶性の両方の性質を持つため、即効性と持続性の両方を兼ね備えています。浸透力も従来のビタミンC誘導体の約100倍以上とされ、効果は約72時間持続すると言われています。ただし、価格が高めで、安定性がやや低いという弱点があります。
活性型ビタミンC(ピュアビタミンC)は、誘導体ではなくビタミンCそのものです。最も効果が高い反面、刺激も最強で、敏感肌の人はほぼ使えません。また酸化しやすく安定性が低いため、使用には細心の注意が必要です。かずのすけさん自身も活性型ビタミンCは使えないと公言しています。
こうして比較すると、テトラヘキシルデカン酸アスコルビルは「敏感肌でも使える」「持続時間が長い」「刺激が少ない」という3つの強みがあることが分かります。即効性では水溶性に劣り、浸透力ではAPPSに劣りますが、敏感肌の人にとっては「使い続けられる」ということが何より重要です。どんなに効果が高くても、刺激で使えなければ意味がありませんからね。
自分の肌質と目的に合わせて選ぶことが大切です。刺激に強く即効性を求めるなら水溶性や活性型、敏感肌でじっくりケアしたいなら油溶性のテトラヘキシルデカン酸アスコルビル、予算に余裕があり最高峰を求めるならAPPSという選び方ができます。
美的.com「テトラヘキシルデカン酸アスコルビルとは」
※様々なビタミンC誘導体の違いと特徴が分かりやすく解説されています。