

ケールエキスの保湿効果は、1回塗っただけでは長続きしません。
ケールエキスとは、キャベツの原種とも呼ばれるアブラナ科の葉野菜「ケール」から抽出した成分のことです。青汁の原料として日本に定着したのは、1943年に京都大学の遠藤博士が戦中戦後の栄養不足解消のために開発したのが始まりとされており、80年以上にわたって健康食材として親しまれてきました。
それが近年、スキンケアの世界でも見直されています。注目の理由は、豊富な抗酸化物質や保湿成分が、肌にもそのまま有益に働くことが研究で明らかになってきたからです。
ケールに含まれる主な美容成分には、β-カロテン(ビタミンA前駆体)、ビタミンC、ビタミンE、クロロゲン酸、ケンフェロール、クエルセチンなどのフラボノイド類があります。これらは単に栄養素として優秀なだけでなく、肌の酸化を防ぎ、バリア機能を整える働きが期待されています。
化粧品への配合量は通常1%前後が一般的とされており(Paula's Choice調べ)、少量でも肌表面の細胞を強化し、保湿バリアをなめらかに保つ効果が報告されています。
つまり「青汁で飲む成分」から「肌に塗る美容成分」へと、ケールの活躍の場が広がっているということです。
参考:化粧品成分としてのケール葉エキスの安全性・性質について詳しく解説しています。
三省製薬|青汁の原料でおなじみのケールはスキンケアにも有用性が高い万能素材
「抗酸化力が高い」という説明はよく目にしますが、どの程度なのかが伝わらないと実感しにくいものです。ここでは数値を通じて整理します。
まず抗酸化力の面では、ケールには以下の栄養素が突出して多く含まれています。
これらの数字は、ケール1枚(約200g)あたりの栄養素として示されることが多く、スーパーフードと呼ばれるのも納得です。
保湿力についても、単なる水分補給にとどまりません。三省製薬の研究によると、乳酸菌と組み合わせて発酵させた「ケール葉発酵液」は、肌内部のヒアルロン酸産生を促進する働きを持つことが確認されています。ヒアルロン酸は、自重の6000倍の水分を保持できると言われる保湿成分であり、これを肌自身が作れるようサポートするというのは、塗るだけの一時的な潤いとは質が異なります。
これは使えそうです。
また、同研究では1%濃度のケール葉発酵液が、ビタミンE以上の酸化防止力を発揮することも示されています。化粧品に配合された少量のエキスでも、肌の脂質酸化をしっかり防げるということですね。
参考:ケールのビタミン含有量とアンチエイジング効果についての詳細データはこちら
キューサイ|ケールが持つビューティーパワー(抗酸化・美白の根拠データあり)
ケールエキスがシミやくすみに対してどう作用するのか、科学的な研究から確認してみましょう。
ファンケルが国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)で発表した研究によれば、ケールエキスを外用した三次元培養皮膚モデルにおいて、紫外線によるメラニン産生が抑制されることが確認されています。つまり、ケールエキスを肌に塗ることで、日焼けによるシミの原因となるメラニンの生成を抑える可能性があるということです。
さらに同研究では、8月から10月の8週間にわたってケールを摂取したモニターの肌色が、摂取前に比べて「ほほ」と「うで」の両方で明るくなったことが報告されています。食べる+塗るのダブルアプローチが最も効果的であることが示唆されています。
美白が条件です。
エイジングケアの観点でも、ケールエキスはコラーゲンを分解する酵素「コラゲナーゼ」の働きを抑制することが三省製薬の研究で確認されています。コラゲナーゼは加齢や紫外線の影響で活性が高まり、真皮のハリを支えるコラーゲンを分解してシワやたるみを引き起こします。バリアを守りながらハリ成分の分解をブロックできる、という点はケールエキスの大きな特長と言えます。
参考:ファンケル研究所によるケールエキスの美白効果(外用・内用の両方を実証)
ファンケル研究所|ケールがもたらすダブルの美白~内外美容でのアプローチ
ケールエキスを含む化粧品は年々増えていますが、配合されているだけで効果が出るとは限りません。選ぶときに確認したいポイントを整理します。
まず成分表示の確認が基本です。化粧品の成分は配合量が多い順に記載されているため、「ケール葉エキス」または「ケール葉発酵液」が上位に表記されているほど、有効濃度に近い量が使われていると推測できます。成分表のリストの最後の方に載っているだけであれば、ほぼ香りづけや付加価値表示に近い状態と考えた方が現実的です。
次に、発酵かどうかも確認ポイントです。ケールに含まれるフラボノイドは、乳酸菌などで発酵させることでアグリコン型となり、吸収率が高まると三省製薬の研究で示されています。単なる抽出エキスよりも、発酵液として処理されたものの方がより肌への浸透を期待しやすいということですね。
また、成分単体のみで見るのではなく、他の保湿成分との組み合わせも重要です。ケールエキスはバリア機能回復や抗酸化に優れていますが、即効性の高い保湿にはヒアルロン酸やコラーゲンなどを組み合わせた処方の方が、より総合的な効果を期待できます。
これが条件です。
たとえば青汁ブランドのキューサイが展開する「Skinkalede(スキンカールド)」シリーズは、ケール葉エキスを主成分としながら水の代わりにコラーゲン発酵液をベースに使い、美容成分97.89%という処方を実現しています。このように「何と組み合わせているか」を見ることで、より実感しやすい商品を選べます。
参考:キューサイによるケール配合スキンケアブランドの開発背景と処方説明
キューサイ公式|スーパーフードは「飲む」から「塗る」時代へ/Skinkalede誕生の経緯
ここまで外用(塗る)の効果を中心に見てきましたが、ケールエキスの本領は内外からの同時アプローチにあります。これは多くの美容法には見られない特徴で、ケール特有の強みです。
外から塗ると、ケールエキスの抗酸化成分が肌表面で活性酸素をブロックし、コラゲナーゼの活性を抑制します。細胞レベルでの老化速度を落とすイメージです。
内側から摂ると、β-カロテンやビタミンCが体内で代謝されながら皮膚にも届き、メラニン生成の抑制や皮膚細胞のターンオーバーをサポートします。ファンケルの研究では、8週間の摂取で肌色が有意に明るくなることが確認されており、これは外用だけでは得にくい変化です。
つまり、塗ると飲むは役割が違います。
内外の同時ケアを実践するには、朝にケールエキス配合の化粧水や美容液を使いながら、青汁やサプリメントでケール由来の栄養素を補うというルーティンが現実的です。ただし、同一の成分を大量に重複摂取するリスクを避けるため、サプリは製品表示の用量を守ることが前提です。
ケールの青汁は市販品で1日分あたり平均200〜400円台(製品によって異なる)と比較的手が届きやすい価格帯なので、スキンケアと組み合わせたコスパの良い習慣として始めやすいという点も見逃せません。
美容は毎日の積み重ねが基本です。ケールエキスを取り入れる場合も、「1回使えば変わる」という期待より、続けることで肌のバリア機能が安定し、徐々に変化を感じるものと理解しておくことが、継続のモチベーションを保つコツになります。
参考:ケールの内側・外側からの美白への働きかけを実験データで解説
ファンケル研究所|ケールのダブル美白アプローチ(内用・外用の比較データ掲載)