

カリテバターを毎日塗れば塗るほど肌が潤うと思ってしまうと、ニキビが増えて損します。
カリテバターとは、シアバター(shea butter)の別名であり、西アフリカから中央アフリカにかけて自生するシア(カリテ)の木の種子から採れる、100%植物由来の油脂です。「カリテ」はフランス語での呼び名で、日本でも古くからこの名前で親しまれてきました。
常温では固形のバター状ですが、体温(約36℃)で溶けてオイル状に変化するという性質を持っています。これはカリテバターの融点が23〜45℃であるためで、手のひらに乗せてクルクルとなじませるだけで、なめらかなオイルへと変わります。これが使いやすさの秘訣です。
カリテバターの主成分は、オレイン酸(約45%)とステアリン酸(約40%)の2つの脂肪酸で、合わせて全体の約90%を占めます。オレイン酸は人の皮脂にも多く含まれる成分で、肌なじみがよく、水分の蒸発を防いでバリア機能をサポートします。ステアリン酸は抗酸化作用が強く、肌の老化の原因となる活性酸素を抑える働きがあります。
さらに微量ながら、次のような美容成分も含まれています。
- トコフェロール(天然ビタミンE):過酸化脂質の発生を防ぎ、肌のターンオーバーを促進してシワ・シミの予防をサポート
- カロテノイド:粘膜・皮膚の再生を助け、肌荒れの改善に役立つ
- アラントイン:組織修復作用があり、あかぎれ・ひび割れの予防に効果的
- トリテルペンアルコール:親水性が高く肌をやわらかくする成分で、年齢とともに気になる肌のごわつきに有効
保湿成分が豊富ということですね。ただし、カリテバターは「保水成分」ではなく「保湿成分」であることを理解しておく必要があります。肌に水分を直接与えるのではなく、油膜を作って肌に含まれる水分を逃がさない役割を担います。そのため、化粧水で水分を補った後に使うことが、効果を最大化するための基本です。
日本ではすでに20年以上の使用実績があり、皮膚への刺激はほとんどなく、安全性に問題のない成分として認められています。赤ちゃんからお年寄りまで幅広く活用されているのも、この安全性の高さが理由のひとつです。
シアバター(カリテバター)の成分について詳しく解説されています。
化粧品成分オンライン「シア脂の基本情報・配合目的・安全性」
カリテバターを選ぶ際に最も迷いやすいポイントが、「精製」か「未精製」かという選択です。この違いを正しく知ることで、自分の肌により合ったものを選べます。
未精製カリテバターは、シアの実から採れた油をほぼそのままの状態で製品化したものです。ナッツのような独特の香りがあり、色はやや黄みがかったアイボリー色をしています。天然の状態で微量成分(トコフェロール、アラントイン、カロテノイドなど)を豊富に含んでいるため、美容効果が高いとされています。保湿力・浸透力の高さを実感しやすいのが魅力です。
精製カリテバターは、採取した油に脱色・脱臭などの加工処理を施し、不純物を取り除いたものです。色は白く、ほぼ無臭。処理の過程でトコフェロールなどの一部の美容成分も一緒に除去される場合がありますが、保湿の主成分であるオレイン酸・ステアリン酸は精製後もしっかり残るため、保湿力は変わりません。
つまり精製か未精製かで優劣はなく、用途と肌質で選ぶことが大切です。
| | 未精製 | 精製 |
|---|---|---|
| 色 | アイボリー~黄色 | 白色 |
| 香り | ナッツ系の独特な香り | ほぼ無臭 |
| 美容成分 | 豊富(トコフェロール等含む) | やや少ない |
| 刺激 | やや強め | 少ない |
| おすすめ肌質 | 乾燥肌・健康な肌 | 敏感肌・赤ちゃん |
敏感肌の方には精製タイプが安心です。未精製タイプは刺激になりやすい成分が残っている場合があるため、初めて使う方も精製タイプからスタートするのが無難です。
また、初めてカリテバターを使う場合は、必ずパッチテストを行いましょう。手首の内側など皮膚が薄い部分に10円玉くらいの大きさで塗り、48時間様子を見てください。赤みやかゆみが出なければ使用開始のサインです。言葉でコミュニケーションが難しい赤ちゃんや高齢者に使う際は、とくに慎重に観察することが大切です。
精製と未精製の違いについて参考になる情報はこちら。
アフリカシアバター「シアバターには精製と未精製がある?その違いを徹底解説!」
カリテバターは顔・体・唇・髪と全身に活用できる万能アイテムですが、使い方をひとつ間違えると、せっかくの保湿効果が台無しになります。特に「スキンケアの順番」と「使用量」は、効果を左右する重要ポイントです。
顔への使い方では、スキンケアの「最後の工程」で使うことが基本です。化粧水で肌にたっぷり水分を補った後、仕上げにカリテバターをフタとして使うことで、水分の蒸発を防ぐことができます。使用量は米粒1~2粒程度で十分で、それ以上は油分過多になってしまいます。
手順をまとめると次の通りです。
1. 洗顔後、化粧水を丁寧になじませる
2. 必要に応じて美容液を使用する
3. 米粒1〜2粒分のカリテバターを指先に取り、手のひらで温める
4. とろけてクリーム状になったら顔全体にやさしくなじませる
5. 皮脂が多いTゾーン(額・鼻周辺)は薄めに、乾燥しやすい口元・目元は少し丁寧に
ここで注意が必要です。脂性肌の方や皮脂が多い季節(夏場など)はカリテバターをそのまま顔に使うのは控えた方が賢明です。油分の過剰摂取により肌のターンオーバーが乱れ、毛穴詰まりやニキビの悪化につながるリスクがあります。
体への使い方では、入浴後の肌がまだほんのり温かい状態がベストタイミングです。体温でカリテバターが溶けやすく、肌になじみやすい状態になっています。特に乾燥しやすいひじやかかとには、少し多めに塗り込むと効果的です。意外ですね、かかとのカサカサにもカリテバターは十分対応できます。
髪への使い方では、洗髪後の濡れた状態の髪に少量つけてヘアオイル代わりに使ったり、乾かした後にまとまりが出ない髪にスタイリングとして使う方法があります。ただし、量が多すぎるとベタついた印象になるので、小豆粒1粒分から始めるのがポイントです。
ヘアケアへのシアバター(カリテバター)活用方法はこちら。
Karethic「生シアバターを髪に使うには?」
「保湿力が高いから、たっぷり塗るほど肌によい」と思っていないでしょうか?これは多くの方が陥りやすい誤解です。実際には、塗りすぎが肌荒れの原因になることがあります。
カリテバターは油分が非常に豊富なため、乾燥肌の方であっても使いすぎると毛穴を塞いでしまい、アクネ菌が増殖してニキビが発生しやすくなります。脂性肌の方が使った場合はさらにリスクが高く、過剰な脂肪酸が肌のターンオーバーを乱し、肌トラブルが悪化する可能性があります。
カリテバターが特に不向きとされる方は以下の通りです。
- 脂性肌(オイリー肌)の方
- 普段からニキビができやすい方(特にアクネ菌由来の吹き出物)
- アトピーや特定成分へのアレルギーを持つ方
油分が多いということですね。これは特に若い肌に当てはまりやすく、20〜30代で皮脂分泌が活発な場合には、顔全体への使用ではなく、乾燥が気になる目元・口元・頬などの部分使いにとどめるのが適切です。
一方、カリテバターに含まれるリノール酸はセラミドの必須成分でもあり、不足するとニキビの原因にもなりえます。また、抗炎症作用を持つ成分も含まれるため、炎症を伴わない乾燥由来の肌荒れには有効です。つまり、肌質と使用量の判断が条件です。
実際に試す前に、自分の肌タイプを把握しておくことが大切です。もし使い始めてからニキビが増えてきたと感じたら、量を減らすか、顔への使用を一時中止して体やひじかかとの保湿に切り替えることをおすすめします。脂性肌や混合肌の方には、カリテバターをそのまま使うよりも、微量配合のシアバタークリームのような製品から試してみる方が肌への負担が少なくなります。
シアバター(カリテバター)のデメリットと肌への影響について詳しく解説されています。
mocobe「【医師監修】シアバターは肌に悪い?注意すべき肌タイプと使い方」
カリテバターといえば「乾燥対策の保湿アイテム」というイメージが強いですが、実はエイジングケアの面でも注目すべき効果を持っています。この点を知らずに使っている方は、カリテバターのポテンシャルを半分しか活かせていないかもしれません。
カリテバターに含まれるトコフェロール(天然ビタミンE)は、細胞の老化を進める過酸化脂質の発生を抑えることで、シワ・シミの生成を予防する役割を果たします。さらにトリテルペンアルコールは親水性が高く肌をやわらかくする作用があるため、年齢とともに気になる肌のごわつきやくすみのケアにも有効です。VOGUE 2022年1月号でミュージシャン・俳優のシシド・カフカさんも「乾燥に負けてしまったときのために常備している」と紹介したほど、肌の回復力においても定評があります。これは使えそうです。
また、カリテバターは室内での日常的な日焼け止め代わりにも使えます。紫外線A波(UVA)は室内にいても窓を通して降り注ぐため、自宅でのスキンケアに軽い日焼け防止を取り入れたい方にとって有用です。SPF値はありませんが、皮膚の表面に薄い保護膜を形成することで、日常生活レベルの紫外線・大気汚染物質・ほこりなどから肌を守る効果が期待できます。
さらに一般的な記事ではほとんど紹介されていない活用法として、「リップパック」があります。カリテバターを唇に薄く塗り、その上から小さくカットしたラップをあて3〜5分置くだけで、乾燥してくすんだ唇にツヤとうるおいを与えることができます。特に季節の変わり目や乾燥が続く冬場に試すと、翌日のリップメイクのノリが変わることを実感できます。
リップケアを深化させたい場合は、カリテバター配合のリップクリームを下地として使う方法も効果的です。口紅を塗る前にリップ下地としてなじませておくだけで、日中の乾燥・皮むけを防ぐバリアが完成します。
カリテバターのエイジングケアや日焼け止め効果について参考になる情報。
CODINA「乾燥対策だけじゃない!シアバターが愛される理由」
なみきハーブガーデン「シアバター(カリテバター)の特徴:日焼け止めに使うコツと敏感肌・乾燥肌のケア」

ロクシタン(L'OCCITANE) カリテコンフォート オーガニックシアバター 150mL 大容量 乾燥 保湿 女性 レディース 男性 メンズ 人気