

食品からの葉酸摂取だけでは、妊娠初期の必要量を満たせません。
葉酸は肌細胞の再生を促進し、ターンオーバーを正常化させる働きがあります。年齢を重ねると、肌の生まれ変わりサイクルは遅くなりがちですが、葉酸を十分に摂取することで、このサイクルを整えることができるのです。シミやくすみが気になる方にとって、葉酸は内側からのケアとして注目すべき栄養素といえます。
葉酸には造血作用があり、血液を作る働きをサポートします。血行が良くなることで、肌に栄養や酸素が行き渡りやすくなり、健康的な血色の良い肌へと導かれます。顔色が悪い、肌がくすんで見えるといった悩みを持つ女性は、葉酸不足の可能性も考えられるでしょう。
つまり美肌の基本です。
ビタミンB群の一種である葉酸は、細胞分裂や細胞の成熟に深く関わっています。肌の基底層では常に新しい細胞が生まれており、この過程で葉酸が不可欠な役割を果たします。新陳代謝が活発になることで、古い角質が自然に剥がれ落ち、みずみずしい肌が表面に現れてくるのです。
美容効果を実感するには、継続的な摂取が大切になります。成人女性の推奨摂取量は1日240μgですが、現代の食生活では不足しがちな栄養素です。ブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜、いちごやアボカドなどの果物を意識的に食事に取り入れることで、葉酸摂取量を増やすことができます。
美容医療の観点から葉酸の美肌効果について詳しく解説(ヒロクリニック)
女性は月経により毎月鉄分が失われるため、男性に比べて貧血になりやすい体質です。貧血というと鉄分不足がまず思い浮かびますが、葉酸不足も貧血の原因の一つとなります。葉酸は赤血球の形成に欠かせない栄養素であり、不足すると正常な赤血球が作られなくなってしまうのです。
葉酸欠乏による貧血は「巨赤芽球性貧血」と呼ばれます。
この貧血では、赤血球が通常よりも大きくなり、酸素を運ぶ能力が低下してしまいます。症状としては疲労感、めまい、息切れ、顔色の悪さなどが現れます。特にダイエット中の女性や偏食傾向のある方は、葉酸不足のリスクが高まるため注意が必要です。
鉄分と葉酸は相互に作用し合う関係にあります。鉄分は赤血球の材料となり、葉酸はその鉄分を使って赤血球が正しく形成されるようサポートする役割を担っています。貧血対策としては、鉄分だけでなく葉酸も一緒に摂取することで、より効果的な改善が期待できるということですね。
ビタミンB12も葉酸と同様に造血作用を持つ栄養素です。これら三つの栄養素をバランス良く摂取することが、貧血予防の基本となります。レバー、あさり、しじみなどの魚介類には、鉄分・葉酸・ビタミンB12がすべて含まれているため、貧血が気になる方には特におすすめの食材です。
成人女性が1日に必要とする鉄分は15~20mgとされています。葉酸は240μgが推奨量ですが、月経のある女性はこれらの栄養素が不足しやすい状態にあります。日々の食事で意識的に摂取することに加えて、必要に応じてサプリメントで補うことも検討しましょう。
妊娠がわかってから葉酸を摂り始めても、実は遅いケースがあります。赤ちゃんの神経管が形成されるのは妊娠4~5週、つまり妊娠に気づく前の時期なのです。神経管閉鎖障害という先天異常のリスクを減らすためには、妊娠する1ヶ月以上前から葉酸を十分に摂取しておく必要があります。
神経管閉鎖障害は日本では出生1万人あたり約6人の割合で発生します。
厚生労働省は2000年に、妊娠可能な女性に対して葉酸摂取の重要性を勧告しました。具体的には、妊娠1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月まで、食事から240μgに加えて、サプリメントなどから400μgの葉酸を摂取することが推奨されています。この摂取により、神経管閉鎖障害の発症リスクを約70%低減できることが研究で明らかになっているのです。
いつ妊娠するかは予測できません。妊娠を希望している女性だけでなく、妊娠の可能性がある年齢の女性は、日頃から葉酸を意識的に摂取することが大切です。体内に葉酸を十分にストックしておくことで、妊娠した時に赤ちゃんの発育を最初からしっかりサポートできる状態を作っておけます。
葉酸の血中濃度を適切なレベルまで上げるには、摂取を始めてから1~2ヶ月かかるとされています。つまり、妊活を始めようと思ったその時から葉酸サプリを飲み始めることが、赤ちゃんの健康を守る第一歩となるのです。
妊娠初期はつわりで食事が思うように摂れないこともあります。そのような時期でも、サプリメントなら手軽に葉酸を補給できます。妊娠前からの習慣づけが、妊娠後の継続的な摂取にもつながるでしょう。
葉酸には「天然葉酸(ポリグルタミン酸型)」と「合成葉酸(モノグルタミン酸型)」の2種類があります。食品に含まれる天然葉酸は、体内で吸収されるまでにいくつかの段階を経る必要があり、吸収率は約50%程度にとどまります。一方、サプリメントに含まれる合成葉酸は、体内ですぐに利用可能な形になっており、吸収率は約85%と高いのが特徴です。
食品から240μgの葉酸を摂取しても、実際に体内で利用できるのは約120μgということです。妊娠を計画している女性が必要とする640μg(食事240μg+サプリ400μg)を食品だけで補おうとすると、実に1,280μg相当の葉酸を含む食品を食べなければなりません。
これは現実的に難しい量といえるでしょう。
サプリとの併用が効率的です。
緑黄色野菜に豊富に含まれる葉酸ですが、水溶性ビタミンであるため、調理の過程で失われやすいという弱点があります。茹でる、水にさらすといった調理方法では、葉酸が水に溶け出してしまうのです。野菜を生で食べる、蒸す、電子レンジで加熱するなど、葉酸の損失を最小限に抑える調理法を選ぶことも大切になります。
葉酸を多く含む食材としては、ブロッコリー(茹で100gあたり120μg)、ほうれん草(茹で100gあたり110μg)、いちご(100gあたり90μg)、アボカド(100gあたり83μg)、納豆(1パック50gあたり60μg)などが挙げられます。これらを毎日の食事に取り入れることで、基本的な葉酸摂取量は確保できます。
ただし、妊活中や妊娠初期の女性には、食事だけでは不十分です。厚生労働省がサプリメントからの400μg摂取を推奨しているのは、この吸収率の違いを考慮してのことなのです。食事とサプリを組み合わせることで、確実に必要量を満たすことができます。
成人女性の葉酸推奨摂取量は1日240μgです。妊娠を計画している女性や妊娠初期の女性は、これに加えてサプリメントなどから400μgを摂取することが推奨されており、合計640μgが目安となります。妊娠中期以降は480μg、授乳中は340μgが推奨量です。
葉酸には耐容上限量も設定されています。18~29歳の女性で900μg、30~49歳の女性で1,000μgが1日の上限です。通常の食事から過剰摂取になることはほぼありませんが、サプリメントを複数併用したり、規定量を大幅に超えて摂取したりすると、上限を超えてしまう可能性があります。
上限量を守ることが基本です。
過剰摂取により懸念されるリスクとしては、亜鉛の吸収阻害があります。亜鉛は免疫機能や味覚の維持に重要なミネラルであり、不足すると味覚障害や免疫力低下を招く恐れがあります。また、ビタミンB12欠乏による神経障害の症状が、葉酸の過剰摂取によってマスクされ、発見が遅れてしまうケースも報告されています。
高用量の葉酸摂取に関する研究では、妊娠全期間にわたり1日5mg以上を長期間摂取した場合、生まれてくる子どもの運動神経発達に遅延が見られたという報告もあります。サプリメントを選ぶ際には、葉酸含有量を確認し、1日400~800μg程度のものを選ぶようにしましょう。
複数のサプリメントを併用する場合は特に注意が必要です。マルチビタミンやプレママ用サプリメントには、すでに葉酸が含まれていることが多いため、重複して摂取すると過剰になる可能性があります。サプリメントのラベルをよく確認し、合計摂取量が耐容上限量を超えないよう管理することが大切です。
適量を継続的に摂ることが、葉酸の健康効果を最大限に引き出すコツといえます。多ければ良いというものではなく、推奨量を守って毎日コツコツと摂取することで、美容効果や貧血予防、そして妊娠時の赤ちゃんの健全な発育サポートにつながるのです。