

喫煙者がβカロテンサプリを飲むと肺がんリスクが約30%上昇します。
βカロテンは体内でビタミンAに変換され、肌の健康を多方面からサポートする栄養素です。肌のターンオーバーを正常に保つ働きがあり、新しい細胞が生まれ変わるサイクルを整えます。通常28日周期と言われる肌のターンオーバーが乱れると、古い角質が溜まってくすみやゴワつきの原因になります。
抗酸化作用が特に注目されています。紫外線・ストレス・喫煙・不規則な生活によって増える活性酸素を中和し、細胞の老化を防ぐ働きがあります。ビタミンCの1,000倍もの抗酸化力を持つとされ、シミやシワ、たるみといった光老化の予防に効果を発揮します。
つまり内側からのスキンケアです。
カゴメの研究によると、βカロテンを継続的に摂取することで隠れジミ(シミ予備軍)が減少する効果も確認されています。隠れジミとは、肌の奥に潜んでいてまだ表面に現れていないメラニンの蓄積のことです。紫外線によって特に多く作られる活性酸素から肌を守り、シミになる前の段階でブロックする働きが期待できます。
美肌作りには継続が大切です。βカロテンは肌に蓄積されやすく、常に肌に蓄えておくことで予防機能が維持されます。乾燥が気になる冬、紫外線が強い夏、どちらの季節も積極的に摂りたい栄養素といえるでしょう。
カゴメ株式会社による「βカロテンと隠れジミの関係性」に関する研究データ
緑黄色野菜に豊富に含まれるβカロテンですが、食材によって含有量は大きく異なります。100gあたりの含有量トップはにんじんで、生で6,700μg、茹でると7,200μgになります。加熱によって細胞壁が壊れ、栄養素が取り出しやすくなるためです。
ほうれん草も優秀な食材です。茹でた状態で5,400μg、生で4,200μgのβカロテンが含まれています。春菊は茹でて5,300μg、かぼちゃ(西洋種)は生で4,000μgです。これらの野菜を組み合わせることで、無理なく必要量を摂取できるでしょう。
意外なことに果物にもβカロテンは含まれています。ドライマンゴーは6,100μg、乾燥あんずは5,000μg、干し柿は1,400μgと、ドライフルーツは濃縮されて含有量が高くなります。おやつやデザートとして取り入れれば、手軽に摂取できます。
野菜ジュースも効率的な選択肢になります。カゴメの研究では、生にんじんよりも野菜・果実ミックスジュースを摂取した方が、βカロテンを効率的に吸収できることが確認されています。植物の強固な細胞壁が製造過程で破壊されるため、栄養の吸収を阻害する要因が取り除かれるのです。食事だけで十分な量を摂るのが難しい場合は、野菜ジュースを活用するのも一つの方法です。
カゴメの「βカロテンの効率的な摂取方法に関する研究」レポート
βカロテンは脂溶性ビタミンで、油に溶けやすく水に溶けにくい性質があります。そのため腸での吸収率が低い栄養素ですが、脂質と一緒に摂取することで吸収率が劇的に変わります。油と一緒に摂ると約2.6倍にもなるという研究結果があります。
炒め物や揚げ物が最も効率的な調理法です。にんじんやかぼちゃ、ほうれん草などを油で調理すると、βカロテンが油に溶け出して体内に吸収されやすくなります。オリーブオイルやごま油など、少量の良質な油を使うだけで効果は十分です。
サラダで食べる場合も工夫が必要です。生野菜だけでは吸収率が10%以下になることもあります。オリーブオイルベースのドレッシングをかける、ナッツやアボカドなど脂質を含む食材を組み合わせる、これだけで吸収率は大幅にアップします。脂質があると体が栄養を取り込みやすくなります。
加熱調理には別のメリットもあります。生野菜はかさばって食べられる量が限られますが、加熱するとかさが減って量を食べられます。茹でてしまうと栄養成分が流失しやすいので、短時間でサッと炒める調理方法がベストです。
ビタミンCやビタミンEと一緒に摂ると相乗効果が期待できます。抗酸化作用が組み合わせることでさらに高まるため、パプリカ(ビタミンC豊富)とにんじん(βカロテン豊富)を一緒に炒める、といった食べ合わせがおすすめです。
食事から摂取する分には過剰症の心配はほとんどありません。βカロテンは体内で必要な分だけがビタミンAに変換され、余分な分は排出される仕組みになっています。
体が必要に応じて厳密に調節しているのです。
サプリメントには重大なリスクがあります。特に喫煙者や過去に喫煙歴がある人がβカロテンサプリメントを摂取すると、肺がんの罹患率が約30%、死亡率が約20%上昇することが複数の大規模研究で報告されています。フィンランドで行われたATBC試験や米国のCARET試験など、信頼性の高い研究結果です。
なぜサプリメントで摂ると危険なのか、明確な理由はまだ分かっていません。食品から豊富に摂るのは問題ないのに、サプリメントとして1日20〜30mg以上を摂取すると健康リスクが生じます。喫煙者以外でも、サプリメントでβカロテンのみを大量に摂取することは避けるべきです。
過剰摂取の症状には特徴があります。短期間では吐き気、頭痛、めまい、目のかすみなどが現れます。長期間では中枢神経系への影響、肝臓の異常、骨や皮膚の変化が起こる可能性があります。また、βカロテンの過剰摂取により皮膚が黄色くなる「柑皮症」という症状も知られていますが、これは無害で摂取を控えれば元に戻ります。
食品からの摂取を基本にすることが大切です。緑黄色野菜を毎日の食事に取り入れ、調理法を工夫することで、安全かつ効果的にβカロテンを摂取できます。サプリメントに頼る前に、まず食生活を見直すことをおすすめします。
朝日新聞による「喫煙者とβカロテンサプリメントのリスク」解説記事
忙しい毎日でもβカロテンを無理なく摂取できる食事プランをご紹介します。厚生労働省が推奨する野菜の1日の目標摂取量は350gで、そのうち120g以上を緑黄色野菜から摂ることが望ましいとされています。これを意識するだけで十分な量を確保できます。
朝食では手軽さを優先しましょう。野菜ジュース1杯(200ml)で手軽にβカロテンを補給できます。トマトやにんじんがベースの商品を選ぶと効率的です。朝は最も吸収率が高い時間帯という研究結果もあるため、朝の野菜ジュースは理にかなっています。時間があればスムージーにほうれん草やにんじんを加えるのもおすすめです。
昼食は外食が多い場合でも工夫できます。定食屋でほうれん草のお浸しや人参サラダなど、緑黄色野菜の副菜を選ぶだけで違います。コンビニランチなら、野菜ジュースやカット野菜をプラスする、かぼちゃの煮物や人参のきんぴらなど惣菜を選ぶ、これだけで摂取量は増やせます。
夕食が最も工夫しやすいタイミングです。にんじんとピーマンの肉炒め、かぼちゃとほうれん草のグラタン、温野菜サラダなど、油を使った調理法で吸収率を高められます。スープや鍋物にする場合は、仕上げにごま油を回しかけると脂質が加わって吸収効率がアップします。夜は温かいスープでリラックスしながら摂取すれば、睡眠中の肌の修復も助けます。
おやつタイムも活用できます。ドライマンゴー、干しあんず、干し柿などのドライフルーツは、βカロテンが濃縮されていて手軽に食べられます。ナッツと組み合わせれば、脂質も一緒に摂れて吸収率が向上します。
小腹が空いた時の健康的な選択肢です。
作り置きのコツも覚えておくと便利です。にんじんのラペ(千切りにんじんのマリネ)やかぼちゃの煮物は冷蔵庫で数日保存でき、忙しい日の副菜になります。週末にまとめて作っておけば、平日の食事準備がぐっと楽になるでしょう。
継続するには楽しむことが大切です。旬の野菜を選ぶと味が濃くて美味しく、価格も手頃になります。春は春菊、夏はパプリカ、秋はかぼちゃ、冬はほうれん草と、季節ごとに楽しめば飽きずに続けられます。
栄養素の効果は摂取するタイミングでも変わります。朝食時に緑黄色野菜やジュースを摂ることで、1日の抗酸化リセットに最適です。朝の体は栄養を吸収しやすい状態にあり、朝食での栄養補給は効率が良いとされています。朝の習慣として定着させれば続けやすいでしょう。
睡眠中は肌の修復が活発に行われる時間帯です。夕食で温野菜やスープからβカロテンを摂取すると、睡眠中の肌の新陳代謝をサポートします。就寝前の2〜3時間前に食事を済ませることで、消化にエネルギーを使わず、肌の修復に集中できる環境が整います。
紫外線対策としても活用できます。紫外線が強い時期は特に意識して摂取量を増やすと良いでしょう。βカロテンは肌に蓄積されやすく、常に肌に蓄えておくことで隠れジミの予防機能が期待できます。日焼け止めなどの外側からのケアに加えて、内側からのケアも重要です。
ストレスが多い時期も要注意です。ストレスによって体内の活性酸素が増加し、肌の老化が進みやすくなります。抗酸化作用のあるβカロテンを意識的に摂ることで、ストレスによる肌ダメージを軽減できます。ビタミンCやビタミンEも一緒に摂れば相乗効果が高まります。
バランスの取れた食事が基本です。βカロテンだけを大量に摂っても、他の栄養素が不足していては美肌効果は半減します。主食・主菜・副菜を揃えた食事を心がけ、その中で緑黄色野菜の比率を高めることが理想的です。野菜ジュースで補う場合も、食事の代わりにするのではなく、あくまで補助として活用しましょう。
水分補給も忘れずに行いましょう。肌の健康には適切な水分量が必要で、1日1.5〜2リットルの水分摂取が推奨されています。水やお茶をこまめに飲むことで、栄養素が体内を巡りやすくなり、肌の細胞にも届きやすくなります。
運動習慣も美肌に貢献します。適度な運動は血行を促進し、栄養素が肌の隅々まで届けられます。ウォーキングやヨガなど、無理のない範囲で続けられる運動を取り入れることで、βカロテンの美肌効果をさらに引き出せるでしょう。
禁煙は最優先事項です。喫煙していてβカロテンサプリメントを摂取すると健康リスクが上がることは前述しましたが、喫煙自体が肌の老化を加速させます。タバコ1本で20mg以上のビタミンCが消費され、せっかく摂った栄養素も無駄になってしまいます。美肌を目指すなら、何よりも禁煙が効果的な対策です。