

」で紹介され話題のバクテリオファージ。
ニキビの原因菌・アクネ菌にピンポイントで働きかける全く新しいアプローチとは何か?あなたのスキンケアは本当にニキビに効いていますか?
毎日ニキビ向けの洗顔料でしっかり洗っているのに、アクネ菌を徹底的に殺菌すればするほど、実は肌のニキビが増えていることがあります。
「バクテリオファージ」という言葉を初めて聞いた方も多いかもしれません。その名前はラテン語で「菌(バクテリア)を食べるもの」という意味を持つウイルスのことです。特定の細菌に感染し、菌の細胞壁に穴を開けて内部で自らを増殖させ、最終的にその細菌を破壊するという能力を持っています。
重要なのは、バクテリオファージが「狙った特定の菌だけ」に作用する点です。腸内フローラと同じように、肌にも「肌フローラ(スキンマイクロバイオーム)」と呼ばれる常在菌のバランスが存在します。善玉菌・悪玉菌・日和見菌がそれぞれ一定のバランスを保っており、そのバランスが肌の健康を支えているのです。
一般的な殺菌成分入りのスキンケアやニキビ薬は、アクネ菌だけでなく、肌を弱酸性に保つ善玉菌(表皮ブドウ球菌など)まで一緒に減らしてしまうリスクがあります。これが肌のバリア機能を低下させ、かえってニキビが繰り返す原因になることがあるのです。つまり「全滅させる殺菌」は逆効果のこともあります。
バクテリオファージは増えすぎたアクネ菌などの悪玉菌だけにアプローチするため、善玉菌を守りながら菌バランスを整えることができます。これが肌フローラを整えるという「新しいニキビケアの発想」の核心です。
大阪公立大学:ニキビ患者を対象としたバクテリオファージ療法の臨床試験開始(公式プレスリリース)
2025年4月15日に放送された日本テレビ系列「カズレーザーと学ぶ。
」2時間スペシャル。
このなかで「最新科学と皮膚トラブル」がテーマとして取り上げられ、バクテリオファージによるニキビ治療の研究が紹介されました。
大阪公立大学大学院医学研究科皮膚病態学の鶴田大輔教授が出演し、アクネ菌の薬剤耐性問題とファージ療法の可能性を解説。鶴田教授らの研究チームによる国内初のバクテリオファージ臨床研究の詳細が視聴者に向けて紹介されました。
それがきっかけです。
カズレーザーはこの説明を聞いて「ニキビって昔からある病気だから対処法はあるんだろうと思っていた。でもいまだにわからないシステムもあるんですね」とコメント。薬剤耐性菌への対抗策として「心強い」という感想も述べています。
番組内でさらに注目されたのが、アクネ菌の中に既存の抗生物質が効かない「薬剤耐性菌」が出現しているという事実です。ニキビは身近な悩みですが、実は薬剤耐性という深刻な医療問題ともつながっているのです。バクテリオファージは耐性菌に対しても有効な可能性があるとされており、それが特に注目されている理由の一つです。
「アクネ菌=悪い菌」というイメージを持っている方は多いですが、実際はやや違います。アクネ菌(学名:Cutibacterium acnes)は、健康な肌にも普通にいる常在菌です。
アクネ菌は普段、皮脂を材料にして肌を弱酸性に保つ物質(遊離脂肪酸)を産生し、黄色ブドウ球菌などの有害菌が増えるのを防いでいます。
つまり善玉菌として機能しているのです。
問題が起きるのは、毛穴が角栓で詰まってアクネ菌が皮脂をエサに過剰増殖したときです。増えすぎたアクネ菌に反応して免疫システムが炎症を引き起こし、赤ニキビになります。
菌バランスが崩れることがすべての始まりです。
バクテリオファージを活用したニキビケアが目指しているのは、この崩れた菌バランスを整えること。増えすぎたアクネ菌だけを減らし、善玉菌の表皮ブドウ球菌や適度なアクネ菌は残すことで、肌フローラを健康な状態へと導きます。これが「殺菌」ではなく「菌バランス調整」という新発想の根拠です。
| 菌の種類 | 働き | バクテリオファージとの関係 |
|---|---|---|
| アクネ菌(適量) | 皮脂を分解して肌を弱酸性に保つ | 増えすぎた場合にターゲットになる |
| 表皮ブドウ球菌(善玉菌) | 悪玉菌の増殖を抑える、炎症を緩和する | バクテリオファージのターゲット外(守られる) |
| 黄色ブドウ球菌(悪玉菌) | 菌バランスが崩れると炎症を引き起こす | 対応するファージが開発されつつある |
バクテリオファージとニキビの関係は、単なるスキンケアトレンドではありません。2024年1月、大阪公立大学大学院医学研究科の研究グループが日本国内で初めて、ニキビ患者を対象としたバクテリオファージ療法の臨床研究を開始したことを公式発表しました。
この臨床研究では、ロシアのミクロミル社が製造するファージ製剤(日本名称:イスクラファージ スキンバランス)を使い、12歳以上のニキビ患者15人に1日2回、3か月間塗布してもらいました。ニキビの数や変化、かぶれや痛みの有無が検証された、国内初の本格的な試みです。
研究の背景にあるのは、世界規模での薬剤耐性菌問題です。現在、抗生物質が効かなくなった薬剤耐性菌による死亡者数は2050年には世界で1,000万人を超えると推定されており、これは死亡原因の第1位に浮上するという予測もあります。ニキビはそれ自体は命に関わらない病気ですが、耐性菌のニキビは既存の薬では治りにくく、患者の精神的・社会的ストレスは深刻です。
バクテリオファージは抗生物質と異なり、薬剤耐性を引き起こしにくいとされており、耐性菌に対しても効果が期待されています。
これが重要な点です。
また、ロシアや東欧では既にファージ療法が実用化されており、現地では比較的容易に入手できる地域もあるとのことです。
読売新聞:ニキビ治療に「ファージ療法」、大阪公立大が国内初の臨床研究を開始(詳細記事)
バクテリオファージをコスメに配合した日本初のブランドが「イスクラファージ(Iskra Phage)Skin Balance」です。漢方・生薬のイスクラ産業株式会社が展開するこのブランドは、大阪公立大学の臨床研究でも使用されたロシア・ミクロミル社のファージ製剤を採用しています。
主な製品は2種類です。
注目すべきは、化粧水・乳液もバクテリオファージの活動を妨げないよう専用処方で開発されているという点です。これは通常のスキンケアでは考慮されていない視点で、肌フローラの維持を本気で考えたライン設計と言えます。楽天ランキング1位を獲得した実績もあり、SNSや口コミでの広がりも見せています。
イスクラファージ公式ブログ(皮膚科医監修):お肌の常在菌・美肌フローラについての詳しい解説
せっかくバクテリオファージ配合の製品を取り入れても、使い方を間違えると効果が出にくくなります。ファージは生きた「ウイルス」という生物学的な存在であり、扱い方にいくつかの注意点があります。
まず基本の使い方の流れを確認しましょう。
また、バクテリオファージはタンパク質でできているため、高温・強酸性・強アルカリ性の環境では活性を失いやすい性質があります。美容液の保管は直射日光を避けた冷暗所が基本です。
これだけ覚えておけばOKです。
さらに気をつけたい点が、殺菌成分の強い化粧水や収れん化粧水をバクテリオファージ美容液と重ねて使うことです。せっかくのファージが効果を発揮する前に、殺菌されてしまう可能性があります。ニキビに効かせたいからと殺菌・消毒系アイテムを重ねるのはダメです。
「抗生物質や殺菌剤でアクネ菌を全滅させれば、ニキビは治るのでは?」と考えたことはありませんか?この発想は多くの人が持っていますが、実はそれが繰り返すニキビの原因になっている場合があります。
アクネ菌を殺菌すると、一時的にニキビは減ります。しかし同時に、肌のバリア機能を守っている善玉菌(表皮ブドウ球菌など)も消えてしまいます。善玉菌がいなくなった肌は外部刺激に対して無防備になり、乾燥が起きます。乾燥に反応して皮脂が過剰に分泌され、再び毛穴が詰まり、アクネ菌が再増殖するという悪循環が完成します。
抗生物質に関しては、さらに深刻な問題があります。
それが「薬剤耐性」です。
ニキビのために長期間抗生物質を内服・外用すると、アクネ菌が耐性を獲得し、薬が効かなくなる場合があります。実際、日本皮膚科学会のガイドラインでも、ニキビへの抗生物質長期使用は耐性菌の観点から推奨されていません。
これに対してバクテリオファージは、特定の菌のみを標的とし、善玉菌には影響しません。また、バクテリオファージは常に変異して新しい菌にも対応できる柔軟性があるため、薬剤耐性が生まれにくいとされています。
これが「根本的に違う」点です。
ここは一般的なバクテリオファージ記事では語られない少し深い話です。
近年の研究で、「腸-皮膚軸(gut-skin axis)」という概念が注目されています。腸内フローラのバランスが肌の常在菌に影響を与え、肌トラブルを引き起こすという考え方です。腸内環境が乱れると腸管バリアが弱まり、炎症物質が血中に入って皮膚に影響を与えるというメカニズムが分かってきています。
バクテリオファージはいまや皮膚への外用だけでなく、腸内フローラの調整ツールとして研究が進んでいます。増えすぎた腸内の悪玉菌だけをピンポイントで除去し、腸内フローラのバランスを整えるというアプローチで、サプリメントや医薬品への応用も世界中で研究中です。
つまり「バクテリオファージ × 腸活」という視点もあるわけです。
美容に関心のある方であれば、プロバイオティクス(乳酸菌・ビフィズス菌サプリなど)で腸内環境を整えながら、スキンケアでもバクテリオファージ配合製品を使う「インナー&アウター菌活」というアプローチが、今後の美容の一つの方向性になる可能性があります。ある12週間の二重盲検試験では、乳酸菌の経口摂取でニキビの炎症病変が有意に減少したというデータもあります(一般社団法人再生医療ネットワーク調べ)。外側だけでなく内側から整えることも視野に入れると、スキンケアの幅が広がります。
note:腸・肌・環境まで広がるファージの可能性(最新ファージ研究の概要をわかりやすく解説)
ニキビと並んで悩む方が多いのが、ニキビ跡です。赤みとして残る「炎症後紅斑」、茶色く沈着する「炎症後色素沈着(シミ)」、皮膚が凹む「クレーター(瘢痕)」の大きく3種類があります。
バクテリオファージが主に作用するのはニキビの「予防」と「炎症の抑制」です。既にできてしまったニキビ跡、特にクレーター状の瘢痕は、バクテリオファージだけでは改善が難しいのが現実です。
ニキビ跡の改善にはレーザー治療が効果的です。フラクショナルレーザーや炭酸ガスレーザーはクレーターに対して高い効果が期待でき、皮膚科・美容皮膚科で受けることができます。一方でレーザー治療はある程度ニキビが落ち着いた状態で受けることが望ましく、新しいニキビが増え続けている状態では治療効果が出にくく、また費用(数万円〜十数万円単位)が繰り返しかかることになります。
だからこそ順番が大切です。バクテリオファージなどで菌バランスを整えてニキビの発生を抑えながら、落ち着いてからレーザー治療でニキビ跡にアプローチするという流れが、時間と費用の両面で効率的です。
バクテリオファージ配合スキンケアが特に向いているのは、次のような方です。
一方で、即効性を求める方には注意が必要です。バクテリオファージは「菌バランスを整える」ことを目的としているため、根本的な改善を目指すアプローチです。強い炎症を起こしている真っ赤な赤ニキビや、膿がたまった黄ニキビが多数ある状態では、まず皮膚科での診察と適切な治療薬(抗生物質の外用薬・内服薬、アダパレンなど)を受けることが優先されます。
皮膚科受診が先という場合も多いです。
また、12歳未満のお子さんへの使用については、臨床研究の対象が12歳以上であったことを踏まえ、皮膚科医に相談することをおすすめします。
バクテリオファージに関して検索する方が持ちやすい疑問をまとめて解説します。
Q. バクテリオファージは市販で買えますか?
イスクラファージは公式サイト・楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon等で購入可能です。ドラッグストアでの取り扱いは現在のところ限定的で、主に通販での販売が中心となっています。トライアルセット(洗顔料20ml+美容液15ml)で試せます。
Q. バクテリオファージは副作用がありますか?
バクテリオファージは特定の細菌のみに感染するウイルスであり、ヒトの細胞には感染しません。大阪公立大学の臨床研究でも、安全性が確認されています。ただし、全員にアレルギーが起こらないとは言い切れないため、パッチテスト推奨が基本です。
Q. バクテリオファージとレーザー治療は同時にできますか?
基本的にバクテリオファージのスキンケアはレーザー治療と並行して使えますが、レーザー照射直後の施術部位への使用については皮膚科医に確認が必要です。照射後の肌は非常に繊細な状態のため、処方された外用薬を優先してください。
Q. バクテリオファージはどのくらいで効果が出ますか?
個人差はありますが、菌バランスが整い始めるまでに1か月、変化を実感するまでに2〜3か月を目安にする方が多いです。繰り返すニキビに対しては、継続使用が効果を感じるカギです。
焦らず続けることが条件です。
Q. バクテリオファージはロシア製の原料が使われているの?
イスクラファージに配合されているファージ成分は、ロシアの製薬企業ミクロミル社が製造するものです。同社はファージ製品の長い研究・製造実績を持ち、その製品は大阪公立大学の臨床研究でも採用されています。
QLifePro(医療ニュースメディア):大阪公立大学のニキビ患者へのバクテリオファージ療法について解説
「カズレーザーと学ぶ。」では、バクテリオファージと同回に「青色LEDがニキビに効果を持つ」という研究も紹介されました。ニキビの原因であるアクネ菌が代謝する際に発生する「ポルフィリン」という物質が、青色LED(波長415nm前後)を照射することで活性化し、アクネ菌を内側から酸化ダメージを与えて殺菌するというメカニズムです。
青色LEDによるニキビケアは、医療機器として一部クリニックで採用されているほか、家庭用のLEDニキビケアデバイスも市販されています。バクテリオファージと方向性の違いを比較すると以下のようになります。
| アプローチ | 主な作用 | 特徴 |
|---|---|---|
| バクテリオファージ | アクネ菌を選択的に減らし菌バランスを整える | 善玉菌を守る、耐性菌にも有効な可能性 |
| 青色LED | アクネ菌が作るポルフィリンを光で活性化・殺菌 | 刺激なし、薬剤不要、家庭用デバイスあり |
| 抗生物質(外用・内服) | アクネ菌の増殖を抑制・殺菌 | 即効性あり、長期使用で耐性菌リスクあり |
| 腸活(乳酸菌・食生活) | 腸内フローラを整え、腸-皮膚軸で肌に間接的に作用 | 継続が必要、即効性は低いが全身的なアプローチ |
これら複数のアプローチを組み合わせることが、繰り返すニキビに対して最も効果的と考えられています。
単一の手段に頼りすぎないことが大切です。
食生活の面では、GI値の高い食品(白米・白パン・砂糖など)の過剰摂取がインスリンスパイクを起こし、皮脂分泌を増やすことでニキビを悪化させるというエビデンスも蓄積されています。スキンケアだけでなく食生活の見直しも、並行して行う価値があります。
バクテリオファージとニキビの関係をまとめると、以下のポイントが重要です。
ニキビは「汚い」「不潔」なのではなく、肌の菌バランスが崩れた結果です。根本から崩れたバランスを整えるアプローチが、繰り返すニキビへの長期的な解答になるかもしれません。
バクテリオファージというウイルスが、逆説的に肌を守る味方になる。これがカズレーザーも驚いた、現代科学のニキビ治療の最前線です。

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