

美容に気を配る人ほどアガリクス摂取で劇症肝炎を起こす危険がある
健康や美容のために良いと思って始めたアガリクス摂取が、実は深刻な肝炎を引き起こす可能性があることをご存知でしょうか。厚生労働省の報告によると、2003年11月に肺がん手術を受けた男性が、術後にアガリクスを含む製品の摂取を開始したところ、わずか3週間後に劇症肝炎を発症し、残念ながら死亡するという痛ましい事例が発生しています。
この事例では、摂取していたアガリクスを含む製品によるアレルギー反応で肝炎が発症した疑いがあるとされました。
つまり健康維持が目的だったはずです。
それなのに命を落とす結果になってしまいました。
さらに2001年には、進行がんの患者3名がアガリクス抽出物を服用中に重度の肝障害を呈し、そのうち2名が劇症肝炎で死亡したという報告もあります。劇症肝炎とは、肝細胞が急激に壊れて重度の肝機能低下や意識障害を起こす極めて危険な状態のことです。患者すべてがアガリクス抽出物を服用していたという事実から、アガリクス抽出物と肝障害との間には強い因果関係が示唆されています。
美容や健康のために何かを始める際、「天然由来だから安全」「多くの人が使っているから大丈夫」と考えがちですが、アガリクスに関してはこうした思い込みが命に関わる事態を招く可能性があるということですね。
厚生労働省によるアガリクスを含む製品についての詳細な報告書(PDF)
健康食品による肝機能障害の実態について、日本肝臓学会が行った調査結果は衝撃的なものでした。民間薬および健康食品による薬物性肝障害の調査では、合計117件の症例が報告され、その起因薬物は71種類にも及びました。その中でウコンが29件(約25%)と最も多く、次いでアガリクスが9件(約7%)と2番目に多い報告数となっています。
この数字が意味するところは重要です。健康のために摂取している健康食品が、実は肝臓に大きな負担をかけている可能性があるということですね。
アガリクスによる肝障害患者の特徴として注目すべきは、全例が悪性腫瘍の治療中であったという点です。つまり、がん治療という身体に負担がかかっている状況で、さらにアガリクスを摂取したことが肝臓への過剰な負荷となり、肝障害を引き起こした可能性が考えられます。病気の治療中や体調が万全でない時ほど、健康食品の選択には慎重になる必要があるということです。
予後については比較的良好とされていますが、死亡例も3例報告されており、その内訳はウコン、カバノアナタケ、アガリクスとなっています。アガリクスが原因による肝障害はウコンに次いで多いといわれ、厚生労働省は因果関係は特定できないとしていますが、劇症肝炎による死亡例も報告されているのが現実です。
日本肝臓学会による民間薬および健康食品による薬物性肝障害の詳細な調査報告(PDF)
アガリクス(学名:Agaricus blazei Murrill、和名:ヒメマツタケ)は、ブラジル原産のハラタケ科に属するキノコです。免疫力を高める効果が期待されるβ-グルカンという多糖類を豊富に含むことで知られ、美容や健康維持のために多くの方が利用してきました。
しかしアガリクスには、フェニルヒドラジン誘導体の一種である「アガリチン」という成分も含まれています。国立医薬品食品衛生研究所の試験によると、アガリクス製品中のアガリチン含有量は乾燥重量1gあたり1,348µgという報告があります。このアガリチンが肝臓にどのような影響を与えるかは、製品の品質や個人の体質によって大きく異なります。
アガリクスの成分であるβ-グルカンは、免疫細胞の活性化を促し、NK(ナチュラルキラー)細胞の働きを高める効果が期待されています。そのため抗がん作用や免疫力向上の目的で摂取する方が多いのです。
ところが一方で、肝機能が低下している人がアガリクスを摂取した場合、肝臓への負担が増加し、症状の悪化や新たな肝障害が発生するリスクがあります。特に慢性肝炎やC型肝炎などの基礎疾患を持つ方は、アガリクスの摂取によって肝臓内に蓄積される成分が肝障害の進展につながる可能性が指摘されています。
美容や健康のために良いとされる成分でも、摂取する人の状態によっては逆効果になるということが理解できます。
2006年2月、キリンウェルフーズ株式会社が販売していた「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」について、国立医薬品食品衛生研究所が実施したラットを用いた中期多臓器発がん性試験で、発がん促進作用が認められたという報告がありました。厚生労働省はこの結果を受けて、同社に製品の自主的な販売停止と回収を要請しています。
この事例が示すのは、アガリクス製品すべてが同じ品質や安全性を持っているわけではないという事実です。実際に厚生労働省も「アガリクスは原材料や製品でかなり品質に差異がある」と注意喚起を行っています。
品質の違いが生まれる要因としては、産地(ブラジル産か中国産かなど)、栽培方法(自然露地栽培かハウス栽培か)、加工方法(乾燥、粉砕、抽出方法など)、そして研究開発データの有無などが挙げられます。特に中国で栽培されたアガリクス製品を摂取した消費者の中に、肝機能障害などの副作用を起こした事例が報告されているのも事実です。
安全性が確認されているアガリクス製品を選ぶためには、まず国立医薬品食品衛生研究所において遺伝毒性試験などの安全性・毒性試験を実施し、その結果が公開されているものを選ぶことが重要です。具体的には「岩出101株」のように、特定の株として管理され、安全性試験が実施されている製品が推奨されます。
また、製品を製造する際の国際的な基準である「HACCP(ハサップ)」を採用しているかどうかも、品質管理の一つの指標になります。HACCPは食品を作るための国際的な基準であり、厚生労働省でも導入を奨励しているものです。
粗悪な製品を選ぶリスクを避けるためには、価格だけで判断せず、製造元の信頼性や研究開発への取り組みを確認することが不可欠ですね。
すでに肝炎を患っている方や肝機能が低下している方にとって、アガリクスの摂取は非常に危険です。厚生労働省の報告では、C型肝炎の患者がアガリクスを摂取することで症状が悪化する可能性が指摘されています。C型肝炎の場合、肝臓内に鉄が過剰に蓄積されることで肝障害が進展することが知られており、さらにアガリクスの摂取が肝臓への負担を増大させるリスクがあります。
がん治療中の方も注意が必要です。前述の日本肝臓学会の調査でも、アガリクスによる肝障害患者は全例が悪性腫瘍の治療中であったという事実があります。がん治療では抗がん剤や放射線治療など、すでに肝臓に大きな負担がかかっている状況です。そこにアガリクスを追加することで、肝臓への負荷が限界を超え、劇症肝炎などの重篤な状態を引き起こす可能性があります。
キノコアレルギーを持つ方も摂取を避けるべきです。アガリクスを含むキノコ類にはタンパク質が含まれているため、マツタケやシイタケ、マイタケ、シメジなどのキノコ類を食べた際に、じんましんや湿疹、皮膚のかゆみなどのアレルギー症状が出たことがある方は、アガリクスでも同様の反応が起こる可能性が高いです。最悪の場合、アナフィラキシーショックのような重篤なアレルギー反応を起こすリスクもあります。
妊娠中・授乳中の方についても、安全性が十分に確認されていないため、摂取は控えるべきとされています。胎児や乳児への影響が明確でない以上、リスクを冒してまで摂取する必要はないということですね。
処方薬を服用中の方も医師への相談が必須です。アガリクスが処方薬の代謝に影響を与え、薬の効果を弱めたり、逆に強めすぎたりする可能性があります。特に肝臓で代謝される薬を服用している場合は、相互作用のリスクが高まります。
健康食品だからといって安易に摂取せず、自分の健康状態をしっかり把握した上で判断することが大切です。
もしアガリクス製品を利用したい場合、まず最も重要なのは医師への相談です。特に何らかの病気で治療中の方、肝機能に不安がある方、定期的に服薬している方は、必ず主治医に相談してから摂取を検討してください。医師は血液検査の結果などから、あなたの肝機能の状態を客観的に評価し、アガリクス摂取のリスクを判断できます。
製品選びでは、まず製造元の信頼性を確認することから始めます。具体的には、以下のポイントをチェックすると良いでしょう。
📌 産地と栽培方法の確認
ブラジル原産で自然露地栽培されたものが一般的に高品質とされています。中国産など産地が不明確な製品は避けるのが無難です。
📌 研究開発データの有無
国立医薬品食品衛生研究所などの公的機関で安全性試験が実施され、その結果が公開されている製品を選びます。岩出101株など、特定の株として管理されているものが推奨されます。
📌 品質管理体制
HACCP(ハサップ)などの国際的な食品安全基準を採用している製造元の製品を選ぶことで、品質の安定性が期待できます。
📌 成分表示の明確さ
β-グルカンの含有量やアガリチンの量など、成分が明確に表示されている製品を選びます。
成分表示が曖昧な製品は避けるべきです。
摂取を始めた後は、定期的な肝機能検査が必須となります。血液検査でAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどの肝機能マーカーを測定し、異常値が出ていないか確認します。仮に数値に異常が見られた場合は、ただちに摂取を中止し、医師の診察を受けてください。
摂取量についても、「効果を期待して過剰に摂取する」ことは絶対に避けるべきです。アガリクスは健康食品であり、薬ではありません。製品に記載されている推奨量を守り、それ以上摂取しないことが重要ですね。
体調の変化を見逃さないことも大切です。倦怠感、吐き気、食欲不振、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、発熱などの症状が現れた場合は、薬剤性肝障害の初期症状の可能性があります。これらの症状が出たら、すぐに摂取を中止して医療機関を受診してください。
美容や健康のために始めたことが健康を害する結果にならないよう、慎重な判断と継続的な健康管理が求められます。
Please continue.